歩くときの股関節痛は筋力不足や関節の硬さが原因かも!改善につながるセルフケアをご紹介

歩行中や階段の昇り降りの際に生じる「股関節痛」にお悩みの方に向けた記事です。歩くときに股関節が痛くなる理由や、症状を改善する簡単なセルフケアについてフィットネスインストラクターが詳しくご紹介します。日々の生活や運動の支障になってしまう股関節の痛みを、セルフケアで改善していきましょう!

歩くと股関節が痛む原因とは?

日々の歩行やウォーキング運動、階段の昇り降りの際に生じる「股関節の痛み」にお悩みの方は多いもの。せっかく運動をしようと思っても痛みが邪魔したり、激しい運動をしているわけではないのに痛みが生じる場合があります。股関節の痛みが起こるのはなぜなのでしょうか。

股関節は両足の付け根にあり、骨盤と大腿骨(太ももの骨)を繋いでいる関節です。骨盤と大腿骨の骨の表面は軟骨で覆われていて、さまざまな角度に動く骨の摩擦を軽減し、運動の衝撃を吸収しています。

股関節は両脚の付け根にあり、骨盤と大腿骨を繋いでいる関節
股関節は両脚の付け根にあり、骨盤と大腿骨を繋いでいる関節

しかし、股関節の動きが制限されるような状態になると関節に負担がかかり、摩擦によって軟骨がすり減って痛みを引き起こします。ここからは、股関節痛を引き起こすと考えられる原因をご紹介します。

股関節の柔軟性が低い

長時間のデスクワークや同じ姿勢を続ける習慣がある方は、股関節まわりの筋肉が凝りかたまって可動域が狭くなっています。その状態で無理に股関節を動かそうとすると股関節に痛みを感じやすくなります。ストレッチが十分にできていない状態で大きな負荷のかかる運動をしたり、重いものを持ったりする動作なども痛みを引き起こしやすくなります。

股関節が変形したり、すり減っている

骨折などのけがのほか、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)などの場合、骨同士が接触して神経を圧迫し、痛みを引き起こしていると考えられます。

運動不足

筋肉は適度な運動によって伸縮し、柔軟性を保っています。運動習慣がないと筋肉が凝りかたまった状態になりやすく、股関節の痛みを引き起こす場合があります。とくに腹筋などの体のバランスを支える筋力が不足すると反り腰などになりやすく、関節に必要以上の負担がかかっている可能性も考えられます。

支えられる体重以上に太っている

関節は体を支える骨と骨をつないでいる部分ですが、体重が増えすぎると関節にかかる負担も大きくなります。適切な重さを超えて関節に負担がかかると、骨同士の摩擦が大きくなり痛みを引き起こしやすくなると考えられます。

また、片方の股関節だけが痛む場合は、重心のバランスが崩れている可能性があります。日常生活の中で片方の足に重心をかけすぎる癖があると、片方の股関節だけに痛みが生じやすくなるのです。

歩行中に股関節が痛む方に考えられる疾患 

股関節痛の原因はさまざまなものが考えられますが、関節を円滑に動かすための筋肉が不足したり凝りかたまっている場合はストレッチや筋力トレーニングで改善ができます。しかし、強い筋肉の凝りや長く続く痺れなどを感じている場合は、変形性股関節症、単純性股関節炎、鼠径部痛症候群など関節の機能そのものに疾患を抱えている場合があります。

痛みが軽度で頻度が低い場合も、改善しない状態が長く続くと関節に疾患を引き起こす可能性があります。気になる方は整形外科への受診もおすすめします。

歩行中の股関節痛を改善するために行いたいこと

歩き方を見直すと、歩行に必要な筋力が十分について痛みの軽減が可能
歩き方を見直すと、歩行に必要な筋力が十分について痛みの軽減が可能

股関節の痛みを引き起こす原因を解消するために、日常生活で気をつけたいことをご紹介します。

歩き方を見直す

狭い歩幅で歩くと股関節が十分に動かせません。歩くときは背筋を伸ばして軽く胸を張り、歩幅を大きめにかかとから着地し、親指の付け根でしっかりと床を蹴るように歩きましょう。腕を大きく振ると全身の筋肉を刺激できます。歩き方を見直すと股関節の働きが円滑になるだけでなく、歩行に必要な筋力が十分について痛みを軽減できます。

姿勢を見直す

猫背や反り腰など、姿勢が崩れた状態になっていると関節にかかる負担が大きくなります。とくにデスクワークが続くと頭の重みで重心が前に倒れ、体を支える骨や関節にも大きな負担をかけます。座っているときは骨盤(坐骨)に上半身の重心が乗るように、立っているときや歩いているときはあごを軽く引いて目線を上げ、全身の重さを足裏全体できちんと支えられるように姿勢を見直してみましょう。

筋トレで歩行のための筋肉を強化する

歩くときの歩幅を大きくするためには、足を前に出したり床をしっかり蹴るための筋力が必要です。とくに、背骨と骨盤や大腿骨(太ももの骨)をつなぐ腸腰筋は、足を前に大きく出すために大切な筋肉です。そのほかに、前もも・もも裏の筋肉群やお尻の筋肉など、股関節をしっかり動かし歩行を支えるための筋肉をトレーニングで鍛えましょう。

筋肉の柔軟性を向上!歩行中の股関節痛を改善するストレッチ

股関節まわりの筋肉の柔軟性を高めて可動域を増やすことが大切
股関節まわりの筋肉の柔軟性を高めて可動域を増やすことが大切

股関節痛を緩和するためには、姿勢や筋力を改善するだけでなく、股関節まわりの筋肉の柔軟性を高めて可動域を広げることも大切です。位置の左右差によって股関節に痛みがある場合も、左右の筋肉の状態を均衡に保つためのストレッチが効果的です。そこで、股関節痛を改善するストレッチをご紹介します。

股関節調整
ストレッチ
股関節を緩ませて動きをスムーズにするために、立った姿勢で行う簡単なストレッチです。
体力がない方にもおすすめです。
痩せる!
股関節ストレッチ
股関節の動きを柔軟にし、足痩せにも効果的なストレッチです。
股関節を緩めるだけでなくお尻の筋肉もほぐせるため、座りっぱなしや立ちっぱなしの作業の後にもおすすめです。
座ったままできる
股関節ストレッチ
伸ばしにくい太ももの内側の筋肉を伸ばすストレッチです。
太ももの内側の筋肉は、日常生活の中では鍛えたり伸ばしたりしにくい筋肉です。
ストレッチポーズでしっかり伸ばしましょう。
四つん這いでの
股関節ストレッチ
股関節を動かすためのさまざまな筋肉を同時に伸ばすストレッチです。
足を伸ばして行うことで太ももからお尻にかけた広範囲の筋肉にアプローチできます。
仰向けでの
股関節ストレッチ
仰向けの姿勢でリラックスしながらできるストレッチです。
就寝前や起床後など、布団の上でも簡単できるストレッチで快適な1日を過ごしましょう。

ストレッチの詳細なやり方は下記の記事をご参照ください。

関連記事:股関節の痛みを改善するストレッチ5選。股関節の可動域&柔軟性アップで美脚効果も!

どのストレッチも痛みを感じたときだけでなく、座りっぱなしや立ちっぱなしで股関節まわりの筋肉が疲れているときにも効果的なストレッチです。日常的なセルフケアとして、スキマ時間に取り入れてみましょう。

歩くときの股関節痛をセルフケアで軽減してみよう

歩くときに痛みが生じると、痛みを避けて活動を制限してしまいがち。しかし、運動不足になるとさらなる痛みを引き起こすという悪循環に陥ってしまいます。痛みを軽減させるために、こまめなセルフケア&日常生活の見直しを行いましょう。股関節まわりのストレッチや筋力トレーニングなども取り入れながら、運動やウォーキングを思いっきり楽しんでくださいね。

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