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日本人の国民病ともいわれる肩こり。首から肩にかけての筋肉(僧帽筋)を強く揉んでもなかなか治らず、マッサージに行っても解消できない……なんて方も多いのではないでしょうか。本記事では、肩の痛みやこりに深く関わっている「三角筋」について詳しく解説!三角筋を鍛えるメリットやおすすめのセルフストレッチ、三角筋をストレッチするときのポイントなどをご紹介します。
目次
「三角筋(さんかくきん)」とは、肩まわりや腕の付け根を覆っている大きな筋肉で、その名のとおり三角形になっている筋肉のことです。上半身の筋肉のなかでもっとも面積が大きく、トレーニングの要として注目されています。構造上「前部」「中部」「後部」に分かれており、それぞれの部位で異なる役割を担っています。
まず、体の正面にあるのが「三角筋前部」です。上腕骨と鎖骨の外側を結んでおり、肩を内側に曲げたり、動かしたりする役割があります。次に、体を真横から見たときに見えるのが「三角筋中部」です。上腕骨と肩峰(けんぽう、肩関節の先端にある尖った部分)を結んでおり、肩甲骨を外側に回すときに使われます。
最後が、体の背中側にあるのが「三角筋後部」です。上腕骨と肩甲棘(けんこうきょく、肩の後ろ側にある突起部分)を結んでおり、肩甲骨を外側へねじったり回したりする動作を担っています。
筋肉を使う頻度が減ると、筋肉の緊張状態が続いて硬直してしまいます。筋収縮によるポンプ機能がうまく働かず、次のようなデメリットが生じます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
面積の大きな筋肉であるため、三角筋がこわばってポンプ機能が鈍くなると、老廃物や血液、疲労物質が周辺に溜まりやすくなります。この疲労物質が蓄積すると神経を刺激し、つらい肩こりを引き起こすのです。肩こりがひどくなると、痛みやだるさをカバーするために動きが制限され、ほかの部位のこりを引き起こすことも。慢性化させないよう、早めに筋肉をほぐしていきましょう。
三角筋が緊張して硬くなると、肩が内側に入り込んだ「巻き肩」になる可能性が高くなります。慢性的な巻き肩は姿勢が悪く見えるだけでなく、首や肩の痛み、頭痛なども引き起こします。さらに、巻き肩が長年続くと軟骨が少しずつすり減り、のちに四十肩や五十肩の原因になる場合も。姿勢改善や痛み解消のために、三角筋をほぐして肩を正しい位置でキープしましょう。
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三角筋の硬直が長期化すると、肩甲骨まわりの可動域が狭くなり、腕の上げ下げや肩回しなどのちょっとした動作でも鋭い痛みが走るようになります。はじめは肩、次に腕、さらには首や背中も……といったように、連鎖的に痛みが生じるケースも多いです。
面積の大きな筋肉であるため、三角筋が衰えると基礎代謝量が下がり、消費できるカロリー量が減少してしまいます。基礎代謝量は加齢による筋肉量減少に伴って低下するものですが、正しいトレーニングやストレッチを続ければ維持&向上できます。効率的に基礎代謝を高めたい方は、三角筋のような大きな筋肉を重点的に刺激していきましょう。
肩のこりや痛みを感じたときにマッサージに行く方も多いですが、ただ強い力で刺激するだけでは筋肉はほぐれません。ストレッチによって筋肉を伸縮させてあげることが大切なポイントです。
ここからは、三角筋をほぐすセルフストレッチを三角筋前部、中部、後部の部位別にご紹介します。どれも簡単なストレッチなので、肩のこりや痛み、動きづらさを感じている方はぜひ試してみてくださいね!
三角筋前部をほぐしたいときは、上腕骨から鎖骨にかけてバランスよく動かしていきましょう。このストレッチのように、タオルやトレーニング用のゴムバンドを使うと簡単にストレッチできます。肩がこわばると首や背中など、ほかの部位の筋肉に負担がかかってしまいます。首や肩の力を抜いて、リラックスしながら取り組みましょう。
三角筋中部をほぐしたいときは、肩甲骨外側を動かせるストレッチを行いましょう。このストレッチは、肩甲骨とつながっている脇の下の筋肉にもアプローチできます。筋肉の伸びを感じながら、ゆっくりと動かしていきましょう。人によっては痛みが出る可能性もあります。左右で可動域に差がある場合は、無理のない範囲で伸ばしてあげましょう。
三角筋後部をほぐすときは、背中側から肩にかけての筋肉全体が動くようなストレッチを行いましょう。肘を胸に寄せるとき、持ち上げている手と反対方向に体をひねるとよりストレッチ効果が高まります。
最後に、セルフで三角筋ストレッチを行うときのポイントを3つご紹介します。
それぞれのポイントと理由を詳しく見ていきましょう。
慣れない動きになるためどうしてもストレッチ中は呼吸が止まりがちですが、腹式呼吸を意識的に繰り返すとストレッチ効果がさらにアップ!腹式呼吸によって自律神経のバランスが整うと、硬直した筋肉もリラックス状態になってほぐしやすくなります。鼻から深く息を吸い、口から息を吐き出して脱力するのがポイントです。
勢いよく伸ばしたり、反動を使って動かしたりすると、硬直した筋肉が急に伸ばされて筋断裂を招く可能性があります。勢いよく動かしたからといって、ストレッチ効果が高まるわけではありません。呼吸のリズムに合わせて、ゆっくり伸ばしていきましょう。
ストレッチ中のケガを防ぐためにも、痛みを感じない程度の気持ちよさを大切にしましょう。とくに、すでに肩こりや痛み、だるさが出ている方は要注意。痛みを我慢してさらにストレッチを続けると、筋肉がよりこわばり、さらなる痛みやこりを招きます。自分の体の様子やその日のコンディンションを考慮しながら、自分のペースでストレッチの加減を調整しましょう。
肩が痛くなったときは首から肩にかけて伸びる「僧帽筋」をほぐしがちですが、実は三角筋こそが重要なポイント。ほぐすことで、肩こりだけでなく腕や首のこりの解消、巻き肩の改善、基礎代謝アップ効果も期待できます。肩の痛みやこりにお悩みの方は、本記事でご紹介したセルフストレッチで肩まわりをケアしてあげてくださいね。
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