筋トレのタイミングは食前・食後のどっちがベスト?違いを理解して効率的に鍛えよう
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
筋トレをするタイミングは食前・食後どっちがおすすめ?
筋トレをするタイミングとしておすすめなのは、食後です。筋トレ前にエネルギー源である糖質を補給しておくことで、「質の高いトレーニングができる」「バテずにトレーニングを続けられる」というメリットがあるからです。
しっかりと刺激をいれるような筋トレを行う場合、使われるエネルギー源は主に糖質です。そのため、体内に溜めてある糖質が不足している状態だと、十分に力が発揮できなかったり、トレーニング後半にバテてしまうことがあります。
それを防ぐためには、トレーニング前にしっかりとエネルギー源である糖質を補給することが大切なのです。
また、糖質が不足している食事前に筋トレを行うと、糖質の代わりのエネルギー源として筋肉を使ってしまうので、筋肉の分解が進んでしまいます。筋トレを食前に行う場合は、消化がすでに終わっている状態なので、消化吸収にエネルギーをとられず筋トレにエネルギーを集中させるメリットはあります。しかし、筋トレを力いっぱいやれるメリットと、筋肉の分解が進んでしまうデメリットを考えると実はデメリットの方が大きいのです。
食後に筋トレを行うメリットとデメリット
筋トレを効果的に行うためには、食事をしてからの筋トレがおすすめですが、食後の筋トレにもメリット・デメリットが存在します。ここでは食事をしてから筋トレを行うメリットとデメリットについて詳しく説明します。
メリット|トレーニングのエネルギーを確保できる
筋トレで筋肉を動かす際は、細胞内にあるATP(アデノシン三リン酸)という物質を大量に必要とします。ATPは主に糖質と脂質、たんぱく質から生み出されるため、筋トレ前に食事を摂っておけばATPを大量に生産できる状態になります。
特に筋肥大を目的に筋トレを行う方は、ハードな筋トレで強い力を発揮せねばならず、多くのATPを要します。しっかりと筋肉を使うため、フルパワーで最後まで筋トレに取り組むためにも筋トレ前のエネルギー補給はとても重要なのです。
メリット|筋肉の分解を防げる
食後に筋トレを行うと、筋肉の分解を防ぎ、筋肉量の増加を助けてくれます。体の中では絶えず筋肉の合成と分解が起こっており、合成が分解を上回ると筋肉量が増加します。そのため、増加に対してのみフォーカスするのではなく、分解を防ぐことも筋肉を増やすためには大切になります。
また、糖質が不足すると、筋肉などの体たんぱく質を分解してエネルギーに利用されることが多くなってしまいます。特に筋トレ時には糖質が大量に必要になるため、糖質が不足していると筋肉の分解が加速すると考えられます。分解を防ぐためにはトレーニング前に糖質を十分に体内にため込む必要があり、だからこそトレーニングの前に食事を摂るべきなのです。
デメリット|消化不良を起こす可能性がある
食後にトレーニングを行うデメリットとして、消化不良を起こす可能性があります。通常、胃腸に飲食物が入ると、消化吸収のために胃腸へ多くの血液が集まります。しかし、筋トレをすると酸素や栄養を送るために各筋肉に血液が送られてしまい、消化吸収に必要だった血液が胃腸に集められません。そうなると、消化不良を起こしたり、お腹を痛めてしまったりする可能性があります。
筋トレは食後にするべきとはいっても、胃腸に血液が必要な食後すぐでのタイミングは避けた方が無難です。
筋トレのタイミングは食後何時間がベスト?
理想は食後から2時間以降
食後に筋トレを行うタイミングは、できるだけ食事から2時間以上あけたタイミングが理想です。そのくらい時間をあければ、消化不良を起こす可能性が低くなり、筋トレに集中することができます。
ある程度消化吸収が済み、胃腸に必要な血液量が減る食後2時間後以降に筋トレを行いましょう。
食後30分〜1時間以内に筋トレをする場合は食べる量を抑える
食後30分〜1時間以内に筋トレをする場合は、食事を軽食で済ませるのがおすすめです。
コンビニなどでも手軽に買えるおにぎりやカットフルーツ、和菓子などで糖質を補給して筋トレに臨みましょう。
そのあと、トレーニング終わりには炭水化物は摂らずに、おかずだけの食事を摂ることで栄養素も十分に確保できますよ。
食後に筋トレをする際の注意点・コツ
時間帯も意識してトレーニングする
食後といっても、朝食・昼食・夕食のどの後にトレーニングをするのがよいのでしょうか。それぞれにメリットとデメリットがあります。
例えば、朝にトレーニングを行うと自律神経が整いやすいメリットがありますが、夕食からだいぶ時間が経っていたり、睡眠によって脱水状態になっていたりするため、筋トレを始める前に糖質と水分を摂っておく必要があります。逆に夜にトレーニングを行う場合は、睡眠の質を改善できるメリットがある反面、食後に筋トレを行う時間を確保しにくいというデメリットもあります。
そのため、時間帯に合わせて食事内容もコントロールしていくことがより効果的なトレーニングには大切です。ほかにも時間帯によるメリット・デメリットを下記にまとめたので、自分に合った時間帯を選んで食事内容を調整していきましょう。
時間帯 | メリット | デメリット |
---|---|---|
朝食後 | ・自律神経が整う ・予定外の用事が入りにくく、筋トレ時間を確保しやすい | ・朝は糖質不足、脱水状態である ・日中に比べ柔軟性・筋力が不足した状態である |
昼食後 | ・起床から時間が経ち、筋肉がほぐれ筋力が高まっている状態で行える | ・ジムが混み合っている ・残業など予定外のことが起こりやすい |
夕食後 | ・ほどよく疲れた体は、睡眠の質改善につながる | ・食後に筋トレ時間を確保しにくい |
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栄養バランスの整った食事を意識する
筋トレ前の食事は、栄養バランスのとれたメニューを摂ることもとても重要です。栄養バランスの偏った食事を続けると、筋トレによる筋肥大効率が悪くなるだけでなく、体調不良にもつながってしまいます。
筋肉をつけるのに必要な栄養素といえばたんぱく質と糖質がメインですが、そのほかの栄養素も欠かせません。例えばミネラルの一種である亜鉛は、不足すると筋肉合成ホルモンであるテストステロン分泌を低下させ、筋肉量増加を阻害します。また、ビタミンB群はたんぱく質代謝に深く結びついているほか、脂質も健康的な体を保つためにとても重要です。
三大栄養素といわれる炭水化物、脂質、たんぱく質はもちろんのこと、これらの代謝をサポートするビタミン、ミネラル、食物繊維なども意識した食事を摂るようにしましょう。
筋トレの直前にアミノ酸を摂取する
筋トレの直前にアミノ酸を摂取することもトレーニングの成果を上げるために効果的です。アミノ酸は筋肉を構成している成分ですが、エネルギーが不足すると筋肉を分解してアミノ酸にしてからエネルギーとして利用します。アミノ酸を食事から摂取し体内にためておくことで、トレーニング中の筋肉の分解を防ぐことができ、筋肉量の増加を助けてくれます。
トレーニングの2時間前までに食事を済ませている場合は、十分にたんぱく質を摂って血中のアミノ酸濃度が高まっているため不要ですが、トレーニング前に食事ができなかった場合は軽食で糖質を摂るのと合わせてアミノ酸を摂取するとよいでしょう。
アミノ酸はBCAAかEAAと呼ばれるものを選んでください。プロテインやサプリメントで摂取できます。
【今日から作れる】筋トレと相性の良い食事メニューを紹介
筋トレと相性の良いおすすめのメニューは、「ご飯、味噌汁、豚のしょうが焼き、サラダ」の組み合わせ!
筋トレに限らずバランスの良い食事はとても大切で、特に五大栄養素を意識して摂取するのがポイントです。
上記の組み合わせのレシピなら、ご飯で炭水化物、豚肉でたんぱく質、味噌汁で塩分とミネラル、サラダでビタミンを摂取することができます。
また豚肉にはビタミンB1が豊富で、糖質をエネルギーに変える、疲労回復を助けるなど、筋トレ後に嬉しい効果が得られますよ。
その豚肉と、代謝を上げ筋肉痛を和らげてくれる生姜を組み合わせた「しょうが焼き」は、ぜひ筋トレ後に食べたい食事なのです。
筋トレ後のタイミングでプロテインを摂取しよう
筋トレのあとはプロテインを活用してすばやくたんぱく質を補給しましょう!
筋トレをすると、筋回復および筋肥大のために、体はたんぱく質や炭水化物を求めています。
そのタイミングでプロテインを飲むことで、以下のようなメリットを得られますよ。
- 筋肉の回復を促進
- 筋肉の合成促進による効率的な筋肉の成長
- エネルギーの補充
- インスリンや成長ホルモンの分泌促進
美味しいプロテインを飲みたいけどどれがいいのかわからない、という方には「ウルトラホエイプロテイン」がおすすめです!
しっかりたんぱく質を補給でき、味も美味しいので飲みやすいですよ。
筋トレと食事のタイミングに関するQ&A
食前に筋トレするメリットはある?
食前の筋トレはあまりおすすめできませんが、有酸素運動であればメリットがあります。
筋トレは多くのエネルギーを使うため、エネルギー不足になりがちな食前に行うとトレーニングの質が落ちたり、集中できなかったりとデメリットも多いです。
一方で有酸素運動は、空腹状態で行うことは脂肪燃焼に効果的であるため、食前に行うメリットがあります。
食後に筋トレすると太る?
筋トレでカロリーを消費できるため、食後の筋トレで体重増加に向かうことはありません。
ただ食事でカロリーを摂りすぎてしまうと、当然筋トレをしていても体重は増えてしまうので注意が必要です。
太らないためには消費カロリーが摂取カロリーを上回ることが鉄則。食事をする際には1日の総摂取カロリーを意識してみてくださいね。
筋トレ前に食事をする時間がないときはどうしたらいい?
筋トレ前にしっかりと食事の時間をとれない場合は、簡単に食べられるものでエネルギー補給をするのがおすすめです。
空腹の状態で筋トレをしても、思うように力を発揮できない可能性が高くなるだけでなく、気持ちが悪くなるなど、体調不良を招いてしまう場合もあります。
バナナやようかん、ゼリーなど簡易的に食べられるものなら時間がなくても摂取できるので、うまく活用しましょう。
ダイエットをしているときはいつ食事を摂るのがベスト?
ダイエットをしている場合、大切なのは「1日の総摂取カロリー」なので、食事のタイミングは筋トレの前後どちらでも問題ありません。
ダイエット中は基本的には自分のライフスタイルに合わせて筋トレと食事のタイミングを設定するのがおすすめ。
ただ、もし夜に運動するなら食前の方がカロリーを消費しやすくなるので、ダイエット効率が良くなる可能性はありますよ。
筋トレは食後に行って効果的に筋肉を鍛えよう
筋トレは食後に行う方が効果をより高めることができますが、注意点もあります。特に、しっかりと食事をした「直後」にトレーニングを行うと消化不良を起こしてしまう可能性があります。
筋トレは食後に行うのが理想的ですが、人それぞれ筋トレに時間を割けるタイミングは異なるものです。自分はどの時間帯に筋トレができるのか、筋トレ前の食事はどのような内容にするか考えることが大切です。軽食やアミノ酸サプリメントなどを上手に使い、最大限のトレーニング効果を得られるようにしましょう!