【トレーナー監修】背筋を鍛えるダンベルメニュー5選!ダンベルの適切な重量も紹介
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
背筋トレーニングに使うダンベルの重さは?
背中の筋トレは、背中に大きな筋肉が集まっていて重量を扱いやすい反面、特定の部位を狙って鍛えるのにはテクニックが必要になります。そのため、扱う重量が重すぎると上手にトレーニングを行えず、狙った部位にしっかりと負荷をかけられません。
一方で、軽すぎる場合は狙った筋肉を使った実感が得られず、正しく行えているかどうかがわかりにくくなり、成長も遅くなります。
初心者でも正しいフォームでしっかりと負荷を入れるためには、1セット10〜15回くらいの回数が適切です。そしてダンベルは、1セット10〜15回で、3セット行えるくらいの重量を選びましょう。その後、4〜5セット以上行えるようになったら負荷を1〜2kgずつ上げていくとよいでしょう。
継続して負荷を上げ続ける必要があるため、自宅で行うならば重量可変式ダンベルの利用がおすすめです。
【初心者OK】背筋を鍛えるダンベルトレーニング5選
ダンベルを使う大きなメリットは、行えるトレーニングのバリエーションが増えるところ。特に背筋を鍛えるトレーニングは自重と比べて飛躍的に増加します。
ここでは、数あるトレーニングの中から背筋を鍛えるのに効果的なダンベルトレーニングを5つご紹介します。
ダンベルデッドリフト
ダンベルを両手を持ち、股関節を軸にして上半身を前に倒してから起こす動作を繰り返すトレーニングです。背筋群全体に効きますが、主に脊柱起立筋や僧帽筋、菱形筋など背骨を安定させるための筋肉を鍛えられます。
高負荷で行えて効果の高いトレーニングですが、やり方を間違えると腰を痛めてしまう可能性も高いため、必ず正しいフォームで行いましょう。
ダンベルデットリフトのやり方
- 両足を肩幅に開いて立ち、左右の手にそれぞれダンベルを持ちます。
- 軽く膝を曲げ、お尻をやや後ろに引きます。おへそは正面ではなく斜め下の床に向けます。
- 脇を締めて肩甲骨を背中の中央に寄せ、軽くひじを曲げてダンベルを太ももの外側(腰の横側)にセットします。
- 息を吸いながら足の付け根から上半身をゆっくり前屈させます。腰が丸まらないように気をつけながら脚に沿ってダンベルを下げていきます。
- すねの真ん中までダンベルを下げたら、息を吐いて3の姿勢に戻ります。
- 4~5を1回として、15回を2セット行いましょう。
ダンベルデットリフトのポイント
腰が丸まらないように注意しましょう。腰が丸まったままデッドリフトを行うと腰への負担がとても大きくなり、腰を痛めてしまう可能性が高まります。
軽く胸を張って背骨全体を少し反らしながら行うと、上手に取り組めるでしょう。
ダンベルローイング
ダンベルローイングはダンベルを両手に1つずつ持ち、ダンベルを引っ張り上げるトレーニングです。
背中で最も大きな筋肉である広背筋を主に使いますが、特徴的なのは体幹の筋肉にもアプローチできること。背骨両脇にある脊柱起立筋や肩甲骨を寄せる筋肉である僧帽筋や菱形筋も同時に鍛えられます。
一方で、初心者が行うのにはやや難しい部分も。まずは軽い重さで正しいフォームを覚えてから行うようにしましょう。
ダンベルローイングのやり方
- 足を腰幅に開き、両手にひとつずつダンベルを持ちます。
- お尻を後ろに引き、太ももと床が平行になるところまで膝を曲げます。膝はつま先より前に出ないようにします。
- 背中が丸まらないように胸を張り、あごを少し上げて視線を上に向けます。
- 脇を締めてひじを曲げ、ダンベルを脚の付け根まで引き上げて肩甲骨をしっかり寄せます。
- ゆっくりとダンベルを元の位置まで下げます。
- 4~5を1回として15~20回、2セット行いましょう。
ダンベルローイングのポイント
ダンベルを引き上げるときに口から息を吐きながら行うと、腰の反りすぎを防いでトレーニングしやすくなります。また、引き上げるときに肩甲骨を寄せることを意識して行うと、広背筋のほかにも菱形筋や僧帽筋にもしっかりと効いてきます。
背中が丸まってしまうと腰を痛める原因になるため、必ず胸を張って背筋を伸ばして行いましょう。腰を真っ直ぐに保ちながら行うことを意識してください。
ダンベルアップライトロウ
ダンベルアップライトロウは、立位の状態で両手に持ったダンベルを腰から肩の高さまで引っ張り上げるトレーニングです。主に肩の三角筋を使うトレーニングですが、僧帽筋上部にも負荷が入り背中を鍛えるのにも役に立ちます。
しかし、間違ったやり方をすると肩を痛めてしまう危険性がありますので、正しいフォームで行うことを意識しましょう。
ダンベルアップライトロウのやり方
- 足幅を腰幅にして立ち、左右の手にそれぞれ適度な重さのダンベルを持ちます。
- 鼻から息を吸いながら、ひじを外側に曲げ、ダンベルが胸の前を通るように手首を肩まで引き上げます。
- 口から息を吐きながら、ひじを伸ばしてダンベルを下げます。
- 最初の姿勢に戻ったら同じように動作を繰り返します。
- 10回程度を1セットとし、2〜4セット繰り返し行いましょう。
ダンベルアップライトロウのポイント
特に注意するのは上げ下げの速度です。反動を使って上げてしまうと僧帽筋上部にほとんど負荷がかからないうえ、肩への負担も大きくなります。
効果をだすためにもケガを防ぐためにも、動きをコントロールして反動を使わずに行うことを意識しましょう。
ダンベルシュラッグ
ダンベルを両手に1つずつ持ち、肩をすくめるトレーニングです。主に、首の付け根から背中側の肩にまでくっついている、僧帽筋の上部に効かせることができます。
僧帽筋を発達させると、首まわりや背中上部にボリュームをだすことができます。
ダンベルシュラッグのやり方
- 脚を腰幅に開いて立ち、両手にダンベルを1つずつ持ちます。
- 鼻から息を吸いながら、両肩をそれぞれの耳に近づけるようにすくめます。
- 口から息を吐きながら、ゆっくりと肩を下に降ろします。
- 10回繰り返し、3セット行うようにしましょう。
ダンベルシュラッグのポイント
高重量を持っている状態で、目一杯肩をすくめた状態からいきなり脱力して肩を落とすと肩を痛めてしまいかねません。力をコントロールしながらゆっくりと降ろすことを意識しましょう。
また、大きな範囲で動かすことで筋肉に大きな刺激を与えられます。上げるときは肩を目一杯耳に近づけるようにすくめ、降ろすときは肩が最も下がる位置までしっかり下げることを意識しましょう。
ワンハンドローイング
ワンハンドローイングは、背中を地面と並行にした状態でダンベルを引き上げるトレーニング。主に広背筋を鍛えられます。体幹が不安定だったり背中が反り返ったりするとしっかり効かないこともありますので、正しいフォームを意識してトレーニングを行いましょう。
ワンハンドローイングのやり方
- トレーニング用のフラットベンチと適切な重さのダンベルを1つ用意します。
- 右手と右ひざをフラットベンチの上に乗せ、左足は膝を伸ばして床につけます。背中は丸めずまっすぐを保ちます。
- 左手でダンベルを持ち、ひじを天井に向けて引っ張るようにダンベルを持ち上げます。
- 完全に上げきったら、ゆっくりとひじを伸ばして2の姿勢に戻ります。
- 10回繰り返し、3セット行います。
- 反対側も同じく3セット行いましょう。
ワンハンドローイングのポイント
背中をまっすぐにして行うことがポイントです。高重量を扱えるトレーニングのため、追い込んでいくと反動を使いがち。体幹がブレたり、腰が反り返ったりすると広背筋がしっかりと使えなくなってしまいます。
反動を使わずに、ゆっくりと正確に行うことを意識しましょう。
背筋をダンベルで鍛えるときのコツ
正しいトレーニングフォームを効果的な重量で行うことができれば十分に筋肉にアプローチできますが、背筋トレーニングをさらに効果的にするための共通のコツがいくつかあります。
ここではダンベルでの背筋トレーニングをより効果的にするためのコツを3つご紹介します。
反動を使ってダンベルを動かさない
すべての筋トレに言えることですが、基本は反動を使ってトレーニングをしないことが重要です。
筋肉は刺激の入った部分が成長し、刺激の入らなかった部分は基本的に成長しません。筋トレを効果的にするなら、狙った筋肉に的確に負荷が入るように動かす必要があります。
しかし、反動を使ってしまうと狙った筋肉を使わずに、ほかの部分に負荷を逃がしてしまいます。負荷が分散してしまうどころか、ひじや肩関節、腰を痛めるリスクも上がってしまうので、動作は1回ずつ丁寧に行うようにしましょう。
サムレスグリップでダンベルを握る
背筋のトレーニングはサムレスグリップでダンベルを握って行うとより効果的です。
サムレスグリップとは、ダンベルに親指をかけずに握る方法のことです。サムレスグリップにすることで腕の力が入りづらくなり、背中に負荷がかかりやすくなります。
親指をグリップにかけないため、ダンベルを落としてしまうリスクもあります。ゆっくりとした動作で行うトレーニングで活用してください。
ドロップセット法を活用する
ドロップセットとはセット間の休みをほとんどとらず、限界まで追い込んで筋肉に刺激を入れていく方法です。きついですが時間効率よくトレーニングを行えます。
- 1セット目はいつも行っている重量と回数で行います。
- 2セット目は休憩時間を入れずに、1セット目の70〜80%程度の負荷でもう上げられないという限界まで行います。
- 3セット目も休憩時間を入れずに、2セット目の70〜80%程度の負荷で限界まで行います。
- 以上の手順を決めた回数とセット数で行っていきます。
休憩時間をはさまないため、とても短時間でトレーニングを終えられるのがメリットである反面、体にかかる負荷が大きく、ケガをする可能性が高まるなど初心者向きではありません。
筋トレに慣れてきた、筋肉の成長速度が遅くなったと感じたときに強い刺激を入れる目的で行うとよいでしょう。
正しいフォームと効果的な方法で背筋を鍛えよう
ダンベルはとても使いやすく、さまざまなトレーニングを効果的に行えるトレーニング器具ですが、上手に扱わないと背筋を鍛えるどころかケガをしてしまう可能性もあります。
何より効果をだすために大切なのは正しいフォームで行うことと、効果的な重量でトレーニングを行うこと。重いダンベルを上げたいと焦って間違ったフォームで行っても効果はでませんし、ケガにつながってしまいます。
正しく効果的なフォームで背筋を鍛えて、かっこいい体をつくりあげましょう。