【プロ監修】胸筋の鍛え方6選!初心者でもできる胸板を厚くする筋トレを紹介

【プロ監修】胸筋の鍛え方6選!初心者でもできる胸板を厚くする筋トレを紹介

監修者情報

柴田 直樹

柴田 直樹

トルチャインストラクター

株式会社ティップネス勤務。

入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。

現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。

◼︎資格

・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎

たくましい見た目になるためには、胸板の厚さもカギになります。分厚い胸板をつくるためには胸筋を鍛えることが必要です。
この記事では初心者でも胸板を厚くするための効果的な胸筋の鍛え方、おすすめのトレーニング方法、効率的にトレーニングを行うためのコツについて、プロのトレーナーが詳しく解説します。

胸板を厚くするために鍛える筋肉

胸板を厚くしたいなら大胸筋を鍛えよう

胸板を厚くするためには大胸筋を鍛えることが必要です。

大胸筋は主に押す動作のときに使う筋肉で、胸全体を覆っている大きな筋肉です。胸の中央にある胸骨と鎖骨の下縁から、上腕の骨の外側にかけてくっついています。

大胸筋は上部・中部・下部の3つに分かれており、それぞれの鍛え方は微妙に異なります。
分厚い胸板をつくるためには上部・中部・下部をバランスよく鍛えることが大切です。しっかりと鍛えることで全体的に丸みがあり、ボリューム感のある胸筋に仕上がります。

【初心者向け】自重でできる大胸筋トレーニング3選

胸筋を鍛えるためにはジムに行かなければならないのか?と思う方もいるかもしれませんが、必ずしもその必要はありません。特に初心者であれば、自宅でもしっかり鍛えることが可能です。

ここでは自宅でも効果的に大胸筋を鍛えられる自重トレーニングを3つ紹介します。

ノーマルプッシュアップ|大胸筋中部

いわゆる「腕立て伏せ」です。学校の授業で多くの方が経験したことのあるトレーニングではないでしょうか。

ノーマルプッシュアップで鍛えられるのは大胸筋中部です。さらに、二の腕や腹筋なども同時に鍛えられるとても効率的なトレーニングなので、自宅でのトレーニングにおすすめです。初心者でも積極的に取り組んでみましょう。

ノーマルプッシュアップのやり方

  1. 床にひざをつき、両手は肩幅の1.5倍ほどに開いて床につけます。
  2. ひざを床から離し、頭からかかとまで一直線になるような状態をつくり、顔は床に向けます。
  3. 無理のない範囲で、ひじを曲げながら体を下ろします。
  4. 肩とひじの位置が平行になるところまで、体を下ろしてから、両手で床を押して2.の体勢に戻ります。
  5. 10〜15回を1セットとし、3セット行いましょう。

ノーマルプッシュアップのポイント

運動経験が少ない方は、しっかりとひじの曲げ伸ばしができなかったり、体幹を一直線に保てなかったりすることがあります。

ひじの曲げ伸ばしが十分にできない場合は負荷が大きい可能性が高いため、まずはひざをついた状態からはじめて徐々に負荷を増やしていくようにしましょう。

関連記事:ノーマルプッシュアップのやり方について詳しく解説した記事はこちら

バイクプッシュアップ|大胸筋上部

バイクプッシュアップ|大胸筋上部

パイクプッシュアップは体をくの字にし、逆立ちのようにして行う腕立て伏せです。肩のトレーニングとしても行われますが、大胸筋の上部にも効きます。

正しいフォームで行えば上腕三頭筋肩にある三角筋を鍛えることができますが、適切に行わないと肩を痛めてしまう場合があります。フォームを意識して行いましょう。

バイクプッシュアップのやり方

  1. ノーマルプッシュアップの姿勢になり、足と腕の距離を詰めてお尻を高く上げます(くの字の姿勢になります)
  2. 鼻から息を吸いながら頭頂部が床に触れそうになるまでひじを曲げます。
  3. 頭を床に触れるギリギリまで近づけたら、口から息を吐きながらもとの姿勢に戻ります。
  4. 10〜15回1セットとし、3セット行いましょう。

バイクプッシュアップのポイント

パイクプッシュアップでは体を直角に近づけるほど肩に負荷が入りやすくなり、さらに角度を広げることで大胸筋上部に負荷が入りやすくなります。そのため、上半身の角度を適切に調整することが大切です。

筋肉のつき方や骨格は人によって差があるため、さまざまな角度で行ってみて大胸筋の上部を使っているという感覚があるところで行うようにしましょう。

ヒンズープッシュアップ|大胸筋上部

ヒンズープッシュアップは体を前方に下ろしていき、体を持ち上げるときに円を描くように行う腕立て伏せ。前後に体をスライドさせながら行うことで大胸筋の広い範囲に負荷を入れることができ、特に上部への刺激を入れやすくなります。また、上腕三頭筋や肩の三角筋も鍛えることができます。

ヒンズープッシュアップのやり方

  1. ノーマルプッシュアップの姿勢にからややお尻を高く上げる。(パイクプッシュアップよりも角度が浅いくの字の姿勢)
  2. 斜め前方へ体を下ろしていき、胸が床に触れるか触れないかというところまで下げる。
  3. 目一杯下がったら、頭で円を描くように体を押し上げます。
  4. 10〜15回を1セットとし、3セット行いましょう。

ヒンズープッシュアップのポイント

体を起こす際は、上半身の勢いで体を起こしてはいけません。
あくまでも腕の力だけで体を押し上げることが大切。体を下げたら一度動きを止めて、ゆっくりとひじを伸ばして最初のポジションに戻ることを意識するとよいでしょう。

【自宅でできる】ダンベルを使った胸筋トレーニング3選

自体重だけではやや物足りなくなったら、ダンベルを使ってトレーニングを行ってみましょう。高負荷をかけてより効果的なトレーニングを行えます。

ここではダンベルを使った胸筋トレーニングを3つ詳しく解説します。

ダンベルアダクション|大胸筋下部

ダンベルアダクションは立った状態でダンベルを持ち、腕を胸側に入れる動作を行って大胸筋下部を鍛えるためのトレーニング。

大胸筋下部は最適なトレーニングが少ないため、しっかりと刺激を入れられるトレーニング種目はとても貴重です。シンプルな動きですが、効果的に大胸筋の下部を鍛えられるため初心者にもとてもおすすめのトレーニングです。

ダンベルアダクションのやり方

  1. 右腕に1つダンベルを持ち、腕をまっすぐ下げます。手のひらを体側に向けます。
  2. 軽く胸を張り、ひざを曲げ、背中をまっすぐに保ったまま上半身を30〜45°程度倒します。
  3. ひじを伸ばしたまま肩を軸に右腕を左側へ目一杯スライドさせます。口から息を吐きながら行います。
  4. 鼻から息を吸いながら最初の位置に戻ります。
  5. 10〜15回を1セット行い、反対側も同様に行いましょう。1〜2分休憩を入れて3セット行いましょう。

ダンベルアダクションのポイント

体幹をまっすぐ保つことが大切です。ダンベルの動きとともに体幹がブレてしまっては大胸筋下部に刺激が入りにくくなります。

肩甲骨を固定したまま、肩と腕だけを動かすイメージで行うと効果的に行えるでしょう。

クローズドチェストプレス|大胸筋中部

クローズドチェストプレス|大胸筋中部

クローズドチェストプレスは床に仰向けになってダンベルを両手に持ち、ダンベルをくっつけながらひじの曲げ伸ばしをするエクササイズです。

ダンベルでのチェストプレスは、トレーニング用ベンチがないと大胸筋に刺激を入れにくいのですが、クローズドチェストプレスは大胸筋中部に効果的に刺激を入れることができます。また、同時に上腕三頭筋や三角筋も鍛えられます。

クローズドチェストプレスのやり方

  1. 両手に1つずつ適切な重さのダンベルを持ち、ひざを曲げて仰向けに寝転がります。
  2. 胸の前でダンベルをくっつけます。脇は締めすぎず、腕はわき腹よりひじをこぶし半個ほど開きます。
  3. ダンベルをくっつけたままひじを伸ばしてダンベルを上げます。口から息を吐きながら行います。
  4. 鼻から息を吸いながらダンベルが胸に触れるまで下げます。
  5. 10〜15回を1セットとし3セット行いましょう。

クローズドチェストプレスのポイント

動きをしっかりとコントロールして行うことが大切です。特に腕を下げるときはゆっくり行わないと負荷が弱まるうえに、ダンベルが体に強く当たってケガをする可能性が高まります。

動作をゆっくり丁寧に行って、安全に大胸筋に鍛えましょう。

アッパーレイズ|大胸筋上部

アッパーレイズ|大胸筋上部

アッパーレイズはイスなどに座ってダンベルを両手に持ち、その名前の通り「アッパー」のパンチのようにダンベルを上に上げる動作を行います。

主に鍛えられるのは大胸筋の上部です。大胸筋上部は単独では鍛えにくい部位ですが、アッパーレイズでは大胸筋上部だけを集中的に効果的に刺激を入れ胸板を厚くすることができます。

動きもシンプルなため初心者にもとてもおすすめのトレーニングです。

アッパーレイズのやり方

  1. 適した重さのダンベルを両手に1つずつ持ち、イスなどに座り背筋を軽く伸ばします。
  2. 腕を下ろしたまま、手のひらを自分側に向けてひじを直角に曲げます。
  3. 息を吐き、ひじを直角に保ったままダンベルを上腕が地面と平行になるまで上げます。
  4. 鼻から息を吸い、ひじを直角に保ったままゆっくりとひじを下げます。
  5. 10〜15回を1セットとし3セット行いましょう。

アッパーレイズのポイント

体幹をしっかりとキープすることがポイント。体幹がブレてしまうと腕もブレてしまい、大胸筋上部にしっかりと負荷を入れることが難しくなります。

軽く胸を張ったままお腹に力を入れて、体幹をキープしながら腕の上げ下げを行いましょう。

関連記事:胸筋をダンベルで鍛える方法について詳しく解説した記事はこちら

胸筋を効率的に鍛えるコツ

胸板を厚くするためには胸筋のトレーニングを正しく行うことがとても大切ですが、それだけでは効率的にトレーニングの効果を出せません。

ここでは、効率的にトレーニング効果を出すためのコツについて詳しく解説します。

トレーニング前に糖質を摂取する

胸筋を効果的に鍛えるためにはトレーニング前に糖質を摂取しましょう。
糖質は筋肉を動かすための重要なエネルギー源です。不足すると力が十分に発揮できずしっかりと追い込めないうえ、筋肉を分解してエネルギーをつくろうとしてしまい、筋肉量が増えにくくなってしまいます。

そのため、トレーニング前に糖質をしっかりと摂取することが大切です。おにぎりやバナナなどをトレーニング開始一時間前くらいに食べることがおすすめです。さらに、たんぱく質の分解を防ぐためにBCAAなどのアミノ酸サプリメントを飲むことも効果的です。合わせて摂取してみましょう。

トレーニング前後にストレッチを行う

トレーニング前後にストレッチを行うことは胸筋を鍛えるためにとても大切です。

トレーニングの刺激を大きくするためには筋肉が大きく伸び縮みすることが重要ですが、筋肉が固まったままだとトレーニング中にしっかりと筋肉を伸ばせません。そこで、トレーニング前に筋肉を伸ばす動的ストレッチを行うと可動域が広がるため、より効果的に胸筋に負荷をかけられます。

また、トレーニング後には普通のストレッチも行うことで疲労物質が排出され、疲労回復が早くなります。次のトレーニングでもしっかりと追い込めるため、トレーニング効果も高まります。
腕立て伏せやダンベルトレーニングを行ううえでも、肩甲骨まわりの柔軟性はとても大切です。ストレッチを行い、効果的に胸筋のトレーニングをしましょう。

関連記事:肩甲骨周辺の筋肉をストレッチするための方法を詳しく解説した記事はこちら

栄養バランスの良い食事を摂る

筋肉を大きくするためには、栄養バランスのとれた食事をしっかりと摂る必要があります。

食事から筋肉の材料を補給しなければ、筋肉は育ちません。筋肉の主な材料はたんぱく質で、これが不足するとトレーニングをしても効果がでません。

また、糖質や脂質が不足すると筋肉が分解されやすくなったり、必要なホルモンが不足したりして筋肉量が増えにくくなりますし、ビタミンやミネラルが不足すると代謝を悪くし、筋肉量増加に悪影響を与えます。

そのため、胸筋のトレーニング効果をしっかりと出すためには、栄養バランスのとれた食事を摂ることがとても大切なのです。

関連記事:栄養バランス良く食事ができるグリーンスプーンについて詳しく解説した記事はこちら

胸筋の鍛え方に関するQ&A

胸筋を鍛えようとすると、自宅でも胸筋を鍛えられるのか?ジムに通った方がいいのではないか?と多くの人が疑問を持つと思います。
ここでは胸筋の鍛え方についてよくある疑問について解説していきます。

胸筋は自宅でも鍛えられる?

結論から言うと、胸筋は自宅でも鍛えることができます。

筋肉は必要な刺激を入れることで鍛えられますが、本記事で紹介したようなトレーニングでもトレーニング初心者には十分な刺激を入れることが可能です。

一方で、体力がついて体が慣れてきたら自体重だけでは負荷が小さくなって効果が薄くなってきます。トレーニング効果をあまり感じなくなったら、ダンベルを使ったトレーニングに切り替えましょう。

胸筋を鍛えるなら器具は必要?

結論として、胸筋を鍛えるのに器具は必ずしも必要ではありません。自重トレーニングの腕立て伏せでも十分に負荷をかけることができ、イスなどの家具を活用して負荷を高めることも可能です。

もちろん、バーベルやダンベルなどの器具を使えばトレーニングの効率はさらに向上しますが、器具がなければ鍛えられないというわけではありません。まずは自宅でさまざまな自重トレーニングに取り組んでみて、さらに筋肉を発達させたいと思ったり負荷に不満を感じたりしたら、器具の購入やジムへの入会を検討するとよいでしょう。

胸筋を鍛える際の呼吸はどうしたらいい?

胸筋に限らずすべてのトレーニングで呼吸は止めずに自然な呼吸で行うようにしましょう。
呼吸を止めるとお腹の中の圧力が高まり力を発揮しやすくなりますが、血圧が大きく上昇し血管に負担がかかります。特に心血管系に問題がある方は呼吸を止めるのは避けましょう。

トレーニング中の呼吸は、力を入れるときに息を吐き、力を抜くときに息を吸うのが基本です。無理のない自然な呼吸でトレーニングを行いましょう。

正しい方法で効果的・効率的に胸筋を鍛えよう

胸板厚くするために最も大切なのは胸にある大きな筋肉、大胸筋を鍛えること。トレーニングをして適切に刺激を入れることで誰もが胸板を厚くできます。

大胸筋は上・中・下部の3つに分けられており、同じ筋肉でもそれぞれ少しずつ役割が違うため少しずつ動作を変えてトレーニングをする必要があり、それぞれを正しいフォームで行うことが大切です。

各トレーニングの動きのポイントをおさえ、正しいフォームを意識して効果的に胸筋を鍛えて分厚い胸板を作り上げましょう。

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