【初心者向け】プッシュアップバーは筋肥大に効果的!使用する際の注意点も紹介
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
「プッシュアップバーを使うトレーニング」に期待できる効果
プッシュアップバーを利用することの利点はトレーニングの効果を高めることです。特に筋力の向上や怪我の予防につながったり、トレーニングのバリエーションが増えるなどが期待できます。
ここではプッシュアップバーを使うトレーニングによって期待できる効果について詳しく解説します。
筋肉の可動域が向上する
プッシュアップバーを握ることで、プッシュアップバーを握った分高さが出るため、より大きな範囲で筋肉を伸び縮みさせることができます。
より大きな範囲で筋肉を伸び縮みさせることで筋肉に対して刺激を大きく加えることができてよりきついトレーニングになります。そのため、同じエクササイズをしてもより効率的に効果を出すことができるのです。
ケガの予防につながる
通常の腕立て伏せは手首を大きく曲げるため、関節に負担がかかりやすくなり痛める可能性が高くなります。
一方でプッシュアップバーを握って腕立て伏せを行う場合、手首を曲げることなく自然な角度でトレーニングを行うことが可能になります。
そのため、手首に無理な負荷をかけることなくケガを防ぐことにつながるのです。
トレーニングのバリエーションが増える
プッシュアップバーを使うことで行えるトレーニングのバリエーションを増やすことができます。
例えば、プッシュアップバーを背中側に置いて握り長座の姿勢から上下動させるディップスや、片脚だけで腕立て伏せを行うようなワンレッグプッシュアップなど、自重だけではできなかったトレーニングが可能になります。
通常の腕立て伏せ系のトレーニングのバリエーションは大きく変わりませんが、そのほかのトレーニングを追加して行えるのが大きなメリットです。
プッシュアップバーの使い方
プッシュアップバーは基本的に腕立て伏せを行うために利用します。
腕立て伏せの手幅に合わせてプッシュアップバーを体の横側に置いて握り、いつも通り腕立て伏せをするだけでOKです。
通常の腕立て伏せよりも、深く沈み込むようになります。
下がった際には肩甲骨をしっかりと寄せ、上がったときには肩甲骨をしっかりと前に押し出す意識で行うと効果的に行えるでしょう。
プッシュアップバーを活用したトレーニング5選
プッシュアップバーの使い方や効果を理解したうえで、具体的にどんなトレーニングをしたらいいのか気になりますよね。
ここではプッシュアップバーを活用したトレーニングを5つ紹介します。
ノーマルプッシュアップ
ノーマルプッシュアップとは、名前の通り普通の腕立て伏せをプッシュアップバーを使って行うトレーニングです。
おもに胸の筋肉である大胸筋、肩にある三角筋前部、二の腕にある上腕三頭筋を鍛えるエクササイズで、プッシュアップバーを使うことで、ケガのリスクを少なくし、筋肉の可動性を高め、より効果的に行うことができます。
ノーマルプッシュアップのやり方
- プッシュアップバーを肩から手のひら2枚ほど外側に、体と平行になるように置きます。
- プッシュアップバーを握って、手とつま先だけで体を支える腕立て伏せのスタート姿勢になります。
- ゆっくりとひじを曲げて体を目一杯下ろします。徐々に肩甲骨を寄せて下ろしましょう。ひじは体に対して45°程度開きましょう。
- ひじを伸ばして体を上げてきて、スタート姿勢に戻します。
- 決めた回数とセット数を行います。
ノーマルプッシュアップのポイント
体幹を真っすぐに保ちながら行うことが大切です。ノーマルプッシュアップの最中は腰が反った
り、丸まったりしてしまいがちですが、肩からかかとまでを真っすぐ保ちながら行いましょう。体幹を真っすぐに保って行うことで、しっかりと胸と腕に負荷が入りトレーニングの効果を出しやすくなります。
実施中は反動をつけずにゆっくりと降ろし、ゆっくりと上がることを意識しましょう。正しいフォームで行いやすくなります。
関連記事;ノーマルプッシュアップ(腕立て伏せ)を詳しく見たい方はこちら
ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップはノーマルプッシュアップよりも手の幅を狭くしたプッシュアップのやり方です。
手幅を変えることで刺激される筋肉に違いが出ます。手幅を狭くすることで胸の筋肉である大胸筋への刺激が減少し、二の腕の筋肉である上腕三頭筋への刺激が増加します。
より腕を太くしたい、強く刺激をいれたいという人におすすめのトレーニングです。
ナロープッシュアップのやり方
- プッシュアップバーを肩のすぐ外側、ノーマルプッシュアップよりもプッシュアップバー一個分だけ足側に、体に平行になるように置きます。
- プッシュアップバーを握って、手とつま先だけで体を支える腕立て伏せのスタート姿勢になります。
- ゆっくりとひじを曲げて体を目一杯下ろします。徐々に肩甲骨を寄せて下ろしましょう。わきをしっかりと締めて体とひじのスペースがなくなるようにしましょう。
- ひじを伸ばして体を上げてきて、スタート姿勢に戻します。
- 決めた回数とセット数を行います。
ナロープッシュアップのポイント
ナロープッシュアップのポイントはプッシュアップバーを置く位置です。ノーマルプッシュアップよりもやや足側に置きましょう。そうしないとひじを適切に締めることができずに、しっかりと負荷がかからないばかりか肩やひじのケガにつながってしまいます。
上手にひじが曲げられなかったり肩がすくんでしまう場合はプッシュアップバーの位置を調整してみましょう。
ワイドプッシュアップ
ワイドプッシュアップはノーマルプッシュアップよりも手幅を広くして行う腕立て伏せです。ナロープッシュアップと同じく、ノーマルプッシュアップと比較して筋肉の刺激の入り方が変わってくるのがポイントで、特に胸の筋肉である大胸筋への刺激が大きくなり、上腕三頭筋への刺激が小さくなります。
より大きなたくましい胸板を作りたいという人におすすめのトレーニングです。
ワイドプッシュアップのやり方
- プッシュアップバーを肩から手のひら3枚ほど外側に、体に対して八の字になるように斜めに置きます。
- プッシュアップバーを握って、手とつま先だけで体を支える腕立て伏せのスタート姿勢になります。
- ゆっくりとひじを曲げて体を目一杯下ろします。徐々に肩甲骨を寄せて下ろしましょう。
- ひじを伸ばして体を上げてきて、スタート姿勢に戻します。
- 決めた回数とセット数を行います。
ワイドプッシュアップのポイント
ワイドプッシュアップの実施中に気をつけたいことは下がりすぎないこと。肩を痛める原因になってしまいます。
手の幅を広げることで肩関節に寄り大きな負担がかかりやすくなり、痛める可能性が高まります。また、大胸筋がより大きく引き伸ばされることになるため、下ろしすぎることで過剰に引き伸ばされて肉離れなどのケガにつながってしまいます。
十分にストレッチされているのを感じたらそこで止めて行うことがケガの予防に大切です。
ディップス
ディップスは背中側にプッシュアップバーを置いて握り、長座の姿勢から体を上げ下げしていくトレーニングです。主に鍛えられる筋肉は腕の筋肉である上腕三頭筋で、大胸筋にも少しだけ刺激が入ることになります。
各種プッシュアップの効果を補完するためにとても効果的といえるトレーニングで、より太い腕を作りたいという人におすすめです。
ディップスのやり方
- ひざを伸ばして床に座り、プッシュアップバーをお尻のすぐ後ろ、肩幅の広さで、体に対して平行になるように置きます。
- プッシュアップバーを両手で握り、ひじを伸ばしてお尻を浮かせます。
- ゆっくりとひじを曲げてお尻を床に触れるか触れないか程度まで下げます。
- ひじを完全に伸ばしきる直前まで伸ばします。
- 決めた回数とセット数を行います。
ディップスのポイント
ディップスを行う際は上半身を反らずに行うことを意識しましょう。
特にひじを伸ばして上がっていくときにきつくなってくると背中を反らせて上がってこようとしがちです。しかし、そうなると反動を使って上がってきてしまうため上腕三頭筋に十分に刺激をいれることができません。
少しだけ腰を丸めるという意識をもって行うことで体の反りを使わずに行いやすくなります。反りを防いでトレーニングを行いましょう。
【最強】ワンレッグプッシュアップ
ワンレッグプッシュアップはノーマルプッシュアップを片脚で行うトレーニングで、腕立て伏せの中で最強ともいえるくらい負荷をかけることができるトレーニングです。
大胸筋や上腕三頭筋に寄り強い負荷がかかることはもちろん、腹筋を含めた体幹に対する刺激も大きくなるため、全身をまとめてトレーニングしたい場合にはとても効果的です。
一方で強度が高すぎるため初心者には難しいことがほとんどです。最初から行わず筋力をつけてから行いましょう。
ワンレッグプッシュアップのやり方
- プッシュアップバーを肩から手のひら2枚ほど外側に、体と平行になるように置きます。
- プッシュアップバーを握って、手とつま先だけで体を支える腕立て伏せのスタート姿勢になってから、右足を床から浮かします。
- ゆっくりとひじを曲げて体を目一杯下ろします。徐々に肩甲骨を寄せて下ろしましょう。ひじは体に対して45°程度開きましょう。
- ひじを伸ばして体を上げてきて、スタート姿勢に戻します。
- 決めた回数を行ったら反対側も同様に行います。
- 決めたセット数を行います。
ワンレッグプッシュアップのポイント
正しいフォームでできているかどうかだけをまずは気にしましょう。
ワンレッグプッシュアップは今までの四点支持から三点支持となりトレーニング強度が大きく増加するとともに、筋肉や関節に入ってくる負荷の大きさも大きく増加します。
そのため、筋肉や関節のケガにつながってしまう可能性が高まります。
正しいフォームでできないうちは、まずは前段階のトレーニングを行い十分な筋力をつけてから行うようにしましょう。
プッシュアップバーを使用する際の注意点
トレーニングをより効果的にしてくれるプッシュアップバーですが、間違った使い方をすると上手に鍛えられないばかりかケガをしてしまう可能性も高まります。
ここではプッシュアップバーを使用する際の注意点について詳しく解説していきます。
床が平らな場所で実施する
プッシュアップバーの接地面はそもそも平らな床の上で行うことを想定されて作られています。床がやわらかすぎたりボコボコだったりした場合、プッシュアップバーが不安定になりスムーズにトレーニングを行うことができません。
良いフォームで行わなければケガをする可能性も高まります。必ず平らな床の上でプッシュアップバーを使うようにしましょう。
筋肉の可動域を超えた動作は避ける
関節を無理に大きな範囲を動かすようなトレーニングの仕方はやめましょう。
大きな可動域を利用してトレーニングできるのがプッシュアップバーの大きな利点ですが、逆に大きく動かせすぎてしまうのがデメリットにもなります。正常な関節の範囲を超えて動かせてしまうのでケガにつながってしまう可能性が高まります。
トレーニングを行う際は痛みが出ない範囲で行い、少しでも痛みがあるようならトレーニングを中止しましょう。
プッシュアップバーの効果に関するQ&A
プッシュアップバーのメリットやトレーニングの仕方、注意点についてはわかったけど、こんなときはどうすればいいのか?これには効果があるのか?という疑問が残りますよね。
ここではプッシュアップバーの効果に関するよくある疑問に対する回答をしていきます。
プッシュアップバーを使うと筋肥大する?
プッシュアップバーを使ったトレーニングをすることで筋肥大をすることは十分に可能です。
そもそも、筋肥大をするためには筋肉が成長するために十分な刺激を受けることが大切です。筋肥大は、筋繊維が損傷し、回復することによって起こるからです。
腕立て伏せを何回もできないような段階であれば十分に普通の腕立て伏せでも筋肥大します。負荷の大きくなるプッシュアップバーであれば当然さらに効果的に筋肥大できるといえるため、筋肥大を起こすことができるでしょう。
10回も続けられないときはどうしたらいい?
10回も続けられないときはプッシュアップバーを使用するための筋力がついていない可能性が高いと考えられます。ですから、まずはプッシュアップバーを利用せずに普通の腕立て伏せなどで筋力をつけてから、再度プッシュアップバーにチャレンジすると良いでしょう。
プッシュアップバーを利用して効果的にトレーニングしよう
プッシュアップバーはおもに腕立て伏せを行う際に握るトレーニング器具で、いつも行っている腕立て伏せに対してより大きな負荷をかけることができます。
特に、筋肉を大きな可動域を利用して鍛えることができるため、筋肉への刺激を大きくしトレーニング効果を高めたり、手首が過剰に曲がりすぎないため関節を痛めにくくしたり、トレーニングのバリエーションを増やすようなことが期待できます。
上手に使うことでいつもの自体重での腕立て伏せだけでは得られないトレーニング効果を出すことができますので、プッシュアップバーを使ってかっこいい体を作っていきましょう。