ゴルフのヘッドスピードを上げたいなら筋力強化は必須!おすすめの宅トレを実践

監修者情報
小野寺 翼
ゴルフコーチ
アメリカで5年間のゴルフ留学を経験後、帰国後はメディアで活躍するプロの元で修行。
フィットネスクラブやスポーツ量販店での勤務を経て、現在は関東を拠点に活動中。技術指導・トレーニング・ギア選びまで幅広くサポート。
◼︎資格
PGAP(フィリピンプロゴルフ協会)ティーチングプロ
ゴルフのヘッドスピードと飛距離はどう関係する?


小野寺 翼
ヘッドスピードが上がるとボール初速も速くなり、飛距離が伸びやすくなります。
ゴルフの飛距離を伸ばすには、ヘッドスピードを上げることが重要です。ヘッドスピードが速くなるほどボール初速が上がり、遠くへ飛ばしやすくなります。ただし、単に力任せにスイングしても、ミスショットが増えたり、効率的にスピードを出せなかったりするため注意が必要です。
クラブの種類やシャフトの特性によっても、最適なヘッドスピードの出し方が変わります。自分のスイングに合ったクラブ選びと、スイングの効率を高める技術を身につけることで、無駄なくヘッドスピードを上げることができます。
また、筋力や柔軟性を強化することで、安定したスイングを維持しやすくなり、さらなる飛距離アップが期待できます。
ゴルフのヘッドスピードを上げる3つの方法
ヘッドスピードを上げるには、自分に合ったクラブを選び、正しいスイング技術を磨くことが欠かせません。さらに、スイングを安定させるための筋力や柔軟性の強化も重要です。ここでは、ヘッドスピードを向上させるための3つの方法を紹介します。
スイングに合ったクラブを選ぶ
ヘッドスピードを効率良く上げるためには、自分のスイングに合ったクラブを選ぶことが重要です。特に、シャフトの硬さや重量が合わないとスイングのリズムが崩れ、力をうまく伝えられず、最大限のパフォーマンスを発揮できません。ヘッドスピードが速い人には硬めで重めのシャフト、遅い人には柔らかめで軽めのシャフトが適しています。また、クラブの長さやヘッドの形状によってもスイングのしやすさが変わるため、慎重に選ぶ必要があります。以下の表を参考に、自分のスイングに合ったクラブを選びましょう。
ヘッドスピードが速い人向け | ヘッドスピードが遅い人向け | |
---|---|---|
シャフトの硬さ | S・X(硬め) | R・A・L(柔らかめ) |
シャフトの重量 | 60g以上(重め) | 50g以下(軽め) |
シャフトの長さ | 短め(操作性重視) | 長め(遠心力を活かす) |
クラブのバランス | D2~D5(ヘッドが効いた重めのバランス) | C8~D1(スイングしやすい軽めのバランス) |
ヘッドの大きさ | 小ぶり(操作性重視) | 大きめ(ミスの許容範囲が広い) |
ロフト角 | 9°~10°(低弾道・強弾道向け) | 10.5°~12°(高弾道・キャリー重視向け) |
自分に合ったクラブを選ぶことで、スイングの無駄な力みを抑え、効率良くヘッドスピードを上げることができます。特に初心者や中級者は、自分のスイング特性を理解し、最適なクラブを選ぶことが上達への近道ですよ。
スイング技術を向上させる
ヘッドスピードを効率良く上げるには、スイングの技術向上が欠かせません。無駄な力を使わず、スムーズな動きを身につけることで、スイングスピードが安定し、飛距離アップにつながります。特にスイングのリズムを一定にすることが重要で、力みを減らしながら効率良くヘッドを走らせることができます。
スイングは、グリップ・アドレス・テイクバック・トップ・切り返し・インパクト・フォロー・フィニッシュの各動作で適切なポイントを意識することが大切です。以下の表を参考に、自分のスイングを見直してみましょう。
スイング動作 | 改善のポイント |
---|---|
グリップ | 力を入れすぎず、指で包み込むように握る |
アドレス | 背筋を伸ばして、軽く膝を曲げる |
テイクバック | クラブをまっすぐ引き、体の回転と連動させる |
トップ | ヘッドの位置が安定するように適度な間を作る |
切り返し | 下半身主導で切り返し、力みを抑える |
インパクト | ボールを押し込む意識でヘッドを加速させる |
フォロー | 左右のバランスを崩さず、スムーズに振り抜く |
フィニッシュ | 振り抜いた後、左足がまっすぐ伸びるように立つ |
また、プロやコーチによるスイング診断を受けることで、自分では気づきにくい無駄な動きをチェックできます。スイングの癖を修正することで、より効率的にヘッドスピードを上げることが可能になります。
筋力・柔軟性を向上させる
ヘッドスピードを上げるには、スイング技術の向上だけでなく、筋力と柔軟性を強化することが不可欠です。どれだけ高性能なクラブを使っても、体の動きがスムーズでなければ、ヘッドスピードを十分に発揮できず、飛距離も伸びにくくなります。特に、上半身・下半身・体幹の筋力をバランス良く鍛えることで、安定したスイングが可能になります。
以下の表を参考に、鍛えるべき筋肉とおすすめのトレーニングを確認しましょう。詳しいトレーニングのやり方については次の章で解説します。
部位 | 鍛えるべき筋肉 | おすすめのトレーニング |
---|---|---|
上半身 | 胸筋・広背筋・三角筋 | 腕立て伏せ・ダンベルプレス |
下半身 | 大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋 | スクワット・デッドリフト |
体幹 | 腹筋・背筋・腹斜筋 | クランチ・プランク |
また、肩甲骨や股関節の柔軟性を高めるストレッチを行うことで、スイングの可動域を広げ、力の伝達効率を向上させることができます。ストレッチと筋トレを組み合わせ、ヘッドスピードアップを目指しましょう。
関連記事:初心者向けストレッチメニューを紹介した記事はこちら
飛距離を上げるおすすめの筋トレ
ここでは、飛距離を上げるためにおすすめの筋トレを3つ紹介します。
腕立て伏せ(プッシュアップ)
腕立て伏せ(プッシュアップ)は、胸筋・肩・腕の筋力を強化し、スイング時の安定性とパワーアップに効果的なトレーニングです。特に、クラブを振る際に重要な上半身の押し出す力を鍛えられるため、ヘッドスピードの向上にもつながります。
腕立て伏せのやり方
- 床に膝をつき、両手は肩幅の1.5倍ほどに開いて床につけます。
- 膝を床から離し、頭からかかとまで一直線になるような状態を作り、顔は床に向けます。
- 無理のない範囲で、肘を曲げながら体を下ろします。
- 肩と肘の位置が平行になるところまで、体を下ろしてから、両手で床を押して2の体勢に戻ります。
- 10〜15回を1セットとし、3セット行いましょう。
腕立て伏せのポイント
- 手幅を狭めると上腕三頭筋(腕)に負荷がかかるため、胸を鍛えたい場合は肩幅より広めに設定しましょう。
- 体幹を意識し、腰を反らせたり、お尻を上げすぎたりしないようにしましょう。
- 肩や手首に負担を感じる場合は、膝をついて行うと負荷を調整できます。
正しいフォームを意識することで、ゴルフに必要な上半身の筋力を効果的に鍛えられます。
関連記事:腕立て伏せ(プッシュアップ)の効果的なやり方を解説した記事はこちら
スクワット
スクワットは、下半身の筋力を強化し、スイングの安定性とパワーを向上させるトレーニングです。特に、大腿四頭筋やハムストリングス、臀筋を鍛えることで、スイング時の体重移動がスムーズになり、ヘッドスピードの向上につながります。無理に高負荷で行うのではなく、正しいフォームを意識して実施しましょう。
スクワットのやり方
- 両足を腰幅に開いて立ちます。つま先は正面よりもやや外側に向けます。
- 両手を胸の前で組みます。
- 息を吸いながら、後ろにある椅子に腰掛けるイメージでお尻を後方に下げます。
- 太ももが床と平行になるくらいの位置まで腰を落とします。無理に深く下げる必要はありません。
- 息を吐きながら1の体勢に戻ります。
- 3~4の動きを15回で1セットとし、無理のない範囲で3セットを目安に行いましょう。
スクワットのポイント
- 無理に追い込まず、あと1~2回できる余裕を残して終了することが大切です。
- 背中が丸まらないように意識しましょう。
- 膝への負担を軽減するため、膝がつま先よりなるべく前に出ないようにします。
- 股関節を意識し、重心をしっかりとコントロールしながら動作を行いましょう。
正しいフォームで行うことで、下半身の筋力を効果的に鍛え、スイング時の安定性とヘッドスピード向上につなげることができます。
関連記事:スクワットの効果や正しいやり方を解説した記事はこちら
クランチ

クランチは、腹直筋を中心に鍛えるトレーニングで、ゴルフに必要な体幹の安定性を向上させます。強い体幹はスイング中の軸ブレを減らし、効率的に力を伝えるために不可欠です。正しいフォームを意識することで、腹筋にしっかりと負荷をかけられ、効果的なトレーニングが可能になります。
クランチのやり方
- 床に仰向けになり、膝を90度に曲げて足は床から浮いた状態にします。
- 手を頭の後ろか胸の前で軽く組みます。
- おへそを見るように意識しながら、息を吐きつつ上体を丸めます。
- 肩甲骨が床から浮く程度まで上げたら、一瞬静止します。
- 息を吸いながら、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
- 10~15回を1セットとし、無理のない範囲で3セットを目安に行いましょう。
クランチのポイント
- おへそを見るように体を丸めると、腹筋にしっかりと効かせやすくなります。
- 腰を反らせず、背中を丸める意識を持つことで、腹直筋をしっかりと鍛えられます。
- 首に力を入れすぎず、腹筋の力で上体を持ち上げるようにしましょう。
- 勢いをつけずゆっくりと、フォームをコントロールしながら行うことが大切です。
クランチを正しいフォームで行うことで、スイング時の軸の安定性が向上し、ヘッドスピードの向上や飛距離アップにつながります。
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ヘッドスピードに関するよくある質問
素振りは効果あり?
素振りは、ヘッドスピードを上げるために有効な練習方法です。繰り返し行うことで、スイングの動作がスムーズになり、無駄な力みが減るため、効率良くスピードを上げることができます。また、クラブを振る動作自体が筋力強化にもつながるため、実際のショットでの安定感も向上します。
ただし、無理に振りすぎると関節や筋肉に負担がかかるため、体に痛みが出ない範囲で継続することが重要です。特に、正しいフォームを意識しながら素振りを行うことで、より効果的にヘッドスピードを高めることができます。
練習道具は用意するべき?
ヘッドスピードを上げるには、自分のスイング速度を正確に把握することが重要です。そのため、スイングスピードを測定できる計測機器を用意すると、成長の度合いを確認しやすくなり、効率的なトレーニングにつながります。
また、インパクト時の感覚を鍛える道具であるスマッシュバックやスイング練習器具なども、スピード向上に役立つ場合があります。必須ではありませんが、正しいフォームを身につけやすくなるため、効率良く上達したい人にはおすすめですよ。

ヘッドスピードを上げるために継続的なトレーニングを

ゴルフのヘッドスピードを向上させるには、クラブ選び・スイング技術の向上・筋力と柔軟性の強化が重要です。どれか一つだけを意識するのではなく、バランス良くトレーニングを行うことで、スムーズで力強いスイングが可能になります。
特に、自宅でできる筋トレは、スイングの安定性とパワーを高める効果的な方法です。今回紹介したトレーニングを継続し、少しずつ自分の体を強化していきましょう。
ヘッドスピードの向上は、一朝一夕では実現しません。しかし、正しい方法でコツコツと取り組むことで、確実に成果があらわれます。日々の練習とトレーニングを積み重ね、飛距離アップを目指しましょう!