自律神経を整えて便秘を解消!リラックス効果絶大&腸の動きを高めるヨガポーズ6選
監修者情報
杉山なつみ
監修
2015年12月にヨガの資格を取得後、都内を中心に企業向け健康セミナーの実施や、ヨガスタジオでの自主開催レッスンやスポーツ選手向けのパーソナルヨガレッスンを行う。
2019年1月にインドネシア・バリ島へ移住。現在はフリーランスのヨガインストラクターとして、現地のマーケティングや、バリ島からのオンラインレッスンを開催中。
■所有資格日本ヨガインストラクター協会2級
1日1回以上の排便が健康!便秘のサイン
便秘には「排便回数が減少して大腸内に便が残っている状態」と「直腸に便がきているが、排便できていない状態」のふたつがあり、いずれもスムーズに適正量の便を排出できていない状態を指します。便秘の感じ方には個人差がありますが、通常は1日1回以上の排便が健康的なサイン。下記に当てはまる方は、自覚の有無にかかわらず慢性的な便秘を抱えているかもしれません。
- 3日以上便が出ないことがある
- 便が硬い
- 便が少量しか出ない
- 常に残便感がある
- 便秘と下痢を繰り返す
自律神経の乱れで腸が働かなくなる?便秘を引き起こす要因
「便秘=食物繊維不足」とイメージされることが多いですが、実は便秘の原因はさまざま。食生活や運動習慣はもちろん、精神状態なども影響します。では、実際にどのようなことで便秘は引き起こされるのでしょうか。
筋肉量が少ない
一般的に“腹筋の力”が弱い女性は、排便時のいきむ力が弱いため男性よりも便秘になりやすいと言われています。便を送り出す力を高めるためには、腹斜筋や腹横筋下部などお腹まわりのトレーニングが必要です。
運動不足
運動不足によって腸内の筋肉が硬くなると、血流が悪化し腸のぜん動運動が鈍化してしまいます。腸の動きが鈍くなると、便を排出する力が弱まり便秘に…。簡単なヨガやストレッチを習慣化して、適度な運動を継続しましょう。
ホルモンバランスの乱れ
女性は、生理前や妊娠中などホルモンバランスが大きく変化するタイミングで便秘になりやすいとされています。これは同時期に分泌される「黄体ホルモン」が水分や塩分の溜め込みを促すため。また、子宮筋収縮を抑制する働きももつことから、腸のぜん動運動低下にも影響します。
自律神経の乱れ
意外に思われる方も多いかもしれませんが、「直腸に便が到達する→大脳に指令が送られる→便意を感じる」といったように、排便を促す腸のぜん動運動は自律神経によって支配されています。そのため、自律神経が乱れると腸が正常に働かず、便が腸内で滞ってしまうことに…。自律神経のバランスを崩す原因となりうるストレスや緊張感、不安感などに注意が必要です。
水分不足
硬い便やコロコロした粒状の便が続いている方は、水分不足によって便秘が生じている可能性があります。水分が不足している状態の便は通常よりも硬く、腸内をスムーズに移動しづらくなってしまうのです。
食物繊維不足
腸内環境を整える効果のある「食物繊維」は、1日あたり24g以上摂取するのが理想的。便秘にお悩みの方は玄米や豆類、芋類、海藻類、バナナなど、食物繊維を多く含む食材を積極的に摂取してください。必要に応じて、サプリメントを服用するのも一案です。
自律神経は心身のリラックスで整えられる
自律神経の乱れは、便秘以外にもさまざまな不調を引き起こします。健やかな体を手に入れるためにも、交感神経(体の働きを促す)と副交感神経(体を休ませる)のバランスを正常に維持し、体をベストな状態にもっていきましょう。
自律神経の乱れによって生じる主な症状
- 体のだるさ
- 不眠
- 発汗やほてり
- 動悸や息切れ
- めまい
- 頭痛
- 食欲不振
- 下痢や便秘
- イライラ
- 焦燥感や無気力
自律神経を整えるカギは、心と体をリラックスさせること
ストレスは、自律神経を乱す大きな要因のひとつ。仕事中の緊張感や焦り、プライベートでの悩み事など、不安や悩みが強くなることで、自律神経のバランスが崩れてしまうケースも多いのです。つらい便秘を解消するためにも、心身をリラックスさせて自律神経を整えていきましょう。
ストレスのほか、気圧・気候が変動する季節の変わり目や不規則な生活、バランスの悪い食生活なども自律神経が乱れる理由とされています。疾患によって引き起こされている可能性もあるため、心配な症状がある方は自己判断せず、専門の医療機関を受診しましょう。
自律神経を整えて便秘を改善したいなら「ヨガ」がおすすめ
交感神経と副交感神経のバランスを整えて、便秘をはじめとするさまざまな不調を改善したい場合には「ヨガ」がおすすめ。ヨガならではの深い呼吸法とポーズは、自律神経を整える効果があるとされています。
また、血行促進や腹部の刺激によって、腸のぜん動運動を促す効果も!サッと手軽にトライできて気分転換にもなるため、運動が苦手な方や忙しい方にもおすすめです。
自律神経を整えて美腸に導く!リラックスヨガポーズ6選
では、さっそく便秘解消の効果的なヨガポーズに挑戦してきましょう!今回ご紹介するのは、深い呼吸とリラックス効果によって自律神経のバランスを整える6つのヨガポーズ。お腹まわりに刺激を与え、腸のぜん動運動を促しましょう。
猫のポーズ
血行促進や腹部への刺激、背中やヒップの引き締め効果が期待できる猫のポーズ。トレーニング前のウォーミングアップにもおすすめの、簡単なヨガポーズです。猫のポーズのバリエーションポーズをこちらの記事で紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:易しい
- 四つん這いの状態になり、手首は肩の真下、両膝は足の付け根の真下におきます
- 肘は外側を向くようにし、膝と膝の間はこぶし1つ分程度開きましょう。
- 鼻から大きく息を吸ってから、吐く息で背中を丸め、視線はお腹をとらえます。
- 息をゆっくり吸いながら背中を反らせていき、視線は正面を向きます。
- この流れをワンセットとして呼吸に合わせて5〜8回繰り返します。
■猫のポーズのポイント
反り腰にならないよう意識しましょう。
背中を丸めるときは、肩甲骨を左右に引き離すようなイメージで。
ガス抜きのポーズ
便秘や骨盤の歪み改善、ウエストやヒップの引き締め効果も期待できる「ガス抜きのポーズ」。ころんと寝転がったままトライできるため、就寝前や起床時のストレッチとしてもおすすめです。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:易しい
- 仰向けになり、全身をリラックスさせましょう。
- ゆっくり息を吸いながら、手で両膝を抱え込みます。
- 息を吐きながら、両膝を胸に引き寄せて3呼吸しましょう。
■ガス抜きのポーズのポイント
慣れてきた方は、より腸を刺激するために尾骨をさらに引き上げ、頭を膝に近づけていきましょう。
スフィンクスのポーズ
背筋や上腕筋の筋力アップ、腰痛改善、リラックス効果が期待できる「スフィンクスのポーズ」。体がかたい方は、痛みの生じない範囲からスタートしてください。反り腰になるのではなく、手のひらと腕の力で床をプッシュしながら胸を持ち上げましょう。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:普通
- うつ伏せになり、脚は腰幅に開きます。このとき足の甲を床に、かかとは外側に倒れないように天井を向かせます。
- 下腹部に力を入れながら、吸う息に合わせて頭と胸を持ち上げましょう。このとき、両肘は肩の真下の位置に。
- 両手を顔の横の床につけ、息を吸いながら顔と胸を引き上げます。胸が斜め上方向に向くように意識しましょう。
- 息を吐きながら、肩と耳の距離を遠ざけ、首を長く保ちます。
- 姿勢をキープしたまま、数呼吸キープしましょう。
■スフィンクスのポーズのポイント
あごを軽く引き、反り腰にならないように注意しましょう。
力んで肩がすくまないようにし、首や肩まわりは力を抜いてリラックスしましょう。
三日月のポーズ
両手足を大きく伸ばす「三日月のポーズ」は、全身のストレッチ効果や血行促進効果が期待できます。お腹を伸縮させながら、腸にアプローチしていきましょう。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:普通
- 四つん這いの状態になったら、右足を手と手の間に置き、膝の角度が90度になるよう曲げます。
- 左足の足の甲を床につけ、後方に向かって左足をスライドさせます。
- 息を大きく吸いながら、両手を天井方向に持ち上げます。
- 余裕のある方は両腕を真上から後方に傾け、数呼吸キープしましょう。
- ゆっくりと両手を床に戻し、呼吸を整えたら四つん這いの状態に戻り、反対側も同様に行います。
■三日月のポーズのポイント
背筋はまっすぐに伸ばし、片方の骨盤が後方にズレないよう意識しましょう。
橋のポーズ
ストレスや便秘の解消、リラックス効果の期待できる「橋のポーズ」。腰痛やPMSによる不調にお悩みの方にもおすすめです。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:普通
- 仰向けになり、両膝を立てましょう。両手は体側に伸ばし、手のひらは床につけます。
- 膝の真下にかかとがくるようにセットし、息を深く吸いながらお尻を持ち上げます。
- 両手をお尻の下で組み、肩甲骨を体の中央に引き寄せていきます。
- お尻を持ち上げた状態をキープしたまま、数回深呼吸しましょう。
- ゆっくりと、肩・背中・腰の順に床におろしていきましょう。
- 呼吸を整えたら、2〜5を何度か繰り返し行います。
■橋のポーズのポイント
より効果を実感したい方は、さらにお尻を高く持ち上げましょう。このとき、腕はまっすぐに伸ばし、肘が曲がらないよう注意してください。
弓のポーズ
背中を大きく反らせて、お腹を伸ばす「弓のポーズ」。少しずつヨガに慣れてきた方におすすめの、やや難易度の高いポーズです。床を使って腸を刺激できるため、便秘解消効果が期待できます。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:難しい
- うつ伏せになり、両足を閉じて膝を曲げて、足の甲を両手で掴みます。
- ゆっくり息を吸いながら前ももと胸を床から離し、バランスを取りながら上半身と膝を高く持ち上げます。
- かかとをお尻から遠ざけるように意識し、姿勢を保ったまま20~30秒キープします。
- 息を吐きながら、もとの姿勢に戻ります。
- 一連の動きを合計2~3セット行いましょう。
■弓のポーズのポイント
はじめは、無理のない範囲で上体を引き上げていきましょう。
太ももが完全に床から離れない場合には、可能な限り胸を反らした状態で軽く揺れてみましょう。
「自律神経のバランスを整える効果」と「腸への刺激」を同時に叶えるヨガは、つらい便秘に悩む女性にぴったり。ベッドや床の上で手軽に行えるため、運動が苦手な方や忙しい方もスキマ時間を使ってトライできます。本記事でご紹介した6つのヨガポーズを実践しながら、美腸と健やかな体を手に入れましょう。こちらの記事では、便秘にお悩みの方におすすめのストレッチやエクササイズを紹介していますので、よかったらチェックしてみてくださいね。