【必見】ゴルフ上達に必要な筋トレ8選!使われる筋肉と合わせて解説

監修者情報
正覺 友香里
ゴルフコーチ・ゴルフクラブアドバイザー
中学2年でゴルフを始め、高校で県大会優勝。ゴルフクラブアドバイザーやキャディとしての勤務経験を持ち、現在は初心者〜中級者向けにマンツーマンレッスンを行う。
元ドラコンプロで、九州のタイトルマッチ戦2位の実績あり。
■資格
USGTF(全米ゴルフ指導者連盟)ティーチングプロ
ゴルフの飛距離が伸び悩む原因
楽しい!と思ってはじめたゴルフだけど、最近スコアが停滞気味。もっと飛距離が伸びればスコアが縮まるかもしれない…。そう考えている方は、飛距離が伸び悩む原因を見直してみてはいかがでしょうか。
- 体の軸がぶれてしまう
- ヘッドスピードが遅い
- 前傾姿勢が崩れている
ここでは、考えられる3つの原因と対策をお伝えします。
①体の軸がぶれてしまう
ゴルフのスイングは、上半身をかなり激しく動かします。スイングは体幹を軸として回転するため、体幹が弱いと軸がブレやすくなります。
体幹を鍛えることで、上半身と下半身を繋ぐ軸が安定し、効率的に体を回転させることができます。
軸を保つためには、体の回転や体重移動にしっかりと耐えられる強い下半身が必要です。土台となる下半身もしっかり鍛えましょう。
②ヘッドスピードが遅い
ヘッドスピードを上げるには、筋肉を鍛えてクラブを早く振り抜くことが必要です。しかしどんなに速く回転しようとしても、その中心軸が前後左右にぶれてしまうと回転速度は上がりません。ここでも体幹が重要になってきます。
体幹が整うと、回転に従って動く腕やクラブのスピードも速くなり、飛距離を伸ばすことができるのです。
関連記事:ゴルフのヘッドスピードを上げる方法を解説した記事はこちら
③前傾姿勢が崩れている
ゴルフでナイスショットを打つためには、スイング中の前傾角度を維持することが重要です。前傾角度がずれると、上半身が上下に動いてしまいます。
構えたときより体が起き上がってしまった場合はボールの上を叩くことになるため、低く飛んでしまいます。構えたときより体が下がってしまった場合は、ボールの手前を叩いてしまい、芝が深く削れるダフリという状態になります。
背筋を鍛えて、前傾姿勢を維持することができればスイング軌道が安定し、最初に構えたところをゴルフクラブが通ります。体重移動なども上手くいき、再現性の高い回転運動ができるでしょう。
ゴルフの上達と筋トレの関係性は?
ゴルフは、ボールを遠くに飛ばしたり、正確なショットを打ったりするために、正しいフォームやテクニックが求められます。そして、それらを身につけるためには筋肉が必要です。
たとえば、下半身の筋肉を鍛えるとスイングの際に体重移動がスムーズになり、より大きな力を発揮できます。上半身の筋肉を鍛えると、スイングの際にボールを遠くに飛ばす力を生み出すことができ、ショットの正確さや方向性を向上させることもできるのです。
特に飛距離を伸ばしたい場合は、ヘッドスピードの速さも重要になります。ヘッドスピードを速くするためには、体の回転スピードや下半身の安定感が必要不可欠なので、ゴルフを上達させたいと思っている方は、全体的にバランス良く鍛えるようにしましょう。
ゴルフの上達のために必要な筋肉

ゴルフの上達のために必要な筋肉は主に次の3つです。
- 背筋
- 上腕三頭筋
- 大腿四頭筋
これらの筋肉を鍛えることで、よりパワフルで正確なスイングが可能となり、飛距離アップが叶います。
背筋
背筋は、背中にある筋肉の総称です。正しい姿勢を維持するために重要な筋肉であり、ゴルフ以外のスポーツにおいても重要な役割を果たします。
ゴルフスイングにおいては、背筋は体の回転やスイングの動作をサポートする役割を担っています。背筋を鍛えることで、ダウンスイングのときに前傾を維持したまま理想的なインパクトができたり、体の回転がより正確にできるため、積極的に鍛えておきましょう。また、背筋を鍛えることでスイング中の腰への負担が軽減されるというメリットもあります。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は二の腕の裏側にある筋肉で、腕を曲げたり伸ばしたりする際に力を発揮します。ゴルフのスイング時には、腕を大きく振るために上腕三頭筋の筋力が必要となります。
たとえば、ゴルフのスイング動作には、バックスイングで腕を引き、ダウンスイングで腕を前に出す動作が含まれます。この一連の流れでは、腕を引く際に上腕三頭筋が、腕を前に出す際には上腕三頭筋と前腕筋が、スイング後半には上腕三頭筋が収縮して肘を伸ばすことで、クラブのヘッドスピードを上げることができるのです。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの前面にある筋肉です。大腿四頭筋は下半身を安定させる役割や膝関節を伸展する役割を担っているため、ここの筋肉が発達すると、脚の力強さやスイングの安定性が向上し、ゴルフのスキルアップにつながります。
具体的には、大腿四頭筋が強くなることで、スイング時の脚の安定性が増し、地面からの反力をより効率的に利用することができます。また、ダウンスイングの際には膝を伸ばす力が生み出されるので、飛距離が伸びるだけでなく正確性も向上するのです。
ゴルフでは体の回転や体重移動に耐えるための筋力が必要不可欠です。大腿四頭筋の筋力が弱いと体の軸もブレやすくなるので、筋トレで大腿四頭筋を鍛えて飛距離アップを目指しましょう。
【自宅でOK】飛距離アップにつながるゴルフの筋トレ5選

やみくもな筋トレで鍛えた筋肉では、ゴルフ上達にはあまり適していないケースも。せっかくトライするならゴルフに効果的な筋トレをしたいものです。
- バックエクステンション
- ダンベルデッドリフト
- プランク
- プランクローテーション
- スクワット
ゴルフの上達のために欠かせない筋肉を鍛える宅トレを5つご紹介します。
<①バックエクステンション>

いつも同じ軌道で安定してクラブを振るために、バックエクステンションで背筋を鍛えましょう。呼吸に合わせて丁寧に行うことで、背筋をしっかりと強化することができます。
■バックエクステンションのやり方
難易度:普通
- 床の上でうつ伏せの状態になり、肘を曲げ両手を肩の下に置きます。
- 足幅は肩幅よりも狭く、こぶしひとつ分程度のスペースをつくりましょう。
- 吐く息で上半身を起こします。勢いを使うのではなく、背中の筋肉を使っていることを意識します。
- 息を吸いながらゆっくりと上体を床に戻します。
- 呼吸を取りながら、何度か繰り返します。
■バックエクステンションのポイント
ゆっくりと行うことを一番に意識しましょう。反動をつけると背筋に正しく負荷が伝わりません。腰に痛みがあるなど不安がある方は、無理のない範囲で行いましょう。上体を起こす際の視線は正面に。肩が上がらないよう、耳と肩の距離は遠ざけます。直接床に寝転がることに抵抗がある方は、ヨガマットを敷いて行ってみましょう!
関連記事:お洒落なヨガマットLITHEE(リジー)のご紹介はこちら
<②ダンベルデッドリフト>

ご自宅にダンベルがある方は、こちらのトレーニングもおすすめです。広背筋、脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスに効果のあるトレーニングです。ダンベルが自宅にない方は、ペットボトルに水を入れるなどして代用しましょう。
■ダンベルデッドリフトのやり方
難易度:普通
- 両手にダンベルを持って立ち、両足を肩幅に広げます。
- 背中を丸めないようにして、前傾姿勢をつくります。
- ハムストリングスの緊張を感じながら、肩甲骨を寄せつつ上体を起こしましょう。
- 2の姿勢に戻ります。
- 2~3を15回、3セット行います。
■ダンベルデッドリフトのポイント
背筋をまっすぐ伸ばし、股関節から曲げましょう。ダンベルは強く握り過ぎず、体の裏側の筋肉で上体を起こす意識を持ちます。
<③プランク>

プランクは体幹の強化に有効なトレーニングです。体幹を鍛えると、ゴルフのときにブレにくいフォームをつくることができます。
■プランクのやり方
難易度:普通
- うつ伏せになり、肘を90度に曲げた状態で肩の下に置いて胸を起こします。
- 両足のつま先を立てて、肘とつま先で体を支えるように床から腰を持ち上げます。
- 頭のてっぺんからかかとまでが直線で結べる状態で60秒キープしましょう。
■プランクのポイント
あごを軽く引いて、視線は鼻先になるように落としましょう。疲れてくるとお尻が下がりやすくなるので、肘とつま先、体幹にしっかりと力を入れてお尻が下がらないようにしてください。
関連記事:初心者必見!プランクのコツや応用編のやり方をご紹介
<④プランクローテーション>

プランクから片手を離して後ろに振り向く動きをするトレーニング。背中を中心に全身が鍛えられる筋トレです。
■プランクローテーションのやり方
難易度:難しい
- 床に手足をつき、肩の下に手、つま先の上にかかとがくるように体を一直線に引き上げてプランクの体勢になります。
- 右手をゆっくりと床から離し、吸う息で胸まわりを開いて右手を天井に伸ばします。
- 吐く息でゆっくりと右手を元の位置に戻します。
- 反対側も同様に行います。
- 左右で1回とし、5回×3セット行います。
■プランクローテーションのポイント
プランクの体勢が崩れないよう、体のラインを一直線に保った状態で回旋していくことが大切です。お尻を上げ下げしないように行いましょう。
<⑤スクワット>

スクワットは、大腿四頭筋を鍛えるのに適した筋トレです。ダンベルを用いる方法もありますが、自重だけでも十分効果が期待できます。
■スクワットのやり方
難易度:普通
- 脚を肩幅よりもやや広く開いて、つま先を正面に向けて立ちます。
- お尻を後ろに引くようにして、腰を落としましょう。
- お尻を膝の高さまで落としたら、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
- 2~3を10回繰り返し、2~3セット行いましょう。
■スクワットのポイント
腰を落とすときは両膝の位置に注意します。つま先よりも前方にいかないように気を付けましょう。前ももばかりに重心がかかっているようであれば、お尻を後方へ引くようにすると良いです。
関連記事:自宅でできてヒップアップ効果も期待できるスクワットについて詳しくご紹介
【上級者向け】ゴルフに特化した筋トレ3選
自宅でできるトレーニングに慣れ、さらなる飛距離アップやスイングの安定性を追求したいなら、ジムで行う本格的な筋力トレーニングがおすすめです。特に上級者向けの種目では、高重量を扱うことで筋肥大を促し、より強いパワーを発揮できる体を作れます。
ここでは、ゴルフのスイングに欠かせない「背筋・僧帽筋」「大腿四頭筋」「上腕三頭筋」を鍛える3つのトレーニングを紹介します。シーテッドロウで上半身の安定性を向上させ、フォワードランジで下半身の爆発力を高め、フレンチプレスでスイングスピードの向上を狙いましょう。
シーテッドロウ|僧帽筋・広背筋

シーテッドロウは、僧帽筋や広背筋を鍛えるのに適したトレーニングです。肩甲骨を意識的に動かすことで、背中全体の筋力強化につながり、スイング時の安定性が向上します。
■シーテッドロウのやり方
難易度:普通~やや難しい
- マシンのシートに座り、足をしっかり固定します。
- グリップを握り、背筋を伸ばした状態でスタートポジションをつくります。
- 肩甲骨を寄せるように意識しながら、ゆっくりとバーを胸の方に引きます。
- 胸の前まで引いたら、一瞬キープし、ゆっくりと元の位置に戻します。
- 10回を1セットとし、2~3セット行いましょう。
■シーテッドロウのポイント
シーテッドロウでは、肩甲骨の動かし方が重要です。肩甲骨を寄せる「内転」を意識することで、僧帽筋や広背筋がしっかりと鍛えられます。逆に、肩甲骨を下げる動きが強くなると広背筋に負荷が偏るため、意識的に肩甲骨を寄せるようにしましょう。また、引くときに腕の力だけで動作を行わず、背中の筋肉を使うイメージを持つことが大切です。
フォワードランジ|大腿四頭筋

フォワードランジは、太ももの大腿四頭筋を中心に、お尻やハムストリングス(太ももの裏側)も鍛えられるトレーニングです。スイング時の下半身の安定性や踏み込みの力を強化し、飛距離アップにつながります。スクワットなどの高負荷トレーニングの後に行うことで、自重でも十分な刺激を与えることができますよ。
■フォワードランジのやり方
難易度:普通~やや難しい
- 足を肩幅に開いて立ちます。
- 片足を大きく前に踏み出し、後ろ足の膝が床すれすれまで沈むように腰を落とします。
- 踏み出した足でしっかりと地面を押し、元の立ち姿勢に戻ります。
- 逆の足も同様に行い、交互に繰り返します。
- 各足10回ずつを1セットとし、2~3セット行いましょう。
■フォワードランジのポイント
フォームを崩さずに行うことが重要です。特に、膝がつま先よりも前に出すぎないように注意しましょう。また、重量を増やしすぎるとバランスを崩しやすく、ケガのリスクが高まります。ダンベルを持って行う場合は、無理のない重量から始めましょう。スクワット後に行うと、筋肉への負荷が十分にかかり、自重でも効果を得られやすくなります。
フレンチプレス|上腕三頭筋

フレンチプレスは、上腕三頭筋を集中的に鍛えるトレーニングです。スイング時のクラブコントロールや、ヘッドスピードの向上に関わる腕の押し出す力を強化できます。特に、動作の中で筋肉が大きく伸びるため、筋肉への刺激が強くなり、効率良く筋肥大させやすいのが特徴です。
■フレンチプレスのやり方
難易度:普通~やや難しい
- ダンベルまたはバーベルを両手で持ち、腕をまっすぐ伸ばして頭の上まで持ち上げます。
- 肘を固定し、ゆっくりとダンベルを頭の後ろに下げていきます。
- 上腕三頭筋をしっかりと伸ばし、肘の角度が90度程度になるまで下げます。
- 上腕三頭筋を意識しながら、ゆっくりと元の位置に戻します。
- 10回を1セットとし、2~3セット行いましょう。
■フレンチプレスのポイント
フレンチプレスでは、上腕三頭筋が強くストレッチされるため、高い刺激を得られます。ただし、重量を重くしすぎると肘に負担がかかり、ケガのリスクが高まるため注意が必要です。10回3セットを無理なくこなせる重量を選び、慎重にコントロールしながら動作を行いましょう。また、肘を固定し、余計な反動を使わないことが、効果を最大限に引き出すポイントです。
ゴルフ上達のために筋トレを続ける際の注意点

筋トレを継続することで、ゴルフに必要な筋力が鍛えられ、スイングの安定性や飛距離の向上につながります。しかし、効果を最大限に引き出すためには、トレーニングだけでなく、適切なケアと休息、バランスの取れた練習も欠かせません。ここでは、ゴルフ上達のために筋トレを続ける際の注意点を3つ紹介します。
毎日のストレッチを忘れない
ゴルフや筋トレで筋肉を使うと、疲労物質が溜まりやすく、筋肉が固くなってしまいます。筋肉が硬いままだと可動域が狭まり、スムーズなスイングができなくなるだけでなく、思わぬケガの原因にも。
厚生労働省が推奨する「ストレッチの5つの原則」を意識して、効果的に筋肉をほぐしましょう。具体的には、①反動をつけずにゆっくり伸ばす、②気持ちよいと感じる範囲で行う、③呼吸を止めずにリラックスする、④左右均等に行う、⑤継続して実施することが重要です。特にゴルフでは肩や腰の柔軟性が重要なため、トレーニング前後や就寝前に毎日ストレッチを取り入れることで、可動域の向上やケガの予防につながります。
関連記事:ゴルフのプレー後におすすめのストレッチを紹介した記事はこちら
体を休める日もつくる
筋トレの効果を最大限に引き出すためには、適度な休息が不可欠です。筋肉が疲労した状態で無理にトレーニングを続けても、十分なパフォーマンスを発揮できず、成果につながりにくくなります。むしろ、筋肉が回復する時間を与えないとオーバートレーニングとなり、怪我やパフォーマンス低下の原因にもなります。トレーニングの強度や頻度に応じて、休息日を設けましょう。
ゴルフの技術向上も並行して実施する
筋トレで体を鍛えるだけでは、ゴルフのスコアが伸びるとは限りません。スイングの安定性や飛距離を伸ばすためには、筋力強化と並行して技術を磨くことが重要です。筋トレで鍛えた筋肉を正しく活かせるように、ゴルフのレッスンや実践練習を取り入れましょう。特にスイングフォームやクラブの使い方を意識することで、トレーニングの成果を最大限に引き出せます。
ゴルフと筋トレに関するよくある質問
筋トレを管理するためのアプリはある?
筋トレを効率的に続けるための管理アプリは数多くあります。無料のアプリでもトレーニングの記録やリマインダー機能を活用できますが、有料版では自分の目標やレベルに合ったおすすめのメニューが提案されるため、より効果的に活用できます。たとえば「OWN.(オウンドット)」は個人のデータに基づいて最適なトレーニングプランを提示してくれるため、継続しやすくおすすめです。
関連記事:「OWN.」アプリのレビュー記事はこちら
女性におすすめの筋トレは?
基本的には本記事で紹介した筋トレを実践すれば問題ありません。ただし、女性は男性に比べて上半身の筋力が弱い傾向があるため、無理のない範囲で重量や回数を調整することが大切です。特に、スクワットやプランクなどの自重トレーニングは継続しやすく、体幹や下半身の安定性を高めるのに効果的です。自分の筋肉量に合わせてメニューを工夫しながら取り組みましょう。
ゴルフ上達には筋トレが有効!継続して実施しよう
本記事では、ゴルフの飛距離アップにつながる筋トレメニューをご紹介しました。飛距離は一日にして伸びず!ゴルフもトレーニングも、重要なのは継続して行うことです。楽しむこと、習慣にすることが継続のコツ。SNSでトレーニング仲間をつくったり、オンラインレッスンを受けてみるのもおすすめです。宅トレの成果で飛距離がアップするころには、ばっちりボディメイクされた体もおまけについてくるでしょう。