太陽礼拝で「チャトランガ」がスムーズにできるようになる!おすすめの練習方法やポイントをご紹介
チャトランガとは?
チャトランガとは、日本語にすると「四肢で支える杖のポーズ」です。正式名称は「チャトランガ・ダンダ・アーサナ」ですが、長い名前のため略称で「チャトランガ」と呼ばれています。
チャトランガは太陽礼拝に登場するポーズで、プランクの状態で体を真っ直ぐに保ったまま、上半身を床すれすれのところまで下ろしてキープをする、という中級者〜上級者向けのポーズです。
チャトランガの効果
このポーズの難易度が高い理由は、体のさまざまな部分の筋力を使うためです。言い換えれば、このポーズを行うことで、体のさまざまな部分を強化することができます。
特に、体幹の筋力(腹横筋、腹直筋、脊柱起立筋など)の強化、大胸筋、上腕二頭筋を鍛えることができます。そのため、全身の引き締め、二の腕の引き締め、バストアップ、肩こりの改善などの効果が期待できます。
基本のチャトランガの方法
チャトランガダンダーサナ
まずは基本のチャトランガダンダーサナのやり方を確認してみましょう。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:普通
- 四つん這いの姿勢になります。
- お尻の高さを変えないように気をつけながら両膝を伸ばして両つま先と手のひらで体を支える姿勢(ハイプランク・板のポーズ)になります。
- 顎を少し引いて背中を真っ直ぐに保ち、両脇を締めながら肘を曲げ、胸を床近くまで下ろします。
- その体勢をキープしながら、数呼吸繰り返します。
チャトランガが上手くできない!その原因と上手にポーズをとるポイント
基本のチャトランガはできましたか?うまくできない方のために、チャトランガを難しく感じていらっしゃる方が陥りやすい状態と、それらを改善してポーズを完成させるためのコツをご紹介します。
肘が曲げられない、手首や肩が痛くなる
ハイプランクの状態から肘が曲げられない、また手首や肩まわりに強い痛みを感じる方は、ハイプランクの状態(チャトランガに入る前の状態)の時点での肘の伸ばしすぎが考えられます。
肘をピンと伸ばしすぎると、肘の内側が逆に反り返った猿腕のようになってしまいます。この状態では腕の筋力が効果的に使えておらず、肘の関節を取り囲む腱が伸びきった状態で骨を支えています。その結果、手首や肩関節が正しいポジションに留まることができず、ひずみが生じて強い痛みを感じるようになってしまいます。
チャトランガに入る前の、ハイプランクの姿勢では肘はピンと伸ばし切る少し手前で保ち、胸や腕の筋力を使って上体の重さを支えているのが正しい状態です。そのため、肘は少しだけ緩ませてみましょう。わざわざ肘を曲げようと意識する必要はなく、あくまでも少し緩ませる・不安定にさせるようなイメージです。
腕や胸の筋力をしっかり使うことができていると、スムーズに肘を曲げる動作に入ることができます。
お尻が上がってしまう
胸を床にうまく近づけられずお尻が高く上がってしまう方は、胸や腕の筋力が不足していることが考えられます。
チャトランガでは、脇を締めて肘を曲げ、胸は手の間、もしくは手の間より少し前方に向かって床に近づける必要があります。胸や腕など、上体の筋力が不足していると腰が引けてしまい、結果的にお尻が高く上がってしまいます。手首の真上に肩がくるように気を付けるとともに、視線を手のひらより少し前に留めるように気をつけてみましょう。
後ほどチャトランガの練習方法でご紹介する「腕の動きの練習」を繰り返して、イメージトレーニングをしてみましょう。
お腹が床についてしまい、胸を床すれすれでキープできない
お腹が床についてしまい、胸も床についてしまう方は、体幹の筋力である腹筋が足りずにお腹が落ちてしまっている状態が考えられます。
また、「肘が曲げられない」という状態が原因でお腹がついてしまうことも考えられます。
肘を曲げる前に、プランクの状態を確認してみましょう。お腹あたりに伸びを感じていたらお腹の力が抜けてしまっています。恥骨とみぞおちを軽く近づけるようにお腹を薄く保つことで、体幹の腹筋が保ちやすくなります。頭からかかとまでが一直線を保つようなイメージでキープをしてみましょう。
ガクンと体が床に落ちてしまう、キープができない
チャトランガをキープするために働く筋肉は主に、大胸筋、上腕二頭筋、体幹(腹横筋、腹直筋、脊柱起立筋など)です。それらの筋肉に、体重を支えるのに十分な筋力がないと、キープが難しくなってしまいます。
ポーズをとるときは、使っている筋肉に注意を向けながら繰り返し練習をしてみましょう。徐々に筋肉がついてポーズが取れるようになります。
特に筋力の少ない女性の場合は、大胸筋と上腕二頭筋の筋力が不足していることがポーズを難しくしている原因です。
ハイプランクからチャトランガに入るときに軽く胸を張るようにしながら床へ近づけることで、腕だけでなく大胸筋を効果的に働かせることができます。背中が丸まってしまわないように、少し胸を突き出すようにイメージしながら行ってみましょう。
チャトランガの練習方法
チャトランガのコツを確認することができたら、実際にチャトランガを成功させるための部分練習をしてみましょう。チャトランガに必要な動きや筋力をつけることができます。
①腕の動きの練習
チャトランガダンダーサナで必要な腕の動きを確認する練習です。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 腕を動かしやすい姿勢になります(座位・立位どちらでも可能です)。
- 肩を下げた状態にします。脇を軽く締めて胸を軽く張り、撫で肩に感じるくらい肩を下げてみましょう。
- そのまま両腕を肩の高さで正面に伸ばし、手のひらをパーに開いて正面に見せるように手首を直角にします。
- 肘が真下を向くように、脇を閉じるようにして腕を畳んでみます。
- このとき手のひらがどの辺りに来るか確認してみましょう。脇のあたり、胸の横に手のひらが来るはずです。チャトランガダンダーサナで胸を床に近づけるときにも同じような状態になります。
■腕の動きの練習のポイント
腕の動きが確認できたら、壁の前に立ち手のひらを壁につけ、壁に寄りかかるように練習してみるのもおすすめです。
体の重さが手のひらにかかる感じや、上体の使い方を確認することができます。
②アシュタンガーサナ
太陽礼拝でも出てくる、アシュタンガーサナ(八点のポーズ)はチャトランガダンダーサナと似た腕まわりの使い方を確認することができます。
■実際にポーズをとってみましょう
難易度:普通
- 四つん這いの姿勢になり、つま先を立てます。
- 両膝とつま先の位置を後方へ20cmほど下げます。
- 背中を反らした姿勢になり、胸を張るようにします。
- 両脇を締めながら、両手の間に胸をつけます。
- 両つま先、両膝、胸、両手、あごの8点が床についた状態になります。
- その状態を保ったまま、数呼吸繰り返します。
■アシュタンガーサナのポイント
胸は必ず両手の間に着地するようにしましょう。視線を手より少し前方の床に向けることでスムーズに胸を下げることができます。
両肘が外へ開かないように、脇を閉じるようにしましょう。また、肩甲骨を下げた状態で行うことも大切です。二の腕の筋肉(上腕二頭筋)に重さが乗っていることを確認しながら行ってみましょう。
ポイントをおさえてチャトランガを成功させよう
チャトランガは少し難易度の高いポーズなので、最初は気持ちが挫けそうになってしまうかもしれません。しかし、諦めず何度も繰り返し練習をすることで必要な筋肉が少しずつ鍛えられ、スムーズにポーズをとることができるようになっていきます。正しいフォームでトレーニングすることによって、筋力は必ず高めることができます。簡単なポーズで体の部位を適切に使うイメージを繰り返しながら、目指すポーズに少しずつ近づけていきましょう!