猫背で悩んでいる方に読んでほしい。背中の痛みを改善する、簡単でおすすめのストレッチ・筋トレ要素のあるヨガポーズ5選

猫背で悩んでいる方に読んでほしい。背中の痛みを改善する、簡単でおすすめのストレッチ・筋トレ要素のあるヨガポーズ5選

日常的に肩や首のこり、背中の痛みを感じていませんか?それは猫背などの姿勢が原因かもしれません。スマホを使う時間やデスクワークの時間が増えた現代社会では、猫背になりやすい要因が増えています。猫背は見た目にも疲れて見えたり、実年齢よりも上に見えたりするだけでなく、体にさまざまな悪影響を及ぼします。今回は、猫背の原因と猫背がもたらす不調、そしてその改善方法をお伝えします。自宅でもできる簡単なヨガなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

頭痛や腰痛、背中の痛みの原因は猫背!?

慢性的な頭痛や腰痛、または背中の痛みで悩んでいる方はいませんか?その原因は猫背にあるかもしれません。

現代社会の生活は、座りっぱなしの状態が続くデスクワークや、首に負担がかかる状態となる長時間のスマホ使用などにより、以前にも増して猫背になりやすい環境にあります。猫背は肩こりや首こりにつながり、頭痛やめまい、腰痛や背中の痛みを引き起こすなど、さまざまな悪影響を及ぼします。ここでは、猫背の原因を知り、猫背を改善するヨガのポーズをとることで、頭や背中、肩などの痛みを和らげる方法をお伝えします。
また、猫背かどうかのチェック方法や、気をつけるべき”猫背になりやすくなる習慣”もご紹介するので参考にしてみてくださいね。

猫背ってどんな状態?

背骨は本来、自然なSの字にカーブしています。背骨は上から、頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙椎(せんつい)に分かれていますが、猫背の場合はその胸椎(きょうつい)が極端に丸く曲がってしまった状態になっています。

椅子に座った状態で、背中が曲がり顎が前にでてしまっている方はいませんか?そんな方は猫背になってしまっている可能性があります。

猫背になる原因は?

猫背になってしまう原因は、主に筋力の低下と、生活習慣が考えられます。正しい姿勢を保つために必要な筋肉が十分にないと、背中をまっすぐ保てず、背骨が丸くなってしまいます。

また、長時間のデスクワークやスマホ、ゲームの使用といった常に前かがみの姿勢になる生活習慣も猫背の原因になります。さらにスマホなどを見る際に下を覗き込むように見ると、肩が内側に巻き込まれる「巻き肩」となり、首が前に出て頸椎がまっすぐになった状態になります。これはストレートネックといい、猫背になるだけでなく、腰や上半身のバランスがくずれ、眼精疲労やめまいなどさまざまな悪影響を及ぼします。
ストレートネックについての詳細や防止策を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

猫背が引き起こす5つのデメリット

猫背や姿勢の悪さは体にさまざまな悪影響を及ぼしますが、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?今回は、体に起こる5つの不調について解説していきます。

頭痛やめまい

猫背の状態だと、頭が背骨より前に出た状態になります。そのため、本来であれば頭を起こすための筋肉がこわばり、神経を圧迫することで、頭全体が重く締め付けられるような頭痛を引き起こします。血流が滞ることで「目の奥が痛い」「まぶたがぴくぴくする」「目が乾く」などの眼精疲労やめまいを感じることもあります

肩や首の“こり”

スマホやパソコン作業を長時間行い、首や肩がガチガチに凝り固まってしまったという経験がある方は多いのではないでしょうか。スマホを見る際、首が前に突き出たストレートネック(別名スマホ首)状態だと、平均5㎏の頭の重さに加え約3倍の負荷が首にかかると言われています。

腰痛・背中の痛み

猫背で姿勢が悪い状態が続くと、頭の重みを背骨が支える際に上手に分散できず、首や背中の筋肉に負担がかかり、腰や背中の痛みを引き起こします。さらに疲労した筋肉は弾力を失い硬くなり、血管を圧迫することで体内の循環が滞り余計に痛みが増すという悪循環を招きます。

呼吸が浅くなる

姿勢と呼吸には非常に深い関係性があります。前かがみの姿勢や、肩や背中が丸くなる猫背だとそれだけで肺を圧迫し、通常よりも膨らみにくくなり、深い呼吸ができなくなります。呼吸が浅くなると、取り込める酸素の量が減ります。酸欠状態になると、疲れやすく、代謝機能や消化機能の低下、自律神経の乱れ、むくみの原因になるなど、さまざまな症状につながります。 

太りやすくなる

呼吸が浅くなることに関連して、取り込む酸素量が減ると基礎代謝が低下します。基礎代謝が低下すると、日常的に消費されるエネルギー量が減り、その分余ったカロリーを蓄えてしまい太りやすくなります。また、猫背で姿勢が悪いと下腹もぽっこり張りだし、ボディラインがたるんでしまうことも!

あなたは大丈夫?猫背セルフチェック

鏡に映った自分の立ち姿を、横から見てみてください。肩よりもあごが突き出ていたり、背中が丸まっていませんか?自分が猫背かどうか、また猫背になりやすい日々の習慣がないかセルフチェックしてみましょう。

壁を使った猫背チェック

壁に頭、肩、お尻、かかとをつけて立ってみましょう。その状態で、以下のチェックポイントをよく観察してみましょう。

<チェック項目>

  • 頭(後頭部)が壁につかない
  • あごがあがってしまう
  • 腰まわりに痛みを感じる
  • 腰と壁の間が大きく空いて手のひら2枚分以上が簡単に入る
  • ふくらはぎが張っている
  • 体が前に倒れそうになる

どうでしたか?いくつ当てはまりましたか?多く当てはまる方は猫背の可能性が高いです。猫背でない場合は、壁に頭やお尻をつけた状態でも無理なく、正しい姿勢で立つことができます。背骨が自然なS字カーブになっていれば、壁と壁の間にてのひらがひとつ入るくらいの隙間ができます。

猫背になりやすい人の特徴チェック

次は、猫背になりやすい習慣や猫背による特徴がないかチェックしてみましょう。以下の10個の質問で、いくつ当てはまる項目がありますか?

<チェック項目>

  • スマホやパソコンを使う時間が長い
  • 長時間デスクワークをしている
  • 呼吸が浅い
  • 運動不足
  • 加齢とともに筋力の低下を感じる
  • ハイヒールをはいて親指が変形する「外反母趾」や曲がった指が戻らなくなる「ハンマートゥ」、「巻き爪」になっている
  • 下腹がぽっこり出ている
  • 仰向けで寝ると背中に違和感がある
  • 寝転んで読書やゲームをする
  • 心理的不安やストレスが多い

いかがでしたでしょうか?当てはまると感じたものは、意識的に改善できるよう、日頃から運動を取り入れるようにしたり、注意するなどして少しずつ改善していくようにしましょう。ご自身で改善が難しいものは、専門医やかかりつけの医師などに相談してみてくださいね。

猫背からくる背中の痛み・腰痛に効く、ストレッチや筋トレ要素のあるヨガポーズ5選

さまざまな体の痛みや心の不調を引き起こす原因となっている猫背。凝り固まった肩や背中をストレッチし、背筋を鍛えて猫背を改善するためのヨガのポーズをご紹介します。肩や首のこりに悩んでいる方や、背中が痛いと感じている方はぜひ取り組んでみてください。

①橋のポーズ

下半身や骨盤底筋の強化や呼吸機能の向上などの効果が期待できる橋のポーズ
下半身や骨盤底筋の強化や呼吸機能の向上などの効果が期待できる橋のポーズ

橋のポーズは、凝り固まった肩や腰、背中の筋肉をほぐし、下半身や骨盤底筋の強化や、お尻の引き締めだけでなく、胸を大きく開くことで呼吸機能の向上などの効果が期待できます。
夜に行う際は、目を閉じて行うことで瞑想効果がアップし、よりリラックスした状態で眠りにつくことができるでしょう。

■実際にポーズをとってみましょう

難易度:普通

  1. 仰向けの状態で、両膝を立てます。両腕は体側に伸ばします。
  2. 膝と膝の間はこぶし一つ分程度のスペースを作り、かかととつま先も同じようにスペースを作ります。
  3. ゆっくりと息を吸いながら足裏で体重を支え、腰を天井方向に持ち上げましょう。
  4. 背中の下で両手を組み、肩甲骨を引き寄せながら胸を天井方向に持ち上げます。
  5. その状態をキープして、ゆっくりと深呼吸します。

■橋のポーズのポイント

膝が痛い場合は、かかとの位置をお尻の方に近づけるなどして調整しましょう。
上体を持ち上げる際は、勢いで持ち上げるのではなく、筋肉を使うことを意識しましょう。
首や肩に力が入らないように意識してください。

②猫の伸びのポーズ

肩周りや背中のストレッチに効果的な猫の伸びのポーズ
肩周りや背中のストレッチに効果的な猫の伸びのポーズ

猫の伸びのポーズは、肩まわりや背中のストレッチに効果的です。凝り固まった背中や腰まわりの筋肉やスジが一気に伸びる感覚があり、とても気持ちがいいので、ぜひ試してみてください。

■実際にポーズをとってみましょう

難易度:易しい

  1. 四つん這いの状態でつま先を立てます。両手は肩の真下、膝は腰の真下にくるようにして、膝の間は拳1個分のスペースを作ります。
  2. お腹を引っ込めて薄くした状態で、両手を少しずつ前にスライドさせ、胸とあごを床に近づけていきます。
  3. お尻を高い位置でキープしたまま、限界まで体を沈めたところで3〜5回、ゆっくり呼吸します。

■猫の背伸びのポーズのポイント

脇や胸、肩まわりが気持ちよく伸びていくのを意識し、お尻を天井に向かって高く突き上げるイメージで行うことがポイントです。また、正面に伸ばすだけではなく、慣れてきたら左右に体を揺らして伸ばすことでさらなる効果が期待できます。無理に頭を上げたり、体を反らせると、首や腰を痛める可能性があるので注意しましょう。

③半分の鳩のポーズ

血行促進や肩こり解消や腰痛改善の効果が期待できる半分の鳩のポーズ
血行促進や肩こり解消や腰痛改善の効果が期待できる半分の鳩のポーズ

半分の鳩のポーズは下半身、上半身のさまざまな筋肉を伸ばすことにより普段縮こまってしまっている筋肉を効果的に伸ばし、猫背の矯正、骨盤位置の矯正に効果があります。心地よく背中や肩、腰まわりをストレッチすることで、血行促進や肩こり解消、腰痛改善の効果が期待できるでしょう。

■実際にポーズをとってみましょう

難易度:普通

  1. 四つん這いの状態になります。
  2. 左膝を正面方向にスライドさせ、膝を右側に開き、かかとは右側に向けます。
  3. 右足は後ろに伸ばして足裏が上を向くようにしましょう。
  4. 息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら上体を前に倒します。
  5. 状態をキープして5回ほど深呼吸をします。
  6. 反対側も同様に行います。

■半分の鳩のポーズのポイント

上体は無理に倒さず、手のひらや肘を床に置いた状態でもストレッチには十分な効果があります。また上体を倒したときに痛みが強い場合は、お尻を左右に揺らすようにしてよりリラックスして伸ばすことができる角度を探しましょう。

④座位のねじりのポーズ

背中や腰だけでなくお尻まわりの筋肉をほぐす効果がある座位のねじりのポーズ
背中や腰だけでなくお尻まわりの筋肉をほぐす効果がある座位のねじりのポーズ

座位のねじりのポーズは、背中や腰だけでなくお尻まわりの筋肉をほぐす効果があります。お尻の大殿筋が弱いと骨盤が後ろに倒れてしまい猫背や腰痛を引き起こす原因となるので、重点的にストレッチするようにしましょう。

■実際にポーズをとってみましょう

  1. 床にあぐらをかくような姿勢で座り、骨盤を真っ直ぐに整えます。
  2. 視線を左側に動かし、右手を左膝に置きます。胸部も左側を向くようにし、体をねじります。
  3. 左手は、左側のお尻のすぐ近くの床に置きましょう。
  4. 吸う息で背筋を伸ばし、吐く息でねじりを深めていきます。
  5. 数呼吸キープしたら、ゆっくりと正面に戻ります。
  6. 反対側も行っていきましょう。

■座位のねじりのポーズのポイント

膝に負担を感じる方は、かかとの位置を正面方向にスライドさせ、膝にゆとりを持たせましょう。
背筋は常にまっすぐにします。
無理にひねって腰を痛めないように注意しましょう。

⑤魚のポーズ

猫背などの体の歪みや姿勢改善の効果が期待できる魚のポーズ
猫背などの体の歪みや姿勢改善の効果が期待できる魚のポーズ

魚のポーズは、仰向けで胸を開き大きく反らして首や肩、背中全体の筋肉をほぐすことで、猫背などの体の歪みや姿勢改善の効果が期待できます。また首や肩まわりの血流を良くして代謝を促進させ、体のだるさを和らげたり、頭痛の改善にも効果があります。

■実際にポーズをとってみましょう

難易度:易しい

  1. 仰向けの状態で両足を閉じます。足の親指を揃えるようにします。
  2. 両手は体側に伸ばし、手のひらは床に向けます。
  3. 体を真っ直ぐに整えたら、両手をお尻の下に敷くように入れます。
  4. 天井から両腕が体の下に隠れるように、胸を開き肩甲骨を引き寄せます。
  5. 吐く息で、手のひらと肘でマットを押しながら胸を開き、頭頂を床に着けます。
  6. 首を無理に持ち上げてしまわないよう、胸を天井方向に引き上げることを意識しましょう。
  7. ポーズが安定したら、5呼吸程度キープします。
  8. ポーズを終える際は、手のひらと肘で体重を支えながらゆっくりと上半身を床におろします。

■魚のポーズのポイント

魚のポーズは、しっかりと背中を反らせてストレッチすることが大切ですが、できる範囲からはじめて無理に伸ばしたり反らしたりしないように気を付けましょう。頭や首に負荷がかかるポーズなので、首に痛みを感じたり、吐き気がしたら無理せずやめましょう。首の負担を軽減するために、首の後ろにクッションや折りたたんだブランケットを敷いてポーズをとるのもおすすめです。

毎日のヨガで猫背を改善!背筋をピンと美しく!

運動不足などによる筋力の低下や、スマホの長時間使用・デスクワークなどの生活習慣から、多くの日本人が猫背または猫背予備軍として、日常的に首や肩、背中の痛みを抱えています。首や肩、背中を伸ばし筋力強化にもつながるヨガのポーズを毎日コツコツ続けて、凝り固まった体をほぐすことからはじめましょう。そして普段から良い姿勢を意識して猫背を改善し、背筋をピンと伸ばして内面だけでなく外見の美しさも意識してみませんか?

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