筋トレは毎日してもOK?適切な頻度やおすすめトレーニングをご紹介
監修者情報
杉山 なつみ
ヨガ講師・バリ島ヨガスタジオマーケター
2015年12月にヨガの資格を取得後、都内を中心に企業向け健康セミナーの実施や、ヨガスタジオでの自主開催レッスンやスポーツ選手向けのパーソナルヨガレッスンを行う。
2019年1月にインドネシア・バリ島へ移住。現在はフリーランスのヨガインストラクターとして、現地のマーケティングや、バリ島からのオンラインレッスンを開催中。
■資格
・日本ヨガインストラクター協会2級
毎日の筋トレは逆効果?週に何回すれば効果的?
トレーニングを毎日するべきではないといわれる理由は、筋肉の成長には超回復という仕組みが働いていて、休息を必要とするからです。
筋肉はトレーニングを通じて以下のサイクルで成長していきます。
- トレーニングによる筋繊維の破壊
- 栄養素の吸収
- 筋繊維の修復(超回復)
3の超回復の期間は、筋肉の部位によって異なりますが、概ね24時間〜48時間の間に行われます。
このサイクルに基づいた、筋トレの適切な頻度や時間帯をご紹介します。
- 適切な筋トレの頻度は週に2〜3回
- 筋トレに効果的な時間帯は夕方
適切な筋トレの頻度は週に2~3回
筋トレの頻度は個人の目標やフィットネスレベルによって異なりますが、高度なフィットネスレベルを目指すのではなく、健康的な体作りやボディメイクをしたいのであれば休息を入れた週2〜3回程度の頻度がおすすめです。筋トレをした後は食事と睡眠、休養をとって、筋肉の超回復を上手に取り入れながら筋トレを行いましょう。
仮に超回復中に筋トレを行った場合、まだ回復しきっていない筋繊維を傷つける可能性があり、筋肉が強化されるどころか減少してしまいます。また、ケガの原因にもなりかねないため、できれば毎日の筋トレは避けた方が安心です。
筋トレに効果的な時間帯は夕方
筋トレは、生体リズム(体内時計)に合わせた時間帯に行うのがおすすめです。生体リズムでは、15〜19時頃の時間帯に肺や心臓の動きが活発になり、柔軟性も高くなると言われています。
そのため、この時間帯に筋トレをすると筋肉に刺激が入りやすくなり効果を実感できるでしょう。
毎日筋トレを行う場合の適切な方法とは?
毎日の筋トレが一般的に推奨されていないとは言っても、できれば毎日筋トレをしたいと考える方もいますよね。毎日筋トレすると、運動習慣が身についたり、体幹が鍛えられたりなどのメリットもあります。
オーバートレーニングにならないように、毎日トレーニングができる方法は、以下の4点です。
- トレーニングする部位を変える
- 負荷の低いトレーニングを選択する
- 毎日トレーニングしていい部位を選ぶ
それぞれみていきましょう。
1.トレーニングする部位を変える
まず、毎日異なる部位をトレーニングしていくことで、超回復をさせながらトレーニングすることができます。筋肉を肥大させたい方にも、トレーニングする部位を変える方法がおすすめです。毎日違う部位に対して高負荷のトレーニングができるため、常にどこかの部位が超回復を行い、筋肉の成長を止めないトレーニングサイクルを作ることができます。
常にいずれかの部位が筋肉痛の状態が続くため、向上心があり、トレーニングに対してかなり意欲的でないと続かない方法です。
筋トレで鍛える筋肉の部位を上半身・下半身に分けて簡単にご紹介します。
上半身 | 胸、背中、上腕二頭筋、上腕三頭筋、腕など |
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下半身 | お尻、ハムストリングス、大腿四頭筋など |
例えば1日目は「胸+背中」、2日目は「お尻+ハムストリングス」など、その日にトレーニングする部位を決めて、集中的にトレーニングすることで、筋トレを毎日継続できます。ただし、追い込み過ぎて筋肉に痛みを感じる場合は休憩を入れるようにしましょう。
2.負荷の低いトレーニングを選択する
高負荷の筋トレよりも筋繊維の破壊を抑えられる、エクササイズ程度の心地よい運動を選択する方法もあります。こうした低負荷のトレーニングを、長めの時間、無理なく行ってみましょう。体脂肪の燃焼が十分にでき、血流も良くなるため、健康的な体に近づけることができます。素敵なプロポーションを維持されている方は、このようなトレーニングサイクルを選んでいる方も多いです。
ただし、トレーニングに長い時間がかかってしまったり、筋肉の成長が遅く感じてしまったりする方もいると思います。トレーニングが楽しくないと感じないように、トレーニング仲間を作るなどしてトレーニングを楽しむ工夫をすることが大切です。
3.毎日トレーニングしていい部位を選ぶ
腹筋は毎日のトレーニングメニューに追加して良いと言われています。
腹筋はパワーウォールと呼ばれるほど筋肉が厚く集中しており、通常の高負荷トレーニングで追い込んでも、翌日には回復していることがほとんどなのです。
また、中には「太ももがコンプレックスなので毎日筋トレしたい」「お尻のトレーニングを続けたい」など、特定の部分をボディメイクしたい人はいるはず。全身の筋トレではなく、気になる部位だけをピンポイントで鍛えたいなら、週2〜3回の筋トレを行って超回復を取り入れる方が、効果を感じられます。
筋トレにおすすめの頻度や効果を実感できるまでの期間について知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
筋トレを毎日行う際に忘れてはいけない注意点
筋トレを毎日行い理想のボディメイクを叶えるためには、生活の中で以下の3点を意識することも重要です。
- 食事改善
- 睡眠の確保
- ストレスの軽減
1.食事改善
食事は最も体型に影響する要素です。少し食べ過ぎただけで、人によっては翌日にお腹がいつもより出てしまうこともあります。こうした影響を受けないように、食事には十分気をつけておくと良いでしょう。できれば糖質を抑えて、カロリーコントロールされた食事を中心に摂るべきです。また、タンパク質の豊富な食べ物を選ぶことで、筋肉の回復が促進されるので意識して摂取しましょう。
見た目の美しさを追求するなら、ビタミンなどの栄養素も総合的に摂っていければ、肌や髪質なども改善されてより美しくなっていくことでしょう。
2.睡眠の確保
次に、睡眠をしっかり確保することです。筋肉の超回復は、睡眠時に特に活発化するので、トレーニングをした後はしっかりと睡眠をとるようにしましょう。そして、睡眠時には老廃物の排出や肌の再生なども行われているので、寝不足にならないように注意しましょう。
3.ストレスの軽減
ストレスを抱えてしまうと、食生活に気をつけようとしても暴飲暴食に走ってしまったり、眠れなくなって睡眠不足に繋がることもあるでしょう。さらに、無気力感に襲われるなどで、トレーニングを続けられなくなる原因になる場合もあります。
ボディメイクのためだけでなく、ストレスをあまり抱えないことで、心身ともに健康でいられるようにしましょう。
筋トレを毎日行うメリット
筋トレを毎日行うメリットは3つあります。
- 短時間のトレーニングでも筋肉の成長が期待できる
- 筋トレを継続することで習慣化しやすくなる
- 体の代謝率が上がる
短時間でも筋トレを継続することで、鍛えたい部位に負荷がしっかりとかかり、筋肉の成長を感じられます。毎日コツコツと筋トレを続けることで習慣化しやすくなるため、筋力アップが期待できるでしょう。ここでのポイントは、無理のない範囲で行うこと。筋トレは継続が肝心で、続けることで効果が期待できます。
また、毎日筋トレを行うことで消費エネルギー量が増え、代謝率が上がります。その結果痩せやすい体へと変化するのを実感できるでしょう。筋トレを毎日行い、消費エネルギーを多くして痩せやすい体質を目指しましょう。
筋トレを毎日行うデメリット
筋トレを毎日行うことで生まれるデメリットも3つ見ていきましょう。
- 筋肉を休ませる時間が取れなくなる
- オーバーワークとなり疲労が溜まりやすくなる
- ケガのリスクが高まる
鍛えたい体の部位を集中的に毎日トレーニングすると、筋肉が休めなくなり、筋肉が回復する時間が遅れる可能性があります。また、オーバーワークと言われる状態に陥ることも。オーバーワークとは、筋トレによる疲労が回復しないままさらにトレーニングを重ねることで、慢性的に疲労が溜まった状態です。このような状態で筋トレを繰り返すと、ケガのリスクが高まります。体に痛みがある状態でトレーニングを行うと、正しいフォームが作れず、さらに痛みを増加させることもあるでしょう。一度ケガをしてしまうと、長い間筋トレを休まなくてはなりません。その結果、鍛えた筋肉も減ってしまう可能性があります。
毎日できる筋トレメニュー5選
ここからは、毎日できる筋トレメニューを5つご紹介します!
- プランク
- クランチ
- バイシクルクランチ
- プッシュアップ
- スクワット
特別な器具は必要なく、隙間時間でできるトレーニングなのでぜひ参考にしてください。もっと詳しく自宅でできるおすすめの筋トレメニューやメニューを知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:自宅でもできる筋トレメニューはこちら
プランク
プランクはお腹周り(腹直筋・腹斜筋・腹横筋)、二の腕、背中、体幹などに効果的なトレーニングです。意識的に行うことで、お腹・背中の上半身と共に体幹を整えられるでしょう。
プランクのやり方
- うつ伏せの体勢で足を伸ばします。
- 腕は肩幅と同じくらいに開き、肘から前腕は床につけましょう。
- つま先を立てて腰を持ち上げ、体を肘とつま先だけで支えます。
プランクのポイント
プランクは、頭が下がったりお尻が上がったりすると力が入りにくいため、頭からかかとまで一直線になるよう意識して行いましょう。初めてプランクをする場合30秒でもキツいと感じるかもしれません。まずは10〜15秒から始めていき、徐々にプランクの時間を伸ばしていきましょう。以下の記事では初心者も挑戦しやすいプランクの種類をご紹介しているので、参考にしてみてください。
関連記事:初心者向けにプランクの種類や効果をまとめた記事はこちら
クランチ
クランチは上体起こしと呼ばれる腹筋トレーニングで、お腹の前面(腹直筋)の引き締めに効果が期待できます。
クランチのやり方
- 仰向けに寝て、両ひざを揃えて立てます。
- 両手は耳の横または頭の後ろに添えましょう。
- 息を吐きながら背中を丸めるように上半身を起こします。
- 肩甲骨が浮くくらい上半身を上げたら、ゆっくり床に戻ります。
クランチのポイント
クランチをしている間お腹(みぞおち周辺)に力を入れるように意識しましょう。できる人は床に戻る際、頭を床に完全につけずにまた上半身を起こしてみてください。クランチは10回を1セットとして、2〜3回繰り返してみましょう。
バイシクルクランチ
バイシクルクランチは、仰向けで自転車を漕ぐようなイメージで行う腹筋です。お腹の前側を鍛えられるほか、両側(腹斜筋)にも効果的なエクササイズですよ。
バイシクルクランチのやり方
- 仰向けになり、腕を頭の後ろで組みます。
- 両脚を上げて、膝が90度になるように曲げます。
- 左膝と右肘を近づけます。
- 2の状態に戻して、次は右膝を左肘に近づけます。
- 2〜4の動作を左右10回1セットとし、2〜3セット行いましょう。
バイシクルクランチのポイント
首や首の後ろに力を入れ過ぎないように注意しましょう。
理想的な回数は15~20回を1セットで3セットですが、回数よりもしっかり効かせることを意識することが大切です。初めのうちはフォームを意識しながら10回程度行ってみて、徐々に回数を増やしていきましょう。
プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップは二の腕や胸の筋肉に効果的なトレーニングです。
プッシュアップ(腕立て伏せ)のやり方
- 床にうつ伏せになります。手の位置は、肩幅より少し広めに開き、手の指は前に向けます。
- 足は背中と一直線になるように伸ばし、つま先を床につけます。
- 腕を伸ばし、上体を持ち上げます。胸を張り、肩甲骨を引き寄せるように意識します。
- 肘を曲げ、ゆっくりと体を下げていきます。肘が90度ほどまで曲がったら、一時停止します。このとき、体がまっすぐなラインを保つことが重要です。
- 手を押し上げ、3の状態に戻ります。肩や胸の筋肉を使って上体を持ち上げるように意識します。
プッシュアップ(腕立て伏せ)のポイント
上体を元の位置まで持ち上げたら、再び肘を曲げて体を下げる動作を繰り返します。負荷のかかるトレーニングなのでまずは5回1セットから始めましょう。体を下す際にゆっくり動かすことを心掛けることで効果を感じやすくなります。
関連記事:プッシュアップのやり方を詳しく解説した記事はこちら
スクワット
下半身の筋力を鍛えるのに効果的な筋トレです。
スクワットのやり方
- 足を肩幅程度に開き、つま先は少し外側を向けます。背筋を伸ばし、上半身をまっすぐに保ちます。
- 手は前方に伸ばすか胸の前でクロスさせバランスを取ります。3.お尻を後ろ下方に引く感覚で、膝を曲げてゆっくりと下にしゃがみます。
- お尻や太ももが効いてる感覚が分かったら、ゆっくり立ち上がりましょう。
- 3~4を10回1セットとして2〜3回繰り返します。
スクワットのポイント
しゃがむ際に膝がつま先より飛び出していると、膝を痛める要因になります。お尻を引くようにしゃがむことで膝への負担を軽減させましょう。
適切な頻度を理解して筋トレを継続しよう
今回の記事では、トレーニングを毎日して良いのか、そしてボディメイクのために必要なポイントを紹介しました。毎日トレーニングを行うことは一般的にはよくないとされていますが、正しく理解し、工夫をすることで毎日行うことも可能です。
毎日のトレーニングを行うことに加え、食事、睡眠、ストレスなどに注意し、理想のボディメイクを実現していきましょう。