肩のインナーマッスルを鍛えるトレーニング3選!チューブを使った鍛え方を解説

肩のインナーマッスルを鍛えるトレーニング3選!チューブを使った鍛え方を解説

監修者情報

柴田 直樹

柴田 直樹

トルチャインストラクター

株式会社ティップネス勤務。

入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。

現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。

◼︎資格

・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎

肩は上半身のシルエットを作る大切なパーツです。しかし、むやみに筋トレをこなしても、正しく鍛えることはできません。特に肩まわりのインナーマッスルは、筋肉のバランスをとるために鍛えるべき部分であるにもかかわらず、通常の筋トレでは鍛えにくいと言われています。この記事では、肩のインナーマッスルに焦点を当て、その重要性とトレーニング方法について説明していきます。

肩のインナーマッスルとは?

インナーマッスルとは、体の深層にある筋肉のことで、体を支えたり、内臓や骨の位置をキープしたり、呼吸運動をサポートしたりする役割を持ちます。インナーマッスルを鍛えれば基礎代謝を上げることも可能です。

具体的なインナーマッスルを挙げると、腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群、肩まわりの筋肉、股関節まわりの筋肉などがあります。対照的に、表層の筋肉はアウターマッスルと呼ばれ、体や関節を動かす役目を担っています。

それでは肩のインナーマッスルはどのような筋肉なのでしょうか。肩のインナーマッスルは、以下の4つの筋肉で構成されています。

筋肉の種類位置主な役割
棘上筋肩甲骨の上部腕を横に上げる
棘下筋肩甲骨の背中側腕を上げる、腕を外側にひねる
小円筋肩甲骨の下部肩を外側にひねる
肩甲下筋肩甲骨の胸側肩関節を内側にひねる


肩まわりの筋肉は、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋肉で構成されており、この4つを総称してローテーターカフ(回旋筋腱板)とも呼びます。この4つの筋肉は「遅筋(ちきん)」に分類される筋肉で、関節の安定や運動能力の向上など重要な役割を果たしています。肩関節がぐらぐらしている方、肩を脱臼しやすい方は肩のインナーマッスルが弱い可能性があるので、効果的に鍛えていきましょう。

肩のインナーマッスルはアウターマッスルと一緒に鍛えよう

肩まわりのトレーニングではアウターマッスルばかりに焦点を当てがちですが、インナーマッスルも一緒に鍛えることが重要です。胸や肩、腕などの肩関節につながるアウターマッスルだけを鍛えると、筋肉のバランスが崩れ、肩の痛みやケガが生じる可能性があります。

肩関節は多くの筋肉が協力して動作するため、インナーマッスルとアウターマッスルの両方をトレーニングする必要があるのです。インナーマッスルを強化すれば、肩関節の安定性が高まり、運動が円滑になり、ケガの予防にもつながります。

肩まわりを鍛える際には、アウターマッスルとインナーマッスルの両方をトレーニングプログラムに組み込みましょう。

【チューブで効率アップ】肩のインナーマッスルを鍛えるトレーニング3選

肩のインナーマッスルを鍛えるためのチューブトレーニングを3つ紹介します。トレーニングチューブを活用すれば、ゴムの張力で負荷をかけることができ、効率的な筋トレにつながります。

  • 棘上筋エクササイズ
  • 棘下筋・小円筋エクササイズ
  • 肩甲下筋エクササイズ

この3つの筋トレは、肩のインナーマッスルを構成する4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)を鍛えるトレーニングなので、日々のトレーニングに取り入れてみてください。

なお、チューブをお持ちでない場合はダンベルでも代用が可能です。それでは、それぞれのエクササイズについて、手順やポイントを解説していきます。

棘上筋エクササイズ

棘上筋は、体側から腕を横に上げる動作のときに使われるインナーマッスルです。肩回しやバンザイがしにくい方は集中して行ってみましょう。

棘上筋エクササイズのやり方

  1. 左手でゴムチューブの片端を持ち、まっすぐ立ちます。
  2. チューブのもう片端を地面につけ、右足でチューブを踏みます。
  3. チューブを引っ張るように、肘と手首を曲げないまま30度外側に腕をゆっくり上げていきます。
  4. 30度まで上げたら、ゆっくり元の位置まで降ろします。
  5. 3~4の動作30回を1セットとし、2〜3セット繰り返します。

棘上筋エクササイズのポイント

外側の筋肉を使わないようにするためには、強度の弱いゴムチューブがおすすめです。

棘下筋・小円筋エクササイズ

棘下筋は、腕を背中側に動かす動作の時に使われ、小円筋は、肩関節を外旋させる動きのときに使われるインナーマッスルです。このふたつを鍛えると、肩の可動域が広がり、炎症などの痛みの予防にもつながります。

棘下筋・小円筋エクササイズのやり方

  1. チューブを柱やドアノブに結びます。
  2. チューブの端を持ち、肘を90度に曲げ、チューブが伸びていると感じるところまで離れてまっすぐ立ちます。
  3. 肘が体から離れないように意識して、前腕(肘から手の部分)を外側に開いていきます。
  4. チューブが緩まないところまで戻します。
  5. この動作を繰り返します。

棘下筋・小円筋エクササイズのポイント

肘の位置は上下させることなく、必ず固定してください。背中の三角筋に負荷がかからないよう調整しながら、トレーニングを行いましょう。

肩甲下筋エクササイズ

肩甲下筋は肩の裏側にあり、肩関節を内旋させる動作の時に使われるインナーマッスルです。デスクワークが多い方は固まりがちな筋肉です。休憩時間にエクササイズを行って、肩を動かしていきましょう。

肩甲下筋エクササイズのやり方

  1. チューブを柱やドアノブに結びます。
  2. チューブの端に指をかけ、肘を90度に曲げ、チューブが伸びていると感じるところまで離れます。
  3. 肘が動かないように注意しながら、前腕(肘から手の部分)を内側に閉じます。
  4. チューブが緩まないところまで戻します。
  5. この動作を30回繰り返します。

肩甲下筋エクササイズのポイント

大胸筋に負荷がかからないよう調整しながら、トレーニングを行いましょう。棘下筋・小円筋エクササイズ同様、肘の位置は固定してください。

肩のインナーマッスルを鍛える際の注意点

肩のインナーマッスルを過度にトレーニングすると、効果が薄れたり、ケガの原因になったりすることがあります。ここでは、インナーマッスルを鍛える際の注意点について説明します。

正しいトレーニングを意識する

肩のインナーマッスルを鍛えるにあたって、正しいトレーニング方法で行うことはなにより重要です。肩関節は動きの幅が広い関節なので、不適切なトレーニングはケガのリスクを高めてしまいます。重量や強度よりもフォームの正確さを重視しましょう。また、筋肉を鍛える際は周囲の筋肉とのバランスも大切です。アウターマッスルばかり鍛えたり、特定の部位だけを鍛えるのではなく、肩まわりの筋肉全体を均等に鍛えるように心がけることで、肩の安定性や機能が向上します。また、ケガの予防のためにも事前のストレッチやウォーミングアップは欠かせません。

負荷をかけすぎない

インナーマッスルを鍛える際は、あまり負荷をかけすぎないように気をつけることが重要です。負荷が大きすぎると、アウターマッスルに負荷が逃げてしまい、本来鍛えたいインナーマッスルへの効果が減少してしまう可能性があるからです。アウターマッスルのほうが大きい筋肉なので、負荷が過度にかかると主要な働き手として優先されることがあります。インナーマッスルを効率よく鍛えたいと思って負荷をかけすぎると、逆に効果が半減してしまうことを認識して、ほどよい負荷でトレーニングしましょう。

痛みを感じたらすぐに中止する

インナーマッスルは高負荷に弱く、過剰なトレーニングは効果が薄くなったりケガの原因になったりする場合があります。筋肉や関節に痛みがある状態で無理にトレーニングをしてしまうと、さらに痛めてしまったり、回復までに時間がかかってしまったりする可能性があるので注意してください。痛みが生じた場合はトレーニングを中断し、適切な休息と治療を受けることが大切です。

肩のインナーマッスルを鍛えてバランスの良い肩関節を

今回は、肩のインナーマッスルとその鍛え方について詳しく解説しました。肩のインナーマッスルを鍛える際には、意外と注意点が多いことをご理解いただけたかと思います。アウターマッスルばかりに気をとられて目立つ筋肉ばかり鍛えていると、筋肉のバランスが崩れてケガにつながる恐れがあります。正しいフォームやバランスを厳守しながら、チューブやダンベルを活用して肩のインナーマッスルを効果的にトレーニングしていきましょう!

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