【1日3分】猫背矯正ストレッチ5選!毎日少しずつ改善して正しい姿勢になろう
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
【予備知識】猫背になる原因は?
猫背になる主な原因は、以下の2つが考えられます。
- スマホやパソコン操作などで長時間同じ姿勢をとっている
- 姿勢を維持する筋力が不足している
長時間同じ姿勢をとっていると、疲れて姿勢が悪くなってきます。特に、スマホ操作やパソコン操作をしているときは画面が顔より低い位置にあることが多いので、覗き込むように頭を前に突き出した猫背の体勢になりやすいです。
また、猫背になる原因として筋力不足も挙げられます。筋肉があれば正しい姿勢を維持できますが、運動不足や加齢の影響で筋力が衰えると、頭や首を正しい位置で支えられず猫背になりがちです。
猫背改善のために伸ばす・ほぐすべき筋肉
ストレッチで以下の筋肉を伸ばすと、猫背の改善が期待できます。
- 肩甲骨まわり
- 腹直筋
- 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
猫背の姿勢をとり続けると、肩甲骨まわりの筋肉が硬くなります。その結果、筋肉の可動域が狭くなり、ますます姿勢が悪くなる悪循環に。
また、猫背になっているとき、お腹は「く」の字に押しつぶされています。猫背の人は腹筋がこわばってしまっているので伸ばす必要があり、特に下腹部にある腹直筋を鍛えると姿勢改善に効果的と言われています。
胸鎖乳突筋は、横を向いたときに耳の後ろから鎖骨まで浮き出る筋肉。この筋肉が硬い場合も猫背になりやすいので、肩甲骨まわり・腹直筋とセットでほぐしていきましょう。
猫背の矯正につながる簡単ストレッチ5選
猫背改善のために伸ばす・ほぐすべき筋肉があるとはいえ、どうやって伸ばせば良いのかイメージがつかない人もいるでしょう。ここからは猫背の矯正につながる簡単なストレッチを5つ紹介します。
なお、寝たり座ったりするストレッチが多いので、ヨガマットを敷いてストレッチをするのがおすすめです。
- 【MANDUKA マンドゥカ ヨガ】ヨガマット
- 株式会社アイロックス
寝ながら背伸びをするストレッチ
まず紹介するのは、寝ながら背伸びをするストレッチ。寝ながら背伸びをすることで、筋肉の緊張を和らげて体をリラックスさせることができます。寝たままの状態でできるので、朝目が覚めたときや夜寝る前に、布団の中で簡単にできるのもメリット。大きく背伸びをして、肩甲骨まわりとお腹まわりの腹直筋を伸ばしましょう。
寝ながら背伸びをするストレッチのやり方
- 仰向けに寝ます。
- 両手足を肩幅に開きます。
- 両手を組み、頭の上へ伸ばします。
- 息を吸いながら、手足を遠くへ伸ばすように思い切り背伸びをします。肩甲骨は床から離すことを意識しましょう。
- 息を吐きながら腕をゆっくり下ろし、肩甲骨を床につけます。
寝ながら背伸びをするストレッチのポイント
寝ながら背伸びをするストレッチを効果的に行うには、両手足を引っ張られているイメージで、なるべく遠くに伸ばしましょう。バスタオルを2〜3枚重ねて巻き、肩甲骨の下あたりに入れると、より肩甲骨まわりが伸びやすくなります。
座ったまま首を回すストレッチ
続いて、座ったまま首を回すストレッチを紹介します。猫背の人は、首の骨がまっすぐ(ストレート)になり、本来のカーブが失われた状態になってしまうストレートネックになりやすく、首に負担がかかっている可能性があります。首のストレッチで首まわりの筋肉を整えましょう。このストレッチは座ったまま首まわり全体を伸ばせるので、仕事の合間や入浴中など、ちょっとしたスキマ時間に試してみましょう。
座ったまま首を回すストレッチのやり方
- 椅子に座るか床に座ってあぐらをかいた状態で、肩をリラックスして背筋を伸ばします。このとき、肩甲骨をぐっと中央に寄せます。
- うつむくように頭を下げ、時計回りに首を3回ほど回します。
- 次に反時計回りに、3回ほど首を回します。
座ったまま首を回すストレッチストレッチのポイント
首を痛める可能性があるため、無理に早く回そうとせずゆっくり丁寧に回しましょう。凝っていると感じる部分は特にゆっくり回してください。痛みがない範囲で行い、痛みを感じたらストレッチを中止しましょう。
座ったまま首(胸鎖乳突筋)を伸ばすストレッチ
胸鎖乳突筋を伸ばすと、猫背改善だけでなくストレートネックや二重アゴの改善も期待できます。また、首・顔周辺の血流やリンパの流れが良くなるので、小顔効果も期待できるでしょう。座ったままできるので、先に紹介した首を回すストレッチとセットでやってみてくださいね。
座ったまま首を伸ばすストレッチのやり方
- 右手で左の鎖骨を押さえます。
- 頭を右後ろに倒し、左の首(胸鎖乳突筋)を伸ばします。
- ゆっくり呼吸しながら2の体勢をキープします。
- 左手で右の鎖骨を押さえます。
- 頭を左後ろに倒し、右の首(胸鎖乳突筋)を伸ばします。
- ゆっくり呼吸しながら5の体勢をキープします。
座ったまま首を伸ばすストレッチのポイント
首を動かすときは、勢いをつけずにゆっくりと伸ばすのがポイントです。呼吸に合わせてリラックスしながら行い、首を伸ばすときはあごを上げたり下げたりせず、水平になるように意識してください。鎖骨を押し下げるようにしっかり押さえることもポイントです。
猫のポーズ
猫のポーズは、その名の通り「猫の背伸び」の姿勢に似たヨガポーズ。背骨・肩甲骨・腰の筋肉をほぐせるだけでなく、お腹や背中のインナーマッスルを鍛える効果も期待できます。また、内臓の活性化による便秘解消や基礎代謝向上、自律神経の調整にも有効とされています。
猫のポーズのやり方
- 四つん這いの状態になり、手首は肩の真下、両膝は脚の付け根の真下におきます。
- 肘は外側を向くようにし、膝と膝の間はこぶし1つ分程度開きましょう。
- 鼻から大きく息を吸ってから、吐く息で背中を丸め、視線はお腹をとらえます。
- 息をゆっくり吸いながら背中を反らしていき、視線は正面を向きます。
- この流れをワンセットとして呼吸に合わせて5〜8回繰り返します。
猫のポーズのポイント
背中を丸めるときは自分のおへそを見るイメージを、背中を反らすときは背骨を一つ一つ順番に動かすイメージを持つとよいでしょう。また、猫のポーズは呼吸も重要です。ゆっくりと呼吸することを心がけてください。
フォームローラーを使ったストレッチ
フォームローラーとは主に姿勢や骨格の矯正目的で使われる、やや硬い素材でできた円柱型のエクササイズグッズ。フォームローラーでアプローチできるのは肩や背中、骨盤などで、猫背の改善にも有効と言われています。使い方も、フォームローラーの上で仰向けになり簡単な動作をするだけなので、運動初心者でもすぐ実践できます。
フォームローラーを使ったストレッチのやり方
- フォームローラーを床に置き、フォームローラーを背にして座ります。
- 両手を床について体を支えながらフォームローラーの上に仰向けになります。
- 2の体勢で呼吸をしつつ、肩の力を抜いて30秒ほどキープします。
- 両腕を床から離し、空中で大きくゆっくり10回ほど回しましょう。
フォームローラーを使ったストレッチのポイント
フォームローラーの上に仰向けになるだけでも背骨が伸びて猫背矯正が期待できますが、長時間の使用は避けましょう。1回5分〜10分程度とし、毎日こまめに体をほぐしてあげることが大切です。
関連記事:フォームローラーの使い方について詳しく解説した記事はこちら
猫背のストレッチの効果を高めるコツ
ここまでは、猫背の矯正につながるストレッチを紹介してきました。ストレッチはシンプルな動作で簡単にできますが、やり方によって効果が大きく変わります。ここでは、より猫背に効果的なストレッチを行うためのポイントを紹介します。
深呼吸をしながら行う
ストレッチの効果を高めるには、深呼吸をしながら行うことが重要です。深呼吸すると筋肉の緊張がほぐれやすくなるため、息を止めず、息を大きく吐きながら伸ばす動作を行いましょう。息を吸うときは、腹式呼吸で鼻からゆっくり息を吸い込むことを意識するとより効果的です。
また、座ったまま首を回すストレッチやフォームローラーを使ったストレッチのように、「ここで伸ばす」という明確なポイントがない場合は、ゆっくりと一定のテンポで深呼吸を続けましょう。
痛みを感じない程度にストレッチする
ストレッチをするときは、痛みを感じない程度の動作にとどめましょう。痛みを感じるほど無理に伸ばすと、筋肉が急激に収縮し固まってしまう伸張反射が働いてしまいます。伸張反射とは脊椎反射の一種で、伸ばされた骨格筋が収縮する現象を指します。筋肉が伸びすぎて傷むのを防ぐために、伸張反射が働くようになっています。首を倒したり背伸びしたりするときは無理なく「痛気持ちいい」くらいを目安に伸ばしていきましょう。
キープする時間を守る
肩甲骨まわりや腹直筋、胸鎖乳突筋などを、筋肉を伸ばした体勢をキープするストレッチを行うときは、20~30秒キープすることを心がけましょう。ストレッチをはじめてから適度な伸び具合になるまで5〜10秒はかかるため、すぐにやめてしまうと筋肉を十分に伸ばすことができません。ただし、長い時間伸ばすほど筋肉の緊張がゆるむわけではないため、最低20秒〜30秒、長くても60秒程度にするとよいでしょう。
例えば、寝たまま背伸びをするストレッチの場合、背伸びの状態を20秒以上キープすると、筋肉をしっかり伸ばす効果が見込めます。反対に、首を回すストレッチなど動きを伴うストレッチの場合は、動きを止めずゆっくり動き続けると効果的です。
毎日続ける
猫背の改善には、ストレッチなど日々習慣の積み重ねが重要です。小さな変化を意識しコツコツ続けることが、正しい姿勢へと導く鍵となります。起きたときに布団の中で背伸びをする、デスクワークの合間に首を回すなど、寝たまま・座ったままでも良いのでストレッチを毎日続けましょう。3分間のストレッチでも毎日続けていれば、効果を感じられるはずです。
猫背を改善するために普段からできること
猫背の改善には、ストレッチだけでなく普段の生活習慣を見直すことも必要です。ここからは、猫背を改善するために普段からできることを紹介します。以下を参考に生活習慣を見直し、できることから取り入れてみましょう。
正しい姿勢で生活する
猫背を改善するには、日頃から正しい姿勢で生活することが大切です。座るときは椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。このとき、座骨(骨盤を形成する骨で、座ったとき最下部に位置する骨)を座面につけます。立っているときは、横から見て耳からかかとまで一直線上にあるのが正しい姿勢です。壁を背にして立ち、頭・肩・お尻・ふくらはぎ・かかとを壁につけ、正しい姿勢のチェックをしてみましょう。
スマホを触るときはつい姿勢がくずれがちなので、意識して正しい姿勢を保ちましょう。画面を目線近くまで上げるなども効果的です。
体幹を鍛える
正しい姿勢を保つには、日頃の習慣と合わせて体幹の筋肉も重要です。正しい姿勢をキープできるように体幹も鍛えましょう。体幹を鍛えるには、プランクがおすすめ。プランクとは、前腕または手のひらとつま先を床につけて体を支え、キープするトレーニングです。猫背の原因となる背筋や腹筋などの体幹を支える筋力向上に効果的です。詳しいやり方は以下の記事で解説しているので、参考にしてみましょう。
座りっぱなしにならない
長時間座りっぱなしだと、つい楽な姿勢に崩れ猫背になってしまうことも。座りっぱなしは避け、1時間に1回程度を目安に席を立ち、ストレッチしたり歩いたりすると姿勢をリセットできます。立ち上がった後に再び座るときは、改めて正しい姿勢を意識して座ることもポイントです。また、一定時間ごとに立ち上がると、血流改善も見込めるため、冷えやむくみが気になる方もぜひ試してみてください。
ストレッチと生活習慣改善で猫背を矯正しよう
猫背は、日頃から正しい姿勢を意識することで予防できます。デスクワークが多く長時間座りっぱなしだったり、姿勢を保つ筋肉が足りていない方はより猫背になりやすい傾向があるため、肩甲骨まわりや腹直筋、胸鎖乳突筋などを伸ばすストレッチを取り入れてみましょう。体が固まったなと感じるごとに、こまめに体をほぐしてあげることが大切です。
1日3分から、寝る前のルーティンや仕事の合間にトライしてみてくださいね。