アキレス腱のストレッチで疲労や痛みとおさらば!原因や重要性も紹介

監修者情報
柴田 直樹
オンラインフィットネス「トルチャ」マーケター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
アキレス腱をストレッチする重要性

アキレス腱は、歩く・走る・跳ぶといった基本的な動作を支える重要な組織であり、その柔軟性が日常生活やスポーツのパフォーマンスに大きく影響します。
しかし、アキレス腱が硬くなると足首の可動域が狭まり、歩行や運動時に負担がかかりやすくなります。これが疲労の蓄積や、炎症・ケガのリスクを高める原因となるのです。
そのため、運動をあまりしない人でも、ストレッチでアキレス腱を柔らかく保つことが重要です。適切なストレッチを続けることで、痛みや腫れを防ぎ、足の負担を軽減できます。
アキレス腱が痛くなる理由


柴田 直樹
アキレス腱の柔軟性が低下すると、動作のたびに過度な負荷がかかり、痛みが生じやすくなります。
扁平足や加齢による柔軟性の低下は、アキレス腱への負担を増やす大きな要因です。特に、アキレス腱に痛みを感じる「アキレス腱炎」は、アキレス腱やその周辺が炎症を起こした状態で、主な原因は過度な負荷の蓄積です。
アキレス腱炎になると、運動中や立ち上がる際に、ふくらはぎからかかとにかけてズキズキとした痛みや腫れがあらわれます。症状が進行すると歩行にも影響し、日常生活に支障をきたすこともあります。さらに、放置するとアキレス腱の断裂リスクが高まるため、早めの対策が重要です。
アキレス腱のストレッチ5選

アキレス腱を柔らかく保つことで、痛みや疲労を防ぎ、動きやすい体を維持できます。ここでは、自宅でも手軽にできるアキレス腱のストレッチを5つ紹介します。
- フォームローラーを使用したアキレス腱のストレッチ
- 抵抗バンドを使用したアキレス腱のストレッチ
- 立って行うアキレス腱のストレッチ
- 下腿三頭筋のストレッチ
- つま先立ちで行うストレッチ
テレビを見ながらでもできる簡単なストレッチばかりなので、ぜひ自分に合ったストレッチを取り入れて習慣にしましょう。
フォームローラーを使用したアキレス腱のストレッチ
フォームローラーを使うことで、余分な負荷をかけずに効率よくアキレス腱をほぐせます。特に、運動後や寝る前、朝のウォーミングアップとして取り入れるのがおすすめです。
<やり方>
- 長座の姿勢で座り、両脚をまっすぐ伸ばします。
- 片脚を軽く浮かせ、ふくらはぎの下にフォームローラーをセットします。
- 両手を後ろについて体を支えながら、ローラーを前後に転がし、ふくらはぎからアキレス腱までほぐします。
- より深く刺激を与えたい場合は、反対の足を重ねるか、お尻を浮かせて体重をかけます。
- 足首を左右にひねるように動かしながら転がすと、ふくらはぎの内側や外側にも刺激を与えられます。
無理のない範囲でゆっくり行い、筋肉がじんわり緩むのを感じましょう。
関連記事:フォームローラーについて詳しく解説した記事はこちら

バンドを使用したアキレス腱のストレッチ
フィットネスバンドは、筋力トレーニングやストレッチに使われるゴム製のバンドです。病院や介護施設のリハビリテーションにも活用されており、無理なく筋肉を伸ばせるのが特徴です。
<やり方>
- 床に座り、両脚をまっすぐ伸ばします。
- 片足のつま先にバンドをかけ、両手でバンドの両端を持ちます。
- バンドをゆっくり引きながら、つま先を自分の方へ引き寄せるようにして、ふくらはぎからアキレス腱を伸ばします。
- 5~10秒間キープし、ゆっくり元の位置に戻します。
- 1〜4を数回繰り返します。
このストレッチは、バンドの張力を調整することで、自分に合った強度で行えます。無理をせず「気持ちよく伸びている」と感じる範囲で続けましょう。
立って行うアキレス腱のストレッチ
立ったまま簡単にできるアキレス腱のストレッチです。デスクワークが多い方は、立ち上がったタイミングやコーヒーブレイクの際に取り入れると、脚の疲労を和らげるのに役立ちますよ。
<やり方>
- 肩幅程度に足を開いて立ちます。
- 片足を一歩前に出し、前足のひざを軽く曲げます。
- 後ろ足はかかとを床につけたまま、ひざを伸ばします。
- 前足に体重をかけながら、後ろ足のふくらはぎからアキレス腱をじっくり伸ばします。
- 5~10秒間キープし、ゆっくり元の姿勢に戻します。反対側も同様に行いましょう。
このストレッチは、自分の体重を使って無理なく負荷をかけられるため、初心者でも安全に行えます。呼吸を止めずに、気持ちよく伸びているのを感じながら続けましょう。
下腿三頭筋のストレッチ
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)は、ふくらはぎを構成する筋肉で、腓腹筋(ひふくきん) と ヒラメ筋の2つから成り立っています。歩く・走る・ジャンプするといった動作を支える重要な筋肉のため、柔軟性を保つことが大切です。
<やり方>
- 壁の前に立ち、両手を肩の高さで壁につけます。
- 片足を大きく後ろに引き、かかとを床につけたままにします。
- 前脚のひざをゆっくり曲げ、壁を押すようにしながら、後ろ足のふくらはぎ(腓腹筋とヒラメ筋)を伸ばします。
- この状態を20~30秒キープし、反対側も同様に行いましょう。
このストレッチは、下腿三頭筋をバランスよく伸ばせるため、ふくらはぎの柔軟性向上や疲労回復に効果的です。デスクワークの合間や立ち仕事の後にも気軽にできるので、日常の習慣として取り入れてみましょう。
つま先立ちで行うストレッチ
つま先立ちを利用してアキレス腱を伸ばすストレッチです。壁や手すりを使い、しっかりバランスを取った状態で行いましょう。
<やり方>
- 壁や手すりに手を添えてバランスを取りながら、つま先を階段やステップに乗せ、かかとを浮かせた状態にします。
- ゆっくりとかかとを下げ、アキレス腱が伸びるのを感じながら10秒キープします。
- 次に、かかとを持ち上げ、つま先立ちの状態で10秒キープします。
- これを左右交互に繰り返しましょう。
かかとを下げるときにアキレス腱がじんわり伸びる感覚を意識しましょう。10秒キープが難しい場合は、最初は5秒から始め、無理のない範囲で行ってください。
アキレス腱のストレッチに関するよくある質問

アキレス腱と一緒にすべきおすすめのストレッチはありますか?
アキレス腱と一緒にストレッチするなら、ヒラメ筋のストレッチがおすすめです。ヒラメ筋はふくらはぎの深部にある筋肉で、足首を伸ばす動作で使われます。
この筋肉が硬くなると、アキレス腱に余計な負担がかかり、疲労や痛みの原因になることがあります。ヒラメ筋をしっかり伸ばすことで、アキレス腱の柔軟性が高まり、ケガの予防や足の疲労軽減につながります。
ヒラメ筋のストレッチ方法については、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
下半身におすすめのストレッチはありますか?
下半身を効果的にストレッチするなら、もも裏(ハムストリング)やふくらはぎのストレッチがおすすめです。これらの筋肉をほぐすことで、足の動きがスムーズになり、疲労の軽減や柔軟性の向上につながります。
また、デスクワークが多く、夕方になると足のむくみが気になる方にもストレッチは効果的です。血流を促進し、脚のだるさを和らげることが期待できます。
具体的な下半身のストレッチ方法は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
アキレス腱は柔軟性を保つことが大切!ストレッチでしっかり伸ばそう

アキレス腱は、歩く・走る・跳ぶといった基本動作を支える重要な部位です。柔軟性が低下すると痛みを感じることがあり、扁平足や加齢による影響でさらに負担が増すこともあります。放置すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、アキレス腱断裂などのリスクも高まるため注意が必要です。
今回紹介したストレッチを習慣にすることで、アキレス腱の柔軟性を維持し、疲労やケガを予防できます。 無理のない範囲で継続し、快適な足の動きを保ちましょう!