腰が痛い人必見!腰痛でもできる筋トレ6選|鍛えるべき筋肉もあわせて解説
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
腰痛になる原因は?
腰痛にはさまざまな原因があると言われていますが、その1つに運動不足による腰まわりの筋肉の衰えがあげられます。背骨を支える腰まわりの筋力が低下すると、背骨や脊椎に負担がかかってしまうのです。さらに、間違った姿勢で過ごすことで筋肉が凝った状態が続き、その結果、慢性的な血行不良を招きます。このような状態では、根本的な腰痛改善は見込めません。無理なく自分のペースで取り組めるトレーニングで、腰まわりの筋肉を適度に鍛えていくことが大切です。
腰痛改善のために鍛えるべき筋肉は?
腰痛改善のために鍛えるべき筋肉は、以下の通りです。
- 腰(脊柱起立筋群)
- 腸腰筋
- お尻(殿筋群+梨状筋)
腰痛改善のために鍛える筋肉は、おもに「腰(脊柱起立筋群)」「腸腰筋」「お尻(殿筋群+梨状筋)」です。それぞれどのような筋肉か、以下でご紹介します。
腰(脊柱起立筋群)
脊柱起立筋群(せきちゅうきりつきん)は、背骨に沿うように首から腰骨にかけて続いている筋肉です。「腸肋筋(ちょうろくきん)」「最長筋(さいちょうきん)」「棘筋(きょくきん)」の3つで形成されており、背骨を支える働きをしています。この脊柱起立筋群の筋力が弱っていたり、筋肉が硬くなってうまくはたらいていなかったりすると、腰に痛みが現れます。脊柱起立筋群を鍛えると、腰痛の原因となる猫背の予防・改善も期待できます。
腸腰筋
腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐ筋肉です。「大腰筋(だいでんきん)」「小腰筋(しょうようきん)」「腸骨筋(ようこつきん)」の3つの筋肉の総称で、体の深部にあることから「深層筋(インナーマッスル)」という別名もあります。骨盤を前傾させて正しい姿勢を保つ役割を担っているため、筋力が少なくなると骨盤を支える力が弱まり、骨盤が後ろに傾いて血行不良を起こし腰痛の原因に…。腸腰筋を鍛えることで、骨盤の位置を整えて正しい姿勢を保てるようになりましょう。
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お尻(殿筋群+梨状筋)
「大殿筋(だいでんきん)」「中殿筋(ちゅうでんきん)」「小殿筋(しょうでんきん)」で形成される「殿筋群(でんきんぐん)」と、股関節の動きをサポートする「梨状筋(りじょうきん)」がお尻のおもな筋肉です。これらの筋肉は体をまっすぐに立たせる役割を担っているため、筋肉が衰えたり柔軟性が低下したりすると、姿勢が悪くなって腰痛につながります。腰痛改善を目指すなら、脊柱起立筋群や腸腰筋と一緒にお尻の筋肉も鍛えましょう。
【目指せ改善】腰痛でもできる筋トレ6選
腰痛の方におすすめの筋トレをご紹介します。どれも難しい動きはなく、自宅でも気軽に行えるものばかりなので、筋トレ初心者にもおすすめです。腰の痛みが落ち着いているときに行いましょう。
プランク
体幹トレーニングの代名詞とも言われ、深層部の筋肉に負荷をかけることができるエクササイズです。簡単なエクササイズなので、特にトレーニング初心者の方におすすめです。
プランクのやり方
難易度:易しい
- うつ伏せの状態から、肘から手のひらを床につけ、肘の角度を90度に曲げます。
- 肘の真上に肩が来るようにし、つま先を立ててお尻を持ち上げます。
- 頭からかかとまでが一直線になるように意識してキープします。
プランクのポイント
お尻を高く上げすぎたり、反対にお尻が下がったりしないように注意しましょう。正面を向くと腰が反ってしまうので、目線は床に落としてください。
関連記事:プランクのポイントやキープする時間について知りたい方はこちら
ドローイン
腹式呼吸でインナーマッスルを鍛えるトレーニングで、猫背や腰痛改善に効果的なケア方法です。
オンラインフィットネスtorcia(トルチャ)では、今回ご紹介した「ドローイン」を動画で解説しています!こちらのサンプル動画はどなたでも視聴いただける動画となっているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ドローインのやり方
難易度:易しい
- 床に仰向けになり、膝を90度に立てます。脚は腰幅に開きましょう。
- 吸う息で、お腹を膨らませていきましょう。おへそを天井方向に引き上げるイメージです。
- 吐く息で、お腹をしっかりへこませていきます。おへそを床に近づけていくイメージです。
- そのまま呼吸に合わせて、2〜3を繰り返し何度か行います。
ドローインのポイント
吸う息は鼻から吸って取り込み、吐く息は口から出すようにしましょう。お腹をしっかりと凹ませるときは、脇腹や背中側のお肉も一緒に中心に集めるような感覚で行ってみてください。さらに、お腹をしぼませた状態で10〜30秒キープすると、より高い効果が期待できます。
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バックエクステンション
背筋を中心にアプローチするトレーニングです。正しい姿勢をキープするために欠かせない脊柱起立筋を鍛えることで、腰痛の原因となる猫背を改善することができます。
バックエクステンションのやり方
難易度:普通
- 床にうつ伏せになり、両手を体側に伸ばし、両脚は肩幅に開きます。
- 顎を引いて、胸と腕を床から浮かせます。腕は肩の高さでまっすぐ伸ばしましょう。
- 上半身が上がりきった位置で、3秒間姿勢をキープします。
- 息を吐きながら3秒かけて上半身を元の位置に戻します。
- 2〜4を繰り返します。
バックエクステンションのポイント
肩が上がらないように、耳と肩の距離を遠ざけるイメージで腕を浮かせてください。慣れてきたら、胸を持ち上げる際に両脚も天井方向に持ち上げてみましょう。
ヒップリフト
お尻と腰全体を鍛えられる、インナーマッスルの強化に効果的なトレーニングです。やり方は簡単ですが、正しく行わないと腰に負担がかかり腰痛が悪化してしまう可能性もあるので、鏡で姿勢を確認しながら取り組んでください。
ヒップリフトのやり方難易度:普通
- 床に仰向けになり、膝を90度に立てます。両手を体側に伸ばし、手のひらは床につけます。
- 肩で体重を支えながら、床から腰と背中を浮かせます。
- お尻をキュッと締めるように意識しながら、2の姿勢を2秒キープします。
- ゆっくりと腰と背中を床に下ろします。
- 2〜4を繰り返し何度か行います。
ヒップリフトのポイント
かかとが浮かないように気をつけましょう。また、腰を反らしすぎてしまうと負担がかかってしまうので要注意です。
キャットアンドカウ
両手を床につき、四つん這いの姿勢で行うヨガの「猫のポーズ」の動きです。背中の筋肉や背骨を意識しながら、呼吸とともに動かすことが大切です。
キャットアンドカウのやり方
難易度:普通
- 四つん這いの状態になり、手首が肩の真下、膝が脚の付け根の真下にくるようにします。
- 両手はパーの形に広げて、しっかり体を支えます。
- ゆっくり息を吐きながら、背中を丸め、視線をおへそへ向けます。両手でしっかり床を押します。
- ゆっくり息を吸いながら、腰を反らして胸を開き、視線は正面方向へ向けます。
- 呼吸に合わせて何度か繰り返しましょう。
キャットアンドカウのポイント
肩が上がりやすいため、耳と肩の距離を遠ざけるように意識して行いましょう。
関連記事:キャットアンドカウのやり方や効果をもっと知りたい方はこちら
カールアップ
腹筋トレーニングの一種で、腹直筋の上部を鍛えることができます。腰に負担をかけにくいため腰痛の方におすすめです。
カールアップのやり方
難易度:普通
- 膝を立てた上体で仰向けになります。
- 頭を浮かせ、頭の後ろで両手を組みましょう。
- ゆっくり息を吐きながら、上半身をあげて視線をおへそへ向けます。
- 3の姿勢を2〜5秒キープして、ゆっくりともとの姿勢に戻ります。
カールアップのポイント
上体をあげた姿勢をキープするときは、呼吸を止めないように注意してください。
【腰を痛めないために】腰痛が起きている際の筋トレで注意すべきポイント
腰痛が起きているときに筋トレをすることで、痛みを強めてしまうことがあります。そうならないためにも、以下のポイントを押さえて筋トレをするようにしましょう。
ストレッチをしてから行う
腰痛が起きている場合は、痛みを強める恐れがあるので、10分程度の時間をかけてしっかりとストレッチをしてから筋トレをしてください。筋トレ前のストレッチには、大きな動きを連続して行う「動的ストレッチ」がおすすめです。反動をつけた運動を繰り返すラジオ体操が該当するので、ぜひ筋トレ前に取り入れてみてくださいね。
自分のペースで実施する
自分のペースを守って痛みが出ない程度で行うようにしましょう。筋トレメニューがきついときは、セット数を少なくしたりキープする時間を短くしたりしてもかまいません。最初は無理をせず、慣れてきてから徐々に負荷を調整してください。また、筋トレ中に痛みが現れたら、無理せず中断してください。
強い痛みやしびれを伴う症状がある場合は医療機関へ
腰痛は、椎間板ヘルニアやぎっくり腰などの病気が原因で起こっていることもあります。強い痛みやしびれを伴う症状がある場合は、医療機関を受診して、医師の指示に従ってください。なお、病気が原因の腰痛でなくても、強い痛みやしびれがある場合は筋トレは控えましょう。
腰痛に関するQ&A
最後に、腰痛に関するよくある疑問にお答えします。
ぎっくり腰になりやすい人の特徴は?
ぎっくり腰は、腰にある椎間板や関節、筋肉、靭帯などが部分的に損傷して起こる急性の腰痛症状です。誰でも起こる可能性がある症状ですが、以下の項目に当てはまる方はぎっくり腰になりやすいと言われています。
- 長時間、同じ姿勢で作業をしている
- 猫背や反り腰などの不良姿勢がクセになっている
- スポーツのしすぎ
- 運動不足
- ストレスをため込みやすい
長時間、同じ姿勢で作業をする方は、1時間に1回ストレッチをするなど、それぞれ改善に努めましょう。
ヨガは腰痛改善に効果はある?
腰痛改善にはヨガもおすすめ。ストレッチ効果や体の歪みの矯正、血行促進、リラックス効果などが期待できます。また、ヨガには腰周りの筋肉にアプローチするポーズもあり、これらのポーズを組み合わせることで効率的に腰痛改善を目指せます。起床時やお風呂上りなどに取り入れてみましょう。
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腰痛持ちの方は簡単なトレーニングからはじめて改善を目指そう!
原因も対策もさまざまな「腰痛」。自宅で行うトレーニングやケアは継続して行うことが大切なので、腰痛持ちでもできる簡単なトレーニングからはじめましょう。筋トレの際は無理をせず、痛みが悪化していないか注意しながら自分のペースで行ってくださいね。