首の筋トレは意味がある?おすすめのトレーニングとポイントを解説

監修者情報
柴田 直樹
オンラインフィットネス「トルチャ」マーケター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
首の筋トレを実施する3つのメリット

首は重たい頭を支え、正しい姿勢を維持するために重要な部位です。しかし、デスクワークやスマホの使用が増えた現代では、首に負担がかかりやすく、多くの人が不調を感じています。首の筋トレを取り入れることで、以下のようなメリットが得られます。
- 頭痛や肩こり予防につながる
- 首を痛めるリスクが低減する
- 姿勢の改善につながる
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
頭痛や肩こり予防につながる
頭痛や肩こりの原因の一つに、首まわりの血行不良があります。長時間のデスクワークやスマホ操作によって、無意識のうちに同じ姿勢を続けると、筋肉が硬直し、血流が滞りやすくなります。
首の筋トレを行うと、筋肉が動くことで血流が促進され、血行不良の改善につながります。また、筋肉のコリがほぐれることで、疲労物質の排出がスムーズになり、緊張が和らぐため、慢性的な肩こりや頭痛の軽減も期待できます。
首を痛めるリスクが低減する
首まわりの筋肉が弱いと、スポーツでの衝撃や急な動作によって首を痛めやすくなります。運動習慣がない方でも、車や電車の急ブレーキなど、日常生活の中で不意に首に衝撃がかかる場面は少なくありません。
首の筋トレを行い筋肉を鍛えておくことで、外部からの衝撃を受けても首を痛めにくくなります。ケガを防ぐためにも、普段から無理のない範囲で鍛えておくとよいでしょう。
姿勢の改善につながる
首の筋肉は姿勢維持にも深く関わっています。首まわりの筋力が弱いと、頭を支える力が不足し、猫背やストレートネックの原因になります。
適度な筋トレを行うことで、首と頭をしっかり支えられるようになり、自然と正しい姿勢が保ちやすくなります。猫背が気になる方や、長時間のデスクワークが多い方は、積極的に首の筋トレを取り入れてみましょう。
関連記事:正しい姿勢を保つ筋トレ・ストレッチを紹介した記事はこちら
首を鍛える筋トレおすすめのトレーニング

首を鍛えるためには、頸部の伸展(後ろに反らす動き)と屈曲(前に倒す動き)が重要になります。そのため、首のトレーニングは種類が限られており、基本となるのは首の後ろ側を鍛えるネックエクステンションと前側を鍛えるネックフレクションの2種目です。
また、首は単独で鍛えるよりも背中や肩まわりの筋トレと並行して行う方がより効果的に首まわりを強化できます。
ただし、後述の注意点でもあるように、そもそも首周りは非常にデリケートな部位。首まわりに不安を感じる方は、まずはストレッチから始めるようのがおすすめです。
特に不安がない方でも、トレーニング初心者であれば、ウェイトではなく自重からトレーニングに挑戦するようにしましょう。
ネックエクステンション
ネックエクステンションは、首の後ろの筋肉を鍛えるトレーニングです。自重で行うこともできますが、ダンベルを使うと適度な負荷を加えられ、より効果的に筋力を強化できます。デスクワークやスマホの使用で前傾しがちな首を支える力を高めるのに役立ちます。
ネックエクステンションのやり方
- フラットベンチがある場合は、うつ伏せになり、頭がベンチの端から出るようにします。ベンチがない場合は、ソファや頑丈なテーブルの端に上半身をのせて行うか、床にうつ伏せになり、あごをわずかに浮かせる姿勢でも実施できます。
- 自重で行う場合は、両手を頭の後ろに添えます。ダンベルを使う場合は、両手で持ち、後頭部に軽くのせます。強く押さえつけないように注意しましょう。
- ゆっくりと頭を後ろに反らし、首の後ろ側の筋肉が収縮するのを意識します。
- 限界まで反らしたら、一時停止し、ゆっくりと元の位置に戻します。
- 10回を1セットとし、インターバルを挟んで合計3セット行いましょう。
ダンベルを使う場合は、無理のない重量から始め、慣れてきたら徐々に増やすのがおすすめです。最初は1〜2kg程度の軽めのダンベルから試してみましょう。
ネックエクステンションのポイント
- ダンベルを支える力は最小限にし、首の筋肉をしっかり使うことを意識しましょう。
- 反動をつけず、ゆっくりとした動作を意識することが大切です。特に戻すときは丁寧に動かしましょう。
- 呼吸を止めずに、動作中は自然なリズムで呼吸を続けてください。
- 過度な重量で行うと首を痛める可能性があるため、適切な負荷を選び、安全にトレーニングを行いましょう。
ネックフレクション
ネックフレクションは「ネックカール」とも呼ばれるトレーニングで、首の前側の筋肉(胸鎖乳突筋など)を鍛えることができます。姿勢の改善や、首の安定性向上に役立ちます。初心者の方はまず自重で行い、慣れてきたらダンベルを使って負荷を調整するとよいでしょう。
ネックフレクションのやり方
- 床に仰向けになり、両膝を立てます。頭は床につけず、少し浮かせた状態にします。
- 両手を後頭部に軽く添え、おへそを覗き込むようにゆっくりと頭を持ち上げます。
- 首の前側の筋肉がしっかりと収縮していることを意識しましょう。
- 頭を曲げた後は、ゆっくりと元の位置に戻します。
最初は10回〜20回を目安にし、自分の限界まで無理のない範囲で行いましょう。
ダンベルを使う場合は、ダンベルを額の上に置き、両手で軽く支えながらトレーニングを行います。重量は最初は1〜2kg程度から始め、首に負担がかかりすぎないように注意しましょう。
ネックフレクションのポイント
- ソファやフラットベンチの上でも実施できます。その場合は、首がソファやベンチの端から少し出るように調整して行いましょう。
- 床で行う場合は、ヨガマットやタオルを敷くと頭への負担を軽減できます。
- 反動をつけず、ゆっくりとした動作を心がけることで、効果を高めつつ首への負担を抑えることができます。
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首の筋トレを行う際の注意点

首を鍛えることは大切ですが、首はデリケートな部位のため、無理をするとケガにつながる可能性があります。安全にトレーニングを行うために、以下の3つのポイントに注意しましょう。
- 無理に負荷をかけすぎない
- 正しいフォームを維持する
- 首以外の部位も鍛える
それぞれについて解説します。
無理に負荷をかけすぎない
首は小さな筋肉や関節で支えられており、強い負荷をかけると痛めやすい部位です。まずは自分の頭の重さを利用したトレーニングから始め、無理のない範囲で動かしましょう。慣れてきたら、ダンベルを使う、回数を増やすなどして、少しずつ負荷を高めると安全に鍛えられます。
正しいフォームを維持する
首の筋トレを行う際は、必ず正しいフォームを意識することが重要です。姿勢が崩れると首に余計な負担がかかり、ケガのリスクが高まります。
トレーニング中は背筋を伸ばし、頭の位置をまっすぐ保つことを心がけましょう。特に、あごが前に出たり、首を無理に反らせたりしないよう注意が必要です。鏡を見ながら行うと、無意識に首をねじる可能性があるため、ヨガマットの端や床のラインを目安にして、体や首が曲がっていないか確認するとよいでしょう。
首以外の部位も鍛える
首のこりが気になるからといって、首だけを集中的に鍛えるのは避けるべきです。筋バランス(筋肉どうしのバランスや連動性)が崩れ、逆に痛みや違和感の原因になることがあります。僧帽筋・胸鎖乳突筋・後頭下筋群・体幹など、首を支える周囲の筋肉もあわせて鍛えることが大切です。
どの部位を鍛える場合も、最初は自重トレーニングから始め、無理なく進めるのがおすすめです。負荷をかけすぎず、適切な強度で行いましょう。
自重でできる背筋トレーニングについては、以下の記事もご覧ください。
関連記事:自重でできる背筋トレーニングを紹介した記事はこちら
首の筋トレに関するよくある質問
猫背改善に効果的?
首まわりの筋肉は姿勢を支える役割があるため、鍛えることで猫背の改善が期待できます。
デスクワークやスマホの長時間使用が続くと、頭が前に出た姿勢になりやすく、首や肩まわりの筋肉が過剰に緊張します。その一方で、首の後ろや背中の筋肉が使われにくくなり、筋力が低下することで姿勢が崩れやすくなります。これを防ぐには、首の筋トレに加えて、背中や肩まわりの筋肉もバランスよく鍛えることが大切です。
猫背を改善するための具体的なトレーニングについては、以下の記事をご覧ください。
ジムで鍛える場合のおすすめ種目は?
ジムで首の筋肉を鍛える際には、本記事でも紹介したネックエクステンションやネックフレクションのほか、以下の種目が効果的です。
<ショルダーシュラッグ>
僧帽筋を中心に、首から肩にかけての筋肉を強化するトレーニングです。
やり方
- 背筋を伸ばして立ち、両手にダンベルを持ちます。
- 肩甲骨を寄せて、肩をすくめるように持ち上げ、ゆっくりと元の位置に戻します。
- これを10回、3セット行いましょう。
<ネックラテラルフレクション>
胸鎖乳突筋など、首の側面の筋肉を鍛えるトレーニングです。
やり方
- 横向きに寝転びます。
- 首の力だけで頭をゆっくり持ち上げ、1~2秒キープします。
- ゆっくりと頭を下げます。
- 左右各10回、3セットを目安に取り組みましょう。
これらの種目は、首や肩まわりの筋肉を強化し、姿勢の安定にもつながります。
ただし、首の筋トレは自重やダンベルを使った種目が中心になるため、自宅でも十分に鍛えることが可能ですよ。
首の筋トレで理想の姿勢を手に入れよう!

首の筋トレは、単にこりを和らげるだけでなく、姿勢の改善や首のケガ予防にも効果的です。特にデスクワークやスマホの使用が多い方にとって、日常生活の質を向上させる重要な習慣になるでしょう。
首のトレーニングは種目が限られていますが、自宅でも手軽に取り組めるのがメリットです。最初は自重で行い、正しいフォームを意識しながら無理のない範囲で続けましょう。慣れてきたら、ダンベルで負荷を少しずつ増やしたり、回数を調整することで、より効果を高めることができます。また、首まわりの筋肉だけでなく、背中や肩の筋肉も並行して鍛えることで、バランスよく姿勢を改善しやすくなります。
安全に配慮しながら、首の筋トレを習慣化し、理想の姿勢を目指しましょう!