眼精疲労や内臓の活性化に取り入れたい。ゴリラのポーズの正しいやり方とその効果。

スマホやパソコンの画面を見すぎて目の奥が疲れたり、頭痛や不眠に悩まされている現代人は少なくはないでしょう。また、長時間のデスクワークによって同じ姿勢を続けていることや、夏場の冷房による冷えで、全身のむくみや倦怠感だけでなく内臓機能の低下から起こる慢性的な体調不良は深刻な問題です。今回は、これらの現代病に効く、とっておきのヨガのポーズ「ゴリラのポーズ」をご紹介します。

ゴリラのポーズって何?

ゴリラのポーズは上半身を前屈させる「立位前屈(ウッタナーサナ)」や「足の親指をつかむポーズ(パーダーングシュターサナ)」と似ていますが、手の向きや位置をアレンジした、初心者にとって難易度としては易しいポーズです。ゴリラが前に手をついて歩いているときのような姿に見えることから「ゴリラのポーズ」と名付けられました。短い時間でも高い効果が得られ、狭い場所でも気軽にでき、ヨガマットも不要なので、自宅やオフィスでのちょっとした隙間時間で取り組めるのでオススメです。

ゴリラのポーズの効果は?

ゴリラのポーズは、ヨガでは「逆転のポーズ」というジャンルに属し、普段わたしたちが立っている姿勢とは逆(頭が下で足腰が上)になるようなポーズのうちのひとつです。「逆転のポーズ」の中でもっともイメージしやすいポーズとして「逆立ち」がありますが、「逆立ち」は筋力が弱い人には難易度が高く難しいもの。また、ヨガ経験者が「逆転のポーズ」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは三点倒立(ヘッドスタンド)や下向きの木のポーズ(ハンドスタンド)かもしれません。「逆転のポーズ」は基本的に頭が心臓よりも低い位置にある姿勢でいるポーズのことを指します。そのため、必ずしも全身が「真っ逆さま」である必要はないため、ヨガ初心者でも簡単に取り組めるポーズはたくさんあり、ゴリラのポーズもそのうちのひとつ。

他にも、ウサギのポーズ(シャシャンカーサナ)やクジャクの羽のポーズ(ピンチャマユーラーサナ)、下向きの木のポーズ(アドームカヴルクシャーサナ)などが代表的なものとしてあげられますが、難易度の高い「逆立ち」をしなくても同じ効果が得られるので、初心者の方は「ゴリラのポーズ」から「逆転のポーズ」を始めるのが良いでしょう。

内臓機能改善

「逆転のポーズ」は、重力から解き放たれることによってたくさんの恩恵を受けることができます。血行促進や、免疫機能の向上、消化機能の改善、自律神経の調整、眼精疲労の緩和などの効果が得られ、特に、普段は重力のせいで下に沈んでいる内臓が、逆転することにより元の正常な位置に戻るので、内臓機能が活性化され総合的な体調改善が望めます。また、前屈のポーズなのでお腹が圧迫され、物理的な刺激が加わるので、腸の機能改善が期待できます。便秘に悩む方は積極的に取り入れたいポーズです。

下半身の柔軟性アップ

もも裏・ハムストリングス・ふくらはぎをストレッチするポーズなので、下半身の柔軟性を向上させることができ、全身の血流を良くし、むくみ対策にも効果的です。下半身の大きな筋肉を鍛えるので、基礎代謝が上がり、消費カロリーが増えるため、ダイエット中の方にもオススメです。

ストレス解消

深く呼吸をしながら行うことで交感神経と副交感神経のバランスが整い、リラックス効果が得られます。ストレス解消に繋がり寝つきが良くなるため、不眠症状の改善も期待できます。また、血液の循環が良くなり、脳に血液が巡るため、集中力のアップにも繋がります。疲れて頭がボーッとするとき、脳のリフレッシュに取り入れると良いでしょう。

ホルモンバランス改善

逆転することにより、普段下がっている骨盤の位置を正常な位置まで引き上げることができるためホルモンバランスを整えることに役立ちます。

血液循環促進

体の上下を逆転さることで、滞っていた血液やリンパの流れを促進し、全身の循環を促してくれます。血液が全身を巡るため、冷え性の改善や、老廃物の排出の促進などに効果があります。

ゴリラのポーズのやり方

全ての前屈のポーズに共通している注意点として、より完成度の高いポーズに仕上げるために上体の前側を板のようにまっすぐ伸ばすことです。前屈から起き上がるときも、背骨を丸めず背中をまっすぐに保ったまま上体を起こすことを意識してみてください。ポーズの美しさだけでなく、高い効果も期待できるでしょう。筋肉への負荷と、リラックスした脱力感で、メリハリを効かせたポージングを意識してみましょう。

実際にポーズをとってみましょう

  1. 脚を肩幅に開き、上体を真っ直ぐにして前を見て立ちます
  2. 吸う息で両手を天井方向にゆっくりとあげ、吐く息で股関節から折るように前屈します
  3. 背中と首の力を緩め、重心をかかとからつま先へと移していきます
  4. 余裕があれば手のひらを足の下に入れます(手の甲が床側)
  5. 3呼吸程度時間を置きます
  6. 足の下から手を解放し、息を吸いながらロールアップでゆっくりと起き上がっていきます
  7. 最初の姿勢に戻ったら、呼吸を整え1から繰り返します
  8. 3〜5セット繰り返し行うことができれば良いでしょう

「ゴリラのポーズ」の注意点

立ったまま前屈し、足の裏の下に手を敷くポーズのため、前屈時に無理に負荷をかけすぎるとオーバーストレッチ=伸ばしすぎになる危険性があるので注意する必要があります。相撲の股割りやバレエのスプリッツ(脚を前後に伸ばしてのストレッチ)などでも起こりうる現象ですが、筋を本来の可動域以上に伸ばしすぎると「ピーン」と筋が伸びきったような感覚の後、途端に身体が柔らかくなったように感じます。

しかし、翌日には筋の自然治癒機能により、以前にも増して固くなってしまうことが多々あります。それだけでなく、日常生活に支障をきたすほどの痛みを伴うこともあり、一度故障してしまった部位は再発のリスクが高く、治療には時間も費用もかかるため、「ゴリラのポーズ」は無理なく、正しく行うことが大切です!

ゴリラのポーズを避けたほうがいい人

  • 腰や首、背中を痛めている人
  • 高血圧や血管に疾病を持っている人
  • 生理中や風邪を引いている(風邪気味の)人

体調が悪いときは静養することを優先し、無理をしないようにしてください。万が一故障してしまったときや、具合が悪くなってしまった場合は病院で受診をしてください。

「ゴリラのポーズ」にさっそくチャレンジしてみましょう

自分のポーズを客観的に見るのは案外難しいもの。間違ったポーズをいくら練習していても効果は一向に得られません。自己流でヨガを練習している人の中には「どこが間違っているのか、どこが分からないのかすら分からない」という人もいるのも事実。特に初心者は、長い目で見ると、望まない癖がつく前にインストラクターの指導を受けた方が良いでしょう。

モチベーションをキープしながら、正しいポーズを学んで無理のないペースで上達を目指すには、レッスンへの参加を検討しても良いでしょう。インストラクターが指導してくれるので、レッスンでしっかり習得し、自宅で復習するとさらに効果的です。今回紹介した「ゴリラのポーズ」の他にも、眼精疲労や血行促進に効果的なヨガのポーズはたくさんあるので少しずつ習得したいですね。

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