あなたはできる?ヨガのバランスポーズ3選。バランスポーズを安定させるコツとは

あなたはできる?ヨガのバランスポーズ3選。バランスポーズを安定させるコツとは

ヨガの美しいバランスポーズを見て、憧れたことはありますか?「やってみたいけど、ハードルが高そう」と感じる方もいるのではないでしょうか。バランスポーズには集中力を高める、体幹を鍛える、姿勢や歩き方を美しくするなどの嬉しい効果があります。慣れていないと、余分な力が入って苦しいバランスポーズ。この記事ではバランスポーズを安定させるコツについてお伝えします。

監修者情報

杉山なつみ

監修

2015年12月にヨガの資格を取得後、都内を中心に企業向け健康セミナーの実施や、ヨガスタジオでの自主開催レッスンやスポーツ選手向けのパーソナルヨガレッスンを行う。
2019年1月にインドネシア・バリ島へ移住。現在はフリーランスのヨガインストラクターとして、現地のマーケティングや、バリ島からのオンラインレッスンを開催中。

■所有資格日本ヨガインストラクター協会2級

バランス感覚は生まれつき?

ヨガは好きだけど、バランスポーズが苦手という方もいるでしょう。頑張ってバランスを維持する前に、まずは自分の内側に意識を集中させます。

ヨガで大事なことは自分を見つめること。今、自分の体の中で何が起こっているかを繊細に感じることです。

バランスをとるということは、端的に言うと重心が支持基底面から外れないように深部感覚をコントロールすることです。
支持基底面とは、両足で立ったときの両つま先からかかとまでの空間のこと。足幅を広げれば支持基底面も広がります。片足立ちになれば、支持基底面は立っているほうの足の裏の面積だけになります。バランスポーズは、その中に重心を収めるようにコントロールしていきます。

このコントロールをするときに無意識に使っている感覚が体の深部感覚です。
深部感覚とは、足元を見ないで階段を降りたり後ろ手でエプロンのひもを結ぶときのように、直接見なくても手足の位置がなんとなくわかる感覚のことです。この感覚が働かないと、狭い支持基底面でバランスを保つのは難しいでしょう。体中に力が入ってガチガチになり、無理やりポーズを取ろうとしてもすぐぐらついてしまう……。それはまさに最初にお話ししたように、外側の形にとらわれて自分の内側の感覚と遠ざかっている状態なのです。

ヨガのバランスポーズで得られる効果

集中力を高める

呼吸を安定させ、視線を定めることで集中力が養われます。
バランスをとることしか考えないため、雑念を忘れて今に集中することができます。

体幹を鍛える

大まかにいうと、体を動かす筋肉は外側、体を支える筋肉は内側についています。
ヨガのバランスポーズは、外側はすらりとしたまま、内側の筋肉を鍛えることができます。

姿勢や歩き方を美しくする

体幹が鍛えられることで腹圧も高まり、自然な美しい姿勢が作られます。上半身の筋肉で上半身を支えることができると、下半身は負担なくスムーズに動けるため歩き方も美しくなります。

ヨガのバランスポーズを行う際の4つのコツ

ヨガは力ずくで行うものではありません。手だけ、脚だけを動かすのではなく、体の各パーツがすべてひとつながりに連携する意識を持って行いましょう。その意識をわかりやすくしてくれるのが呼吸です。
呼吸が全身を巡り、呼吸によって導かれるように体を動かすことで、体の異なるパーツを統合していく感覚が生まれます。特に太ももの内側、深部の腹筋、呼吸を同時に活性化することでバランスポーズに必要な軸が整います。

ヨガのバランスポーズの基本は、体に軸を作り、その軸を感じること。真っすぐな棒を支持基底面に自立させるように、丁度いいところを探ってみましょう。繰り返していくことで自然と体幹が鍛えられますよ。

目線のコントロール

目線が泳いでしまうことで、体のバランスが崩れやすくなります。目線を一点に定めることで心も安定し、それにともないポーズも安定してきます。

足裏のコントロール

足裏で体重を支えるポーズの場合、足の親指付け根、小指、かかとに均等に体重をかけることが重要です。前後左右に体重が偏ると、そのまま上体のバランスも崩れてしまいます。ただ床を押すのではなく、足裏から床を吸い込むような意識で土踏まずを引き上げると安定感が出てきます。

呼吸のコントロール

呼吸を整えることで、心身ともに落ち着き、バランスがとりやすくなります。不安定なポーズを取るときは、無意識のうちに肩をすくめたように首まわりが詰まりがち。耳と肩の距離を取るように肩を下げ、力みを抜いていきましょう。

心のコントロール

余計な力が入るのは、体だけでなく心の問題もあります。”私にはできない!”と思っているその思考が一番の原因であることが多いです。このポーズをするためには何が必要かを、自分の体と対話しながら探っていくことが大事です。体は、脳からの指令を受けて動きます。自分を信じて、バランスがうまくとれた姿をイメージしましょう。

体幹を鍛える!ヨガのバランスポーズ3選

それでは実際にヨガのバランスポーズにチャレンジしてみましょう。ストレッチ太陽礼拝などである程度体をほぐしてから行うことがベストです。ケガをしないように、まわりに危ないものがないかも確認しておきましょう。

木のポーズ

姿勢を整える木のポーズ
姿勢を整える木のポーズ

大地に根をはる木をイメージしてバランスをとるポーズです。体の中心軸を感じながら行うことでバランス感覚が養われ、姿勢を整える効果が得られます。

◾️実際にポーズをとってみましょう

難易度:普通

  1. 両足を揃えて真っ直ぐ立ち、両手は腰に当てます。徐々に左足に重心を移し、右手で右足を掴んで足裏を左ももの内側に当て、足裏と内ももで押し合います。
  2. 胸の前で両手を合わせ、右膝を外側に向けて斜め下に押し出します。左の足裏で床を踏みしめて胸を引き上げ、体を上下に伸ばします。
  3. 下腹部に力を入れて体を安定させ、両手を頭の上に伸ばします。
  4. 反対側も同様に行いましょう。

◾️木のポーズのポイント

伸ばしている膝は、しっかりと伸ばすのではなく、少し緩めることで揺れに対応できるようにして、肩のラインを床と平行にしましょう。
2.のときは骨盤が外側に押し出されないように、軸足のももの内側で足裏を押し返し、足裏と内ももの力を拮抗させることでお尻の筋肉を強化できます。

鷲のポーズ

肩こりも改善する鷲のポーズ
肩こりも改善する鷲のポーズ

両腕と両足を絡めて片足でバランスをとるポーズ。脚全体の筋肉がバランス良く使われるため、脚痩せ効果が期待できます。肩甲骨まわりや背中の筋肉をストレッチするため、肩こりも改善します。

◾️実際にポーズをとってみましょう

難易度:普通

  1. 両足を揃えて立ち、両手を腰に当てます。両ももの付け根を後ろに引きながら、両膝を軽く曲げます。
  2. 左足に重心を移し、右足を左足へ絡ませます。つま先をふくらはぎにかけ、両足を力強く絡めます。
  3. 下半身を安定させたまま、両腕を前方に伸ばし、左腕を上に重ねたら肘を曲げ深くクロスさせます。
  4. 両肘を曲げて左右の腕を絡ませ、手のひらを合わせます。背骨を長く伸ばし、両もものつけ根を後ろに引いて膝を軽く曲げます。
  5. 反対側も同様に行います。

◾️鷲のポーズのポイント

両手は手の甲を合わせるだけにしてもいいです。慣れないうちは手と脚を別々に練習してもいいでしょう。
尾骨は床に下げる意識で下半身を安定させましょう。

壮美のポーズ

スタイルアップ効果が期待できる壮美のポーズ
スタイルアップ効果が期待できる壮美のポーズ

軸足側のお尻を強化しながら、股関節を柔軟にするポーズ。腕、お腹、背中を伸ばすことでスタイルアップ効果が期待できます。

◾️実際にポーズをとってみましょう

難易度:難しい

  1. 足を揃えて立ち、右手を腰に当てます。右足に重心を移動させて左膝を曲げ、左手で足の甲を掴みます。左のかかとを左の坐骨に近づけ、ももの前側を伸ばします。
  2. 右の足裏で床を踏みしめ、左足を後ろに引き上げながら上体を前に倒していきます。
  3. 左足の甲で左手を後方に向かって押しながら、右腕を前方に伸ばします。左ももは内側に回し、膝を下に向けます。
  4. 反対側も同様にやってみましょう。

◾️壮美のポーズのポイント

上げた脚につられて後方に流れないよう、骨盤は正面を保ちます。前に伸ばした腕と床が平行になる意識を持ちましょう。

いかがでしたでしょうか?おうちで慣れないポーズに挑戦するのは心配…という方は、オンラインレッスンで先生にポーズを実際にチェックしてもらいながら行うと安心ですね。
ヨガではポーズが完成するかどうかよりも、その過程が大事。お手本と同じ形にならなくても、その形に近づけるよう自分の体の感覚を感じながら動いていくことで効果は出てきます。もし上手にポーズが取れなくても、そんな自分の状態も楽しみながら、内側の感覚を磨いていきましょう。

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