朝ランニングで生活改善!効果・走行距離・おすすめの時間帯を解説
監修者情報
浦谷 美帆
高校部活動でしたケガをきっかけに、身体の仕組みや機能について興味を持ち、進学。
フィットネスクラブ社員(専門職)を経て、フリーランスインストラクターに2014年転身。都内を拠点に、スポーツクラブでヨガや筋力トレーニング、企業従業員への運動指導、市民ランナーを率いてクラブ活動の運営などを行う。
■資格
・ヨガ、エアロビクスインストラクター
・パーソナルトレーナー
・ラビットフットランニングクラブ コーチ
・Salomon Outdoor Japan ランニングアンバサダー
・全米ヨガアライアンスRYT200
・食育インストラクターprimary
・ラビットフットランニングクラブ コーチ
・フルマラソン 2時間58分21秒(第39回大阪国際女子マラソン)
朝ランニングに期待できる効果とメリット
せっかく走るならより効果のある時間帯に走りたいですよね。ランニングをする時間帯によって効果は変わるのでしょうか?まずは、朝に走る効果や走る時間帯による効果の違いを解説します。
生活リズムが整う
朝ランニングで朝日を浴びると、「セロトニン」という生体リズムを調整する役割を持つホルモンが分泌されます。セロトニンが分泌されると、約14~16時間後に自然と眠気を感じるようになると言われています。生体リズムが整うとスムーズに眠りにつくことができ、睡眠の質も上がり、無理なく早寝早起きの習慣が身につきやすくなります。
ダイエットにつながる
朝のランニングはダイエット効果が高いと言われていますが、それにはふたつの理由があります。
ひとつ目は、脂肪燃焼効果が高いこと。睡眠から目覚めたばかりのときは体内の血糖値が低く、エネルギーも少ない状態です。そのため糖質とあわせて脂質も使われやすくなり、より効率的に脂肪を燃焼できるのです。
ふたつ目は、血行促進効果です。朝一番にランニングをすることで血流が良くなり、体温が上がると代謝が上がるだけでなく消化器官の働きも良くなります。続けることで腸内環境が整い、朝のお通じも規則的になるといった効果も期待できます。
1日のスタートを気持ちよく迎えられる
早朝に外に出ると、人や車の気配もまばらで静かです。朝独特のすっきりと澄んだ気持ちの良い空気を吸いながら運動するととても気持ちよく、充実感も得られるでしょう。朝から充実した気持ちになると「今日も一日がんばろう」と前向きな気持ちでスタートできます。
朝ランニングに最適な時間帯は起床30分後から
朝ランニングをするうえでおすすめの時間帯は、起きて30分経過したころです。朝起きてすぐは脳も体も十分に起きていないため、すぐに走りはじめるとケガにつながり危険です。
また、最適な時間帯は季節によっても異なります。冬は朝4時頃だと日の出前で外は暗く視界も悪いため、安全面も考慮して日の出前後の時間を目安にしましょう。夏は気温の上昇により熱中症のおそれもあるため、朝の比較的涼しいうちにランニングを行いましょう。
【目的別】朝ランニングに最適な走行距離&走行時間
ランニングは、目的によって取り組む時間や距離が異なります。ここからは、目的に合わせた走行距離や時間の目安を解説します。
楽しくランニングを続けたい方
楽しくランニングを続けたい人は、以下のポイントを意識してみましょう。
- 1回2〜3kmを15〜20分かけて走る
- 週に2日程度の頻度を目安にする
- 健康や体力づくりが目的であれば、早く走ろうとせず、フォームや呼吸を意識しながら軽く汗をかく程度にゆっくり走る
- まわりの景色を楽しみながら、心身ともにリラックスして走ることを心がける
ダイエットが目的の方
ダイエットが目的の方は、以下のポイントを意識してみましょう。
- 週に3日程度、1日に3~5kmほど走る
- ランニング初心者であれば、最初は3kmを20分ほどかけてゆっくり走る
(はじめから飛ばしすぎるときついと感じて挫折してしまったり、急激な運動によって膝や足首などが痛くなってしまう場合があるため注意)
- 深く呼吸をして効率よく酸素を体内に取り入れるために、「2回吸って2回吐く」呼吸リズムを意識する
フルマラソンに挑戦したい方
いずれフルマラソンに挑戦したい方は、そのレベルや目標によっても練習方法や日々の走る距離、時間が変わってきます。ここでは、フルマラソンに挑戦しようという方に向けた練習の頻度や距離をご紹介します。
- まずは1日30分のランニングからはじめ、習慣づいてきたら+5分、+10分と少しずつ走る時間を伸ばしていく
- 毎日走ると疲労が溜まってケガにつながる恐れがあるため、ランニングは毎日ではなく週に1~3回程度にとどめる
- 1日に1時間走れるようになったら、1時間で何km走れるか、今度は「距離」を意識する
フルマラソンの場合1時間~1時間10分で、最低でも10kmを走れるようにしなければなりません。徐々に距離を伸ばし、フルマラソンに備えた練習を重ねていきましょう。スマートウォッチがあると運動内容の記録や回復時間のアドバイスなどを行ってくれるため便利です。
朝ランニングを行う際の注意点
軽い準備運動をしてから走る
ランニングの前には、必ず軽い準備運動をしましょう。準備運動を行うことで関節の動きを良くしたり、筋肉をほぐすことができるため、ケガの防止と正しいフォームで走れるようになります。
準備運動は難しいメニューではなく、膝を曲げたり伸ばしたりする屈伸運動や、アキレス腱伸ばしを行ったり、手首足首をゆっくり回して動きやすい状態にしておきましょう。10分程度のウォーキングをして体を十分に温めてから走りはじめるのもおすすめです。
軽い食事を摂ってから走る
起床直後は、血糖値が低くエネルギーが少ない状態です。脂肪燃焼効果は高まるのですが、ランニングによってエネルギーを一気に使ってしまうと、糖質不足で頭痛やめまいを引き起こすことがあります。
そうならないためにも、走り出す前に消化が良く、適度に糖質を補えるものを少し食べておくとよいでしょう。手軽に糖質をとれる果物やゼリー飲料、飴などがおすすめです。
ランニング直後は熱いシャワーを避ける
ランニング直後は体温が上がり心拍数も高くなった状態。そのまますぐに熱いシャワーを浴びると呼吸が早くなり、心臓に負担がかかります。ランニング後は汗を拭いて軽食をとるなど心拍や体温が平常に戻るまでゆっくり過ごして、シャワーやお風呂に入るのはそのあとにしましょう。
また、脂肪分解酵素「リパーゼ」は体温が高くなると活発に働きますが、体温が上がりすぎると逆に働きが鈍くなってしまいます。ダイエット目的の方はなおさら、ランニング直後の熱いシャワーやお風呂は避けましょう。
朝ランニングの効率を高めるおすすめグッズ
スマートウォッチ
GPS機能付きのスマートウォッチがあれば、走ったコースや正確な距離、時間を計測し、それを記録することができます。毎日記録をつけるとモチベーションアップや、タイムを上げるのに役立ちます。
また心拍数を計る機能があるものを使えば、持久力や体の強度アップを記録したり、健康管理もできるため、無理なく安全にランニングを続けられます。機能によっては、リカバリー時間のアドバイスなども得られるのでおすすめですよ。
速乾性に優れたランニングウェア
朝ランニングの効果を高め、より快適に行うためには、速乾性に優れたランニングウェアの着用がおすすめ。ランニングは季節を問わず汗をかく運動です。速乾性の高いランニングウェアを着ていれば、汗をかいても乾くのが早いので、不快感を軽減し長時間ランニングを行えます。
速乾性がない素材だと熱をため込みやすく、汗で蒸れて不快な状態になりがち。しかも、汗で濡れたままランニングを続けると体が冷えてしまうため注意が必要です。速乾性が高くさらりとした着心地のランニングウェアを持っておくことで快適にランニングを楽しめます。
ランニングを補助するスポーツタイツ
スポーツタイツは、テーピングに似たサポート機能があるため、ランニングをしているときの太ももの筋肉や脂肪の揺れを軽減し、無駄なエネルギー消費を抑えてくれます。筋肉や脂肪をしっかりサポートしてくれるため、着用しているだけで走りやすくなり、運動効率を上げてくれます。
また、着圧機能があるコンプレッションタイツは、圧力で程よい締め付け効果があり、血流が良くなることで脚への負担軽減が期待でき、特に長距離ランニングを行う際におすすめです。
朝ランニングで気持ちよく1日をスタートしよう
ダイエット目的なら、脂肪燃焼効果の高い朝のランニングがおすすめですが、ダイエット以外にも朝のランニングを習慣化することで、規則正しい生活リズムができたり、気持ちよく1日のスタートが切れたりとさまざまな嬉しい効果があります。注意点をしっかり守りながら、まずは1日3〜5kmからゆっくり走っていきましょう。