ヨガと睡眠の不思議な関係とは?睡眠の質を高めるために知っておきたい安眠のコツ
監修者情報
﨑山 紀子
医学博士 保健師
クリエイティブ業界、子育て支援活動等の社会人経験を経て産業看護職へ転身。大企業、中小企業と数多くの企業を担当し、健康経営に尽力。社員に寄り添い、企業の生産性向上に貢献できる産業看護職の育成に尽力している。主な活動・研究:睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査推進活動、健康起因事故の予防研究、等。
■所有資格
保健師/看護師/第1種衛生管理者/嚥下防止指導員/ソーシャルスキルトレーナー/メディカルアロマセラピスト/エキスパートヘルスコンサルタント
ヒトはなぜ眠るのか?
その理由は「脳や体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増進」「記憶の固定」「感情の整理」のためと言われています。
特に、深い睡眠は体内の修復や回復を促す成長ホルモンが多く分泌され、体内の代謝活動が活発になります。また、脳も休まり自律神経の働きが整うことから、ストレスからの回復を促進し、ストレスへの耐性を向上させると言われています。
適切な睡眠時間は?
ヒトの体にとって必要不可欠の睡眠ですが、適切な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか。
実は、睡眠時間には絶対的な基準はありません。睡眠時間は人それぞれであり、日中眠気で困ることがなければ十分であるというのが専門家の見解です。
しかし、睡眠時間は長すぎても短すぎても健康を損なうリスクを高める可能性があります。特に、睡眠不足の蓄積が、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)、うつ病などの精神疾患、認知症などの様々な疾患のリスクを高めてしまうと言われています。
また、年齢によって睡眠時間にも変化が表れます。加齢によって、睡眠に関わる血圧や体温、ホルモン分泌など多くの生体機能のリズムが変化することで、睡眠時間が短くなる傾向があります。
睡眠の質を下げてしまう理由は?
睡眠を妨げる、また睡眠の質を下げてしまう生活習慣には以下のようなものがあります。当てはまっているものはあるでしょうか?
- 就寝や起床時間が不規則
- 長時間の昼寝
- 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用
- テレビをつけながら眠る
- 寝室が明るすぎる
- ストレスや不安感など心理的な原因
このほかにも、カフェインを含む飲料やタバコによるニコチンによって脳が覚醒されることや、薬の副作用によって眠れないというケースもあります。
また、眠るためにアルコールを摂取すると脳の活動を低下させることで寝つきは良くなるものの、眠りが浅くなるため結果的に睡眠の質を低下させてしまいます。
睡眠障害
近年では睡眠不足だけが問題ではなく、睡眠の病気(睡眠障害)も増加しています。なんと、睡眠障害の種類は100種類近くもあり、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などが代表的です。不眠に悩む多くの方が訴える症状である「寝つきが悪く、30分以上経っても眠れない」「途中で目覚めて、なかなか寝付けない」「朝早くに目が覚めてしまう」「ぐっすり眠った感じがしない」といった状態が1ヶ月以上続くときは、何らかの睡眠障害に罹患している可能性があると言われています。
睡眠の質を高めるコツ
規則正しい生活
睡眠も生活習慣の一部です。規則正しい生活習慣を心がけるように、規則正しく睡眠の時間を取ることが重要です。睡眠のタイミングが定着することで、体が無意識に、前もってホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、質の高い睡眠につながります。
入浴時間
入浴は、就寝の2〜3時間前に済ませるのが理想的と言われています。就寝の時間にあわせて入浴の時間も定着できれば理想的ですよね。
就寝直前はスマートフォンやパソコンの使用を控える
スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは、可視光線の中でも最も強いエネルギーを持っています。就寝前に強い光が眼に入ると、脳は「朝だ」と判断し、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑制され覚醒し、寝つきが悪い、眠りが浅くなるといった睡眠の質を低下させる作用があります。
就寝前のスマートフォンが習慣になってしまっている方は、スマートフォンに変わる楽しみを見つけてみましょう!例えば、アロマテラピー、塗り絵、楽器の演奏、日記、瞑想はいかがでしょうか?もちろんヨガも楽しみの一つになります!
運動習慣
国内外の調査で、運動習慣がある人は不眠が少ないということが明らかになっています。運動は一回きりでなく習慣にすることで寝つきが改善していきます。
睡眠の質を高めるための運動のタイミングは、夕方から夜(就寝の3時間前くらいまで)が効果的です。軽い運動は脳の温度を一過性に上げ、その後睡眠時に脳の温度が下がることでスムーズな睡眠につながります。また、激しい運動はかえって睡眠を妨げてしまうため、負担が少なく長く続けられる有酸素運動がおすすめです。
睡眠の質を高めるためにヨガを役立てよう!
「負担が少ない有酸素運動」と言えば、ヨガです!ヨガは、ポーズを選んで行うことで負荷やリラックスの程度を調整しながら行うことができます。また、ヨガの深い呼吸は副交感神経を優位にし、体をより深いリラックスの状態に導くことができます。入浴の前後、または就寝前のスキマ時間を使って、簡単なヨガポーズをしてみましょう。
ヨガの習慣を長続きさせるのは難しい?
ヨガや運動は、「やったほうがいいのはわかっているけれど、なかなか続けられない」のが悩みですよね。そんな時はまず、気軽に参加できるトルチャのレッスンを生活に取り入れて、運動習慣を作ってみましょう!
また、自分ひとりでヨガをしていても正しくできているのか不安になることもありますよね。「どんなポーズをしたら良いか」「どんなことに気をつけてヨガをすれば安眠につながるか?」と言ったお悩みも、トルチャの安眠ヨガクラスにて、インストラクターの直接の指導で解決できます!
眠れないことは当たり前だと思って不眠のサインを見逃していませんか?
現代人の生活は睡眠不足や睡眠障害の原因が溢れています。そして、睡眠の問題は放置してしまうと別の心身の病気につながる可能性もあります。ヨガをはじめ、質の高い睡眠を手助けする方法は簡単にトライできて、日常の少しの気遣いで睡眠による十分な休養や回復を得ることができます。
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。心地よく眠るためにも、心と体を労わるヨガを生活に取り入れてみましょう!
ハピネスマガジンには、安眠ヨガのポーズを紹介している記事もあります。参考になさってみてください!