ゴルフ上達の近道は手首にあり!正しいフォームを理解する効果やポイントを紹介

監修者情報
正覺 友香里
ゴルフコーチ・ゴルフクラブアドバイザー
中学2年でゴルフを始め、高校で県大会優勝。ゴルフクラブアドバイザーやキャディとしての勤務経験を持ち、現在は初心者〜中級者向けにマンツーマンレッスンを行う。
元ドラコンプロで、九州のタイトルマッチ戦2位の実績あり。
■資格
USGTF(全米ゴルフ指導者連盟)ティーチングプロ
ゴルフスイングと手首の関係性


正覺 友香里
ゴルフスイングでは、手首の角度や動きがパワーとコントロールに大きく影響します。正しいコックと柔軟性を身につけることが重要です。
ゴルフスイングにおいて、手首はパワーとコントロールの両面に深く関わります。なかでも、スイング中に手首の角度を作る「コック」の動きは、ヘッドスピードや飛距離、さらにインパクト時の正確性に直結する重要な要素です。このコックを正しく使いこなすためには、手首の柔軟性が欠かせません。手首に十分な柔軟性があれば、クラブの動きがスムーズになり、無駄のない理想的なスイングに近づけます。
一方で、手首を必要以上に使いすぎると、フェースの向きが不安定になり、スライスやフックなどのミスを招くことも。また、手首や肘に余計な負担がかかり、腱鞘炎などのケガにつながるリスクもあるため注意が必要です。
なお、パッティングでは手首の動きは極力使わず、肩の動きを中心としたストロークを行うため、ここでの手首との関係性は当てはまりません。
ゴルフクラブの正しい握り方

ゴルフスイングの基本となるのが、クラブの握り方です。グリップが不安定だと、スイングの軌道やクラブフェースの向きが乱れ、正確なショットにつながりません。まずは、自分に合った握り方を知ることが重要です。
代表的な握り方は次の3種類。それぞれの特徴を理解し、自分の手の大きさや握力、スイングスタイルに合ったグリップを選びましょう。
グリップの種類 | 特徴 |
---|---|
オーバーラッピング | 右手の小指を左手の人差し指に重ねる握り方。標準的で多くのゴルファーに使われる。 |
インターロッキング | 右手の小指と左手の人差し指を絡める。手が小さい人や握力が弱い人におすすめ。 |
テンフィンガー(ベースボール) | 両手すべての指で握る方法。力を入れやすく、初心者や非力な人にも向いている。 |
また、クラブを握ったときにフェースが真っすぐ目標に向くように、手首の角度にも気をつけましょう。握り方によってフェースの向きがズレてしまうと、まっすぐ飛ばない原因になります。
ゴルフスイングにおける正しい手首の使い方

ゴルフスイングでは、手首の動きがクラブの軌道やスイング全体のリズムに大きく関わります。
バックスイングでは、クラブを振り上げる動きにともなって手首が自然と曲がって角度がつきます。これを「コック」と呼び、スイングに必要なパワーをためる動きとしてとても重要です。
インパクト後のフォロースルーでは、その勢いを活かして手首がスムーズに返ることで、ヘッドの抜けが良くなり、再現性の高いスイングにつながります。
ただし、手首の動きを意識しすぎると、余計な力が入り、かえってフォームが乱れる原因になることも。重要なのは、正しいグリップや体重移動、肩・腰の回転といった体全体の動きに合わせて、手首が自然に連動するようにすること。意識しすぎず、全身の流れの中で手首が無理なく動く状態を目指しましょう。
ゴルフで重要な「手首の角度」を維持する3つのポイント

スイング中に手首の角度をしっかり維持できると、インパクトの精度が上がり、方向性や飛距離の安定にもつながります。ただし、少しのズレが大きなミスにつながることも。ここでは、手首の角度を保つために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。グリップ、コック、下半身の使い方を見直して、より安定したスイングを目指しましょう。
正しいグリップか確認する
手首の角度を安定させるには、まずクラブの握り方が正しいかをチェックすることが大切です。グリップがズレていたり、余計な力が入っていると、スイング中に手首の角度が崩れやすくなり、ミスショットの原因になります。
特に初心者の人は、先ほど紹介した3つの握り方(オーバーラッピング、インターロッキング、テンフィンガー)を参考に、自分に合った握り方ができているか一度見直してみましょう。
バックスイング時のコックを意識する
バックスイングとは、クラブを後方に振り上げる動きのことです。この動作の終点にあたる「トップ」では、手首に自然な角度(コック)がついているのが理想的な形です。体格やスイングスタイルによって多少の違いがありますが、トップで手首に90度程度の角度がつくように意識しましょう。
このコックがしっかりできていないと、クラブの力がうまく伝わらず、スイングが安定しません。体の回転と連動して自然にコックが入るように意識することで、ダウンスイングの動きがスムーズになり、ヘッドスピードも向上しやすくなります。
ダウンスイング時の下半身に注目する
インパクトまで手首の角度をキープするには、ダウンスイング時の下半身の動きが非常に重要です。上半身から動き出してしまうと、トップで作ったコックが早くほどけてしまい、パワーが逃げてしまいます。
下半身からリードすることで、コックを維持したままクラブを下ろしやすいため、力強く効率のよいスイングが可能になります。
また、下半身が硬いと動きにくくなるだけでなく、腰への負担が大きくなり、腰痛の原因にもなりがちです。股関節や腰まわりの柔軟性を高めるストレッチも、日常的に取り入れておきましょう。
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ゴルフで手首を正しく使うならゴルフレッスンもおすすめ

ゴルフでは、手首の使い方ひとつをとっても専門用語や意識するポイントが多く、独学ではつまずきやすいこともあるでしょう。特に初心者の場合、自己流のフォームで続けてしまうと、知らないうちに間違った動きがクセになりやすく、それが原因で手首や腰を痛めるリスクも。
そうしたトラブルを防ぎ、効率よく上達するためには、早めにゴルフレッスンを受けるのがおすすめです。プロの指導のもとで、正しいフォームや手首の使い方を身につければ、無理なく安定したスイングが習得できるようになります。ゴルフ初心者や今のスイングを見直したい方は、まず一度レッスンを体験してみるとよいでしょう。
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ゴルフと手首の角度に関するよくある質問
プレー中手首がグニャグニャになるのはなぜ?
スイング中に手首がグニャグニャと不安定になるのは、動作を意識しすぎるあまり、かえって力が入らなかったり、手首をうまく使いこなせていない可能性があります。
大切なのは、余計な力を抜きながらも、クラブを安定してコントロールできる適度な緊張感を保つことです。まずは正しいグリップとフォームを見直し、自然な脱力感でスイングできるよう心がけましょう。
手首が痛い場合はどうしたらいい?
プレー中に手首に痛みを感じたら、まずは無理をせずゴルフを中断することが大切です。痛みがある状態でスイングを続けると、悪化して長引く可能性があります。安静にしても3日以上痛みが引かない場合は、整形外科やスポーツ整形を受診しましょう。
また、再発や予防のためには、プレー時に手首用のサポーターを使うのも効果的です。あらかじめ備えておくことで、安心してスイングに集中できます。

正しい手首の使い方で、ゴルフのスイングをもっと安定させよう
手首の使い方を見直すことで、スイングの安定感や再現性は大きく向上します。正しいグリップから始まり、バックスイングでのコック、下半身主導のダウンスイングまで、手首の角度を意識するポイントは多くありますが、無理なく自然に動かせるフォームが理想です。
初心者の方はゴルフレッスンを活用しながら、自分のスイングを客観的にチェックしてみるのがおすすめです。正しい知識と練習を積み重ねることで、スイングの精度が高まって無駄なミスが減り、ゴルフ本来の楽しさをより味わえるようになるでしょう。