【ヨガ】ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)の効果とは?やり方やバリエーションをご紹介

【ヨガ】ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)の効果とは?やり方やバリエーションをご紹介

ヨガレッスンで必ずといっていいほど登場する「ダウンドッグ」。立った状態でポーズを行う際、休憩に挟まれることが多いポーズですが、下向きのままで静止する時間が長いため「これで合ってる?」と心配になることも。今回は、おうちでできる”ダウンドッグの効果とコツ”をお伝えします。ポーズのコツを理解して、安心してダウンドッグを楽しみましょう!慣れてきたら、ちょっと難しいバリエーションにもチャレンジしてみては?

監修者情報

坂本 真由美

坂本 真由美

ヨガ講師、ライター、風水師、占星術師

2013年からフリーランスのヨガインストラクターとして活動。大手フィットネスクラブのレッスンを担当したり、自宅からのオンラインレッスンを開催中。
「シンプルで、自然に沿った暮らしを楽しむ」をテーマに、風水や星の動きを生活に取り入れている。

■資格

・全米ヨガアライアンス(RYT200)
・IHTAヨガインストラクター1級
・Yoky風水プラクティショナー
・空間Detox®インストラクター
・Astroratio USA Academy認定占星術師

ダウンドッグとは?

ダウンドッグとは「下向きの犬のポーズ」もしくはサンスクリット語で「アドームカシュヴァーナーサナ」とも呼ばれるヨガの中でもかなり有名なポーズです。アドは下方向、ムカは向かう、シュバは犬、アーサナはポーズを表しています。

ヨガの太陽礼拝の際に途中休憩のポーズとして行われるため、ヨガ経験者なら一度は行ったことがあるのではないでしょうか。背中や腰を気持ちよく伸ばせるポーズですが、中には「体が硬くて気持ちいいなんて思えない」という方も。ダウンドッグを気持ちよく行うために、正しいやり方やコツを知りたいですね。

まずはダウンドッグで得られる効果から確認していきましょう。

ダウンドッグに期待できる3つの効果

ダウンドッグは、逆立ちなどができない方でも体の上下を逆転させることができるため、以下の効果が得られます。

  • 血行不良の改善
  • 全身をストレッチできる
  • 筋力アップ

上記3つの効果について、具体的に見ていきましょう。

血行不良の改善

ダウンドッグは穏やかな逆転のポーズです。普段は上にある頭が腰よりも下にくることで血流が刺激され、全身の血行を良くする効果が期待できます。血行が良くなることで、つらい首こりや肩こりなどの解消にもつながります。

全身をストレッチできる

ダウンドッグは主に体の背面を伸ばすポーズですが、正しく行うことで体の側面全体である体側、太ももの裏側のハムストリングス、ふくらはぎなど全身をストレッチできるポーズです。

胸を開いて深い呼吸を行いながら脚の付け根を強く引き上げることで、お腹もストレッチされるため下腹の引き締め効果も期待できます。

筋力アップ

ダウンドッグは普段とは異なる姿勢で手足を使って体を支えるため、インナーマッスルの筋力アップにも効果的です。姿勢を維持するための腸腰筋や、腕で体を支えるための前鋸筋などが鍛えられます。

インナーマッスルが鍛えられると普段の姿勢が良くなるほか、基礎代謝の向上も期待できます。

【基本】ダウンドッグのポーズのやり方を解説

まずは、基本となるダウンドッグのポーズを丁寧に行っていきましょう。肩まわりや背中がしっかり伸びることにより、股関節まわりもほぐれていきます。脚の付け根をしっかり引き込んで、股関節が90度以上開かないようにしましょう。

ダウンドッグのやり方

難易度:普通
  1. 四つん這いの状態になります。肩の真下に手首、腰の真下に膝をつきましょう。
    四つん這いの状態になります。
  2. 両手を肩の真下から手のひらひとつ分前に置きます。体が三角形になるようなイメージで行います。
    両手を肩の真下から手のひらひとつ分前に置きます。
  3. 両つま先を立て、吐く息でお尻をかかとへ下げます。おへそを背骨の方へ引き込みお腹を薄くしたまま、両手でしっかりと床を押しながら肘と脇を伸ばします。
    両つま先を立て、吐く息でお尻をかかとへ下げます。
  4. 腰から指先まで一直線のまま、吸う息で腰を天井方向に引き上げます。両膝は伸び切らなくて構いません。お腹は薄くしたまま、縦におへそを伸ばすように引き上げましょう。
    腰から指先まで一直線のまま、吸う息で腰を天井方向に引き上げます。
  5. 吐く息で両かかとを床に下ろして、目線をおへそもしくは脚の付け根に向けます。かかとを床に下ろすと股関節の角度が90度以上になる場合は、かかとは下ろさず股関節、膝、足首を曲げて背中と腰を伸ばすことを優先しましょう。
    吐く息で両かかとを床に下ろして、目線をおへそもしくは脚の付け根に向けます。

■基本のダウンドッグのポーズのポイント

4では床の一点を見て、脇を伸ばしたまま頭が前後しないようにして腰を引き上げます。

【応用】ダウンドッグのポーズのバリエーション3選

易しいポーズから、ちょっと難しいバリエーションまで以下3つのポーズをご紹介します。

  • 子犬のポーズ
  • 一本足のダウンドッグのポーズ
  • 片手片足のダウンドッグのポーズ

体の中心軸を意識しながら行ってみましょう。

子犬のポーズ

背骨や肩関節まわりをストレッチできる子犬のポーズ
背骨や肩関節まわりをストレッチできる子犬のポーズ

ダウンドッグが苦手な方は、まずこのポーズから練習しましょう。背骨や肩関節まわりをストレッチできます。胸を開くため、呼吸器系機能の改善にも役立ちます。

子犬のポーズのやり方

難易度:易しい

  1. 四つん這いの状態になり、骨盤の真下に両膝をついて、両つま先は立てておきます。
  2. 両手を正面方向に歩かせ、額を床につけ胸を床に近づけます。
  3. 肘が床につかないようにして、腰をかかと方向に引いて背骨や脇の伸びを感じます。

■子犬のポーズのポイント

腰が後ろに行き過ぎたり、肩が床の方向に下がってしまうと肩関節まわりのストレッチ効果が減ってしまいます。お尻を後ろに倒さないようにしましょう。

一本足のダウンドッグのポーズ

しっかり脇を伸ばして床を押すことと、それと同じくらい腰を引き上げて行う一本足のダウンドッグのポーズ
しっかり脇を伸ばして床を押すことと、それと同じくらい腰を引き上げて行う一本足のダウンドッグのポーズ

基本のダウンドッグに慣れたらチャレンジしてみましょう。しっかり脇を伸ばして床を押すことと、腰を引き上げていることがポイントです。上げた脚の膝を曲げるバージョンもありますが、今回は骨盤の向きを変えずに、体幹を意識したバージョンで行ってみましょう。

一本足のダウンドッグのポーズのやり方 

難易度:普通

  1. 基本のダウンドッグのポーズをとります。
  2. 吸う息で右足を天井に向かって引き上げます。
  3. 4~5呼吸ほど自然な呼吸を続けます。骨盤は床と平行にし、おへそが上げた脚側に向かないようにしましょう。
  4. 吐く息で右足を元の位置に戻し、基本のダウンドッグに戻ります。
  5. 左足側も同様に行います。

■一本足のダウンドッグのポーズのポイント

上げている足先に意識が行き過ぎるとふらつきます。おへその辺りに意識を集中させ、そこから全身に力がいきわたるように呼吸を送り込んでいきましょう。

片手片足のダウンドッグのポーズ

一本足のダウンドッグと同様に、体幹をしっかり使えているかがポイントになります。腕だけ、脚だけでなく、全身をひとつながりにして伸ばすことでバランスがとりやすくなります。

片手片足のダウンドッグのポーズのやり方

難易度:難しい

  1. 基本のダウンドッグのポーズをとります。
  2. 両足の位置を一歩程度前に進めて、基本のポーズより少し小さいダウンドッグになります。つま先立ちでなく、しっかりかかとまで下ろせる位置でポーズをとりましょう。
  3. 吸う息で、右足を床と平行になるように後ろ側へ持ち上げます。
  4. バランスをとりながら自然に呼吸し、左手を左足のすねに添えます。
  5. 4~5呼吸したら吐く息で基本のダウンドッグに戻ります。
  6. 左足側も同様に行います。

■片手片足のダウンドッグのポーズのポイント

床を押すだけでなく、床を押すだけでなく、おへそを背骨のほうに引き上げてバランスをとりましょうバランスをとりましょう。床についた足の親指側が浮かないよう、脚を前後に開きながらも内ももが開かないように意識しましょう。

ダウンドッグができない原因と対策を紹介

ダウンドッグに挑戦している方で下記のお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

  • 手が痛いケース
  • 手が床にしっかりつかないケース
  • 膝を伸ばすと背中が丸まるケース
  • ポーズ中に呼吸が続かないケース

このようなお悩みは、原因と対策を追求することで解決に導けます。正しいやり方を理解してダウンドッグで期待できる効果を高めていきましょう!

手が痛いケース

肩が背中側に出ていると、全体重が手首にかかって痛めてしまうことも。しっかりと脇を伸ばして、重心を後ろに移動させましょう。膝は曲がってもいいので、手首から尾骨を一直線にしましょう。

手が床にしっかりつかないケース

手が床につかない場合は、かかとを無理に床につけようとせず、つま先立ちでしゃがみ、手で床を雑巾がけするイメージで押してみましょう。

膝を伸ばすと背中が丸まるケース

ダウンドックが苦しい!という方に多いのが、ハムストリングスが硬くて脚の付け根が開いてしまっている状態。脚の付け根をしっかり曲げないと、体が前のめりになり、背中が丸まってしまうことも。膝を曲げることでまずはこの問題を解消させ、背中や腰の伸びを意識しましょう。

ポーズ中に呼吸が続かないケース

首と肩が詰まっていると、呼吸が浅くなります。腕でしっかりと胴体を支えるようにして安定させ、首の長さを出します。鎖骨を左右に離し、肩幅を広く出すようにして呼吸しましょう。

上記の点に注意しながら、改めてダウンドッグを行ってみましょう!なんとなく形を真似ているだけのときより、自信をもって取り組むことができるはずです。

ダウンドッグに関するQ&A

ここではダウンドッグを行うにあたって気になる質問に回答していきます。いつも何となくやっているけれど、そういえばはっきりとはわからないな…という疑問があれば、ここで解消していきましょう!

ダウンドッグは何秒やればいい?

ダウンドッグのポーズのキープ時間の目安は4~5呼吸といわれています。自分のゆったりとした呼吸に合わせれば良いのですが、何秒くらいか気になる方はだいたい10秒程度を目安に行うと良いでしょう。もちろん、心地よいと感じるのであればそのままポーズを継続しても問題ありません。

ダウンドッグの禁忌は?

ダウンドッグは頭と腰が逆転するポーズです。血流が逆転してしまうおそれがあるため、生理中に行うことはあまりおすすめできません。もともと生理痛の症状が重い方などは特に避けたほうが良いでしょう。
血圧が高めの方や貧血がある方も、ダウンドッグでクラクラしてしまうことがあります。頭の上げ下げを急に行わず、緩やかに呼吸とともに行うことで改善される場合もありますが、念のため主治医にポーズを行ってもよいか相談しておくと安心です。
手首にケガや痛みのある方は、ダウンドッグにより悪化してしまう可能性があるため、治癒するまでは避けたほうが良いでしょう。

ダウンドッグの効果とコツを知ってポーズを安定させよう

ダウンドッグがヨガレッスンで頻繁に使われるのは、体幹でしっかり全身を支える基本のポーズだから。実際にポーズをとってみて、その効果をより感じられたのではないでしょうか?

安定してダウンドッグができるようになると、ほかのヨガポーズでも体を支える軸をつくることができます。ヨガポーズだけでなく、日常の姿勢も楽になりますよ。

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