寝る前におすすめ!自律神経を整える簡単ヨガポーズ5選・やり方とその効果
監修者情報
槇村 糸
監修
幼少時代からバレエを始め、ダンサーとして舞台活動を行う。現在はフリーランスのフィットネスインストラクターとしての活動も行っており、公共施設や教育機関などで子ども〜成人に向けたヨガ、バレエ、ボディメイクなどのレッスン指導を行う。
■所有資格:日本ヨガインストラクター協会2級
日々の疲れを残してしまうと、体にどんな影響があるの?
忙しさから、自分の時間をあまりとることができず、全てをやり切った時には疲れたままベッドに倒れ込むように寝てしまう…翌朝起きても疲れは残ったまま…それでも家族の食事の支度のために早くから起きて1日がはじまる…そんな方も多いのではないでしょうか。
でも、その『疲れ』を残したままにするのは体に良くありません。疲労感は自律神経の乱れにつながります。
自律神経が乱れてしまうと、イライラする、体のだるさ、眠りが浅くなる、便秘、多汗などの不調を引き起こしやすくなるので、日頃から意識して改善していくことが大切です。
自律神経のバランスが崩れると心身の不調が起こりやすくなる
自律神経には交感神経と副交感神経という二つの神経があり、交感神経は興奮の神経、副交感神経は鎮静の神経と言われています。
活動的になっている状態のときは交感神経が優位に働いていますが、反対に眠くなったりリラックスした状態のときは副交感神経が優位に働いています。
ストレスや疲労が蓄積していくと交感神経が優位に働きますが、交感神経が過剰に働く状態が続くと心身の不調を引き起こしやすくなります。
そうならないためにもストレスや疲れをとり、自律神経の乱れを整えることが大切ですが、『良質な睡眠』をとることも大切です。より良い睡眠をとるために、副交感神経の働きを高めてリラックスした状態をつくっていきましょう。
良質な睡眠をとるために、副交感神経を優位に働かせましょう
副交感神経の働きを高めるために良いとされていることは『マッサージ』『リラクゼーション音楽を聞くこと』『読書』『入浴』『ストレッチ』『ヨガ』などですが、最も簡単に副交感神経を高め、自律神経のバランスを整える方法は『深呼吸』だと言われています。
深い呼吸をしながら寝る前にヨガを行うことで、全身をリラックスさせ、良質な睡眠をとることに繋がります。
しっかりと呼吸をとりながらヨガを行い、副交感神経の働きを高め、過剰に活動している交感神経の働きを鎮めることで自律神経の安定につなげていきましょう。
寝る前にヨガを行うことで、血流が良くなり代謝が上がって脂肪を燃焼させる効果も期待できますので、忙しい日々を送る方こそ、寝る前にヨガを取り入れてみてください。
寝る前にベッドの上でできる、ヨガのポーズを5つご紹介
①合蹠(がっせき)のポーズ
座った状態で足の裏を合わせ、上体を斜めに前屈させるポーズです。
股関節周りの筋肉をゆるめることで股関節が心地良く伸び、リンパの流れが向上することで日中の疲れをやわらげることができます。骨盤のゆがみを調整する効果もありますので、体が温まり冷え性改善も期待できます。骨盤が整うことで血流が良くなり、内臓機能の向上にも繋がります。
実際にポーズをとってみましょう
- 体育座りのような姿勢から両膝を左右に開いていきます。
- 足の裏を合わせ、離れないように両手で足先を固定します。
- 吸う息で背筋を伸ばし、息をゆっくり吐きながら上体を前に倒します。
合蹠(がっせき)のポーズのポイント
- 頭から倒していくのではなく、背筋をなるべく伸ばしたまま倒すことを意識しましょう。
- 無理に体を倒すと効果が得られないほか、ケガにもつながります。
- 無理のない範囲で続けることで、柔軟性の向上が期待できます。
②ガス抜きのポーズ
名前のとおり、身体の中のガスが抜けるイメージをしながら行うポーズです。
呼吸に合わせてゆっくりと下腹部に刺激を与えるので、腸へ適度な刺激を与えることができ、血流が良くなることで、老廃物の排泄や便秘の改善などの効果を得ることができます。
ダイナミックな動きではないので、ベッドの上で簡単に取り入れることができるポーズです。
腰痛をやわらげる効果も期待できますので、普段長時間同じ姿勢で仕事をしている方にもおすすめです。
実際にポーズをとってみましょう
- 仰向けに寝そべった状態で、両膝を両腕で抱えます。
- 大きく息を吸い、下腹部を膨らませます。お腹を太ももに近づけるようなイメージです。
- 吐く息で抱えている太ももを胸に引き寄せていきます。
- 膝を少しゆるめながら、吸う息でもう一度下腹部を膨らませます。
- 呼吸に合わせて、そのまま5回行いましょう。
ガス抜きのポーズのポイント
吸う息でお腹を膨らませませて、吐く息の時は太ももで下腹部を刺激するように胸に近づけます。
呼吸を意識してお腹を動かすことで、腸への刺激を与えて便秘防止やガスだまりによるおなかの張りを予防できます。
大きく呼吸することで自律神経の副交感神経も高まり、ストレス軽減も期待できます。
③チャイルドポーズ
正座の状態から、両手を正面に伸ばして前屈するような姿勢です。ヨガではポーズとポーズの間の休憩に行うことが多いです。
二の腕、脇の下、背中を気持ち良く伸ばすことができるだけでなく、背中から腰にかけてストレッチすることができます。お母さんのお腹の中にいたときの姿勢に近いことから、安心感を得られるとも言われています。
深呼吸をしながら行うことで、自立神経のバランスを整え、疲労回復や精神安定などの効果を得ることができます。疲れているのになかなか寝付けないときにも、おすすめのポーズです。
実際にポーズをとってみましょう
- 正座し、息を吸って顎を少し引き、背筋をピンと伸ばしましょう。
- 息を吐きながら上半身をゆっくり倒します。
- おでこを床につけ、両手は床につけ正面方向に伸ばします。
- 首や肩の力を抜いて、体の重さに身を任せてリラックスしましょう。
- ポーズが整ったら、ゆっくりと5回程度呼吸を繰り返しましょう。
チャイルドポーズのポイント
ポーズが安定したら、しっかりと呼吸をとるようにしましょう。
起き上がる時は頭が最後になるように、ロールアップでゆっくりと上体を起こしていきます。
正座のポーズをする際に膝に違和感があったり、太ももが張ってしまう方は、太ももとふくらはぎの間にブランケットなどを挟むことでゆとりを持たせ、ポーズがより快適になるようにしましょう。
④ワニのポーズ
骨盤のゆがみを整える効果が期待できるので、特に女性にはおすすめのポーズです。
体側とお尻、腰周りのストレッチをすることで血流を良くし、老廃物の排出を促す効果があります。また、体をひねる動きを行うことでウエストシェイプアップの効果も期待できます。
静かな動きですが、正しくおこなうことでお尻、腰、ウエスト、背中、首、肩まわりなど多くの部位に働きかけることができるポーズとなります。
実際にポーズをとってみましょう
- 仰向けの状態で手の平を床に向け、両手を真横に広げ、両膝を立てます。
- 両膝を揃えたまま足裏を床から離し、膝を90度に曲げ、スネと床が平行になるようにします。
- 両膝を揃えたまま、両膝を右側の床に倒します。
- 視線は左側に向け、左肩が床から離れないように注意します。
- 心地よい姿勢になったら、5呼吸程度キープします。
- 反対側も同様に行います。
ワニのポーズのポイント
膝は無理に床につけなくて構いません。
肩が床から離れないように意識し、腰とお尻のストレッチを気持ち良く感じていきましょう。
顔は脚と反対に向けることで首筋のストレッチになります。
首と肩周りをほぐすことで、翌朝にはスッキリと感と感じられます。
⑤シャバーサナ
究極のリラックスポーズと言われるシャバーサナ。ただポーズを行うだけでなく、目を閉じて頭の中をクリアにし、今の自分を感じていくようにしましょう。
体は今、どんな状態でしょうか?心は今、どんな状態でしょうか?
今日一日を頑張った自分を見つめながら、ヨガで心と体を癒し、翌朝の活力に繋げていきましょう。
実際にポーズをとってみましょう
- ベッドの上で仰向けの状態になります。
- 両手は対側に伸ばし、脇の下に卵1つ分程度のスペースを空けます。
- 手のひらは天井方向に向けリラックスします。
- 両脚は肩幅よりも少し広く開きます。
- 体を真っ直ぐに整え、肩の力を抜き、顎を軽く引きます
- ゆっくりと目を閉じ、全身の力を抜き、ベッドに体を沈めるイメージをしていきましょう。
- 少し長めに、2分程度そのまま行います。
シャバーサナのポイント
難易度としてはとても易しいポーズですが、悩み事などの雑念を一度手放すことがとても大切です。
シャバーサナをしている間は、眉間の力を抜き、歯の噛み締めもゆるめるようにしましょう。
全身の力を抜き、リラックスした状態で、自然呼吸をしていきます。
シャバーサナを行うと、徐々に副交感神経が優位な状態になっていきます。
そのまま寝ることがおすすめですが、起き上がる際には体を左右どちらかに倒し、両手で体重を支えながら頭が最後に起き上がるようにして上体を起こします。
寝る前にヨガを行った後はそのまま眠りにつきましょう
寝る前にヨガを行うことで、副交感神経が優位に働く状態になることができます。その状態のまま眠りにつくことで良質な睡眠を得ることができるでしょう。
ヨガを行いリラックスした状態になった後に、スマートフォンの強い光などを見ることはなるべく避けましょう。交感神経が刺激されてしまうので就寝前には控えることをおすすめします。
寝る前のヨガに慣れてきたら、もっと本格的なヨガにチャレンジするのはいかがですか?
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