正しい鎖骨マッサージの手順|リンパつまりを解消するには?
監修者情報
山本 信子
ヨガ講師・ライター
2015年にヨガの聖地であるインドのリシュケシュにて資格を取得。
夫の駐在に帯同したインドネシアで日本人、インドネシア人の女性向けにヨガレッスンを行う。
インナーマッスルを鍛える動きのあるレッスンが得意。マタニティヨガ、子連れヨガクラスの指導経験あり。
■資格
・全米ヨガアライアンス(RYT200)
・キッズヨガ指導者養成講座修了
鎖骨のリンパがつまる原因は筋肉の凝り
指先や肘だけの小さな筋肉ばかりを使うスマホ操作やパソコン作業をしていると、肩や背中に過剰な力が入ってしまい、肩や首まわりの筋肉が凝り固まってしまいます。筋肉が硬くなると、体内の老廃物を回収・排出してくれるリンパの流れが滞ってしまうのです。リンパがつまることで女性を悩ませるむくみを引き起こし、結果的に鎖骨が隠れてしまう要因となります。スマホやパソコンを頻繁に使う方は、意識的に鎖骨まわりのリンパマッサージを取り入れて、筋肉の凝りをほぐしながら華奢(きゃしゃ)見えする首やデコルテを手に入れましょう!
鎖骨とリンパの関係性とリンパマッサージによる3つの効果
リンパマッサージは、正しい手順で行うことで高い効果が期待できます。ここでは、鎖骨とリンパの関係性、そしてリンパマッサージで得られる効果について解説します。
- 鎖骨リンパ節は老廃物の出口
- リンパマッサージによる3つの効果
一つずつ確認していきましょう。
鎖骨リンパ節は老廃物の出口
鎖骨まわりにあるリンパ節は、全身から回収した老廃物の出口のようなものです。つまり、マッサージによって鎖骨リンパのつまりを解消して全身の老廃物を流すと、むくみ解消&デコルテの華奢見えが期待できます。
リンパマッサージによる3つの効果
リンパマッサージの主な効果は、次の3つです。
- 自律神経を整える
- 老廃物排出による免疫機能向上
- 血行促進によるダイエット効果
リンパマッサージをすると、ストレスなどにより活発化する交感神経を緩和できるため、自律神経が整い、ストレス軽減効果が期待できると言われています。また、リンパマッサージでリンパの流れを良くして老廃物を外に出すことは、免疫機能向上にもつながります。
さらに、リンパの流れが整うと、全身の筋肉が柔らかくなり血行も良くなります。血行が良くなることで新陳代謝も活発になるため、ダイエット効果も期待できます。ダイエットをより効果的に行うためにも、リンパをしっかり流していきましょう。
リンパのつまりを解消する鎖骨マッサージのやり方
全身から集められた老廃物はリンパ管を通って、最終的に鎖骨のくぼみの奥にある静脈へ流れ込んでいくため、鎖骨リンパは全身のリンパマッサージをするうえで最も重要なポイントです。体の各部位のリンパマッサージを行う場合も、必ず鎖骨リンパマッサージを組み合わせることがおすすめ。
鎖骨リンパマッサージを行う際、皮膚への過度な摩擦を避けるため、マッサージオイルやクリームなどを準備してから始めましょう。また、首の筋肉は他の筋肉と比べてとても繊細です。マッサージの際には細心の注意を払ってくださいね。
ステップ1.鎖骨の上側を肩から中央に向かってさする
まずは、指先を使って鎖骨の上側からほぐしていきましょう。ポイントは力を入れすぎず、やさしく行うことです。ゆっくりと丁寧に行いましょう。
難易度:易しい
- 鎖骨を人差し指と中指で挟むようにして、肩に向かって細かくスライドさせながらほぐしましょう。片方の鎖骨を終えたらもう片方も行ってください。
- 次に、手のひらを左側の鎖骨の上に当て、肩先から中央に向かってやさしく1分間さすります。
- 同じように右側の鎖骨も行います。もし途中で皮膚が赤くなったり痛みを感じたりしたら途中で休憩しましょう。
ステップ2.鎖骨の下をわきに向かってさする
次に、鎖骨の下側を、わきの下にあるリンパに向けてやさしくマッサージしましょう。
難易度:易しい
- 左側の鎖骨の下側を右手の平で、胸の真ん中からわきの下に向かって1分間やさしくさすります。
- 同様に右側の鎖骨も行います。
ステップ3.首のリンパを上から鎖骨に向かってさする
最後は、首のリンパを鎖骨に向けて流すマッサージです。
難易度:易しい
- 右手を左耳の下に置き、鎖骨のくぼみにむかってなでおろしましょう。
- 右の手のひらを首の左側の付け根部分にあて、肩先に向かいやさしくさすります。肩先まで届いたら、鎖骨のくぼみにむけて流しましょう。
- 1と2のマッサージを左右1分間程度行います。
リンパマッサージの効果増大!肩甲骨エクササイズ
ここからは、鎖骨リンパマッサージの効果を高める肩甲骨エクササイズを3つご紹介します。
- 肩甲骨まわりをゆるめるエクササイズ
- 肩甲骨まわりをほぐすエクササイズ
- 肩甲骨まわりから鎖骨まわりをほぐすエクササイズ
それぞれ正しいやり方やポイントを解説します。
肩甲骨まわりをゆるめるエクササイズ
鎖骨を自然な位置に戻すために、肩や腕の関節“本来の動き”を取り戻しましょう。鎖骨は肩甲骨(けんこうこつ)と強く連携しているため、肩甲骨とその周辺の筋肉が硬く縮こまっていると肩の関節も動きづらくなります。肩から鎖骨まわりをスムーズに動かすため、筋肉をゆるめて正常な状態に戻してあげましょう。
難易度:易しい
- 右手を握って前にまっすぐ突き出して、左手で鎖骨を触ります。
- その状態で、伸ばしている右手をできるだけ前に突き出しましょう。
- 右手を前方に伸ばしたまま、右肩を後方に引きます。肩甲骨を後ろに寄せるイメージで引けるところまで引きましょう。
- 1〜3を繰り返し、反対側も同様に行いましょう。
肩甲骨まわりをゆるめるエクササイズのポイント
手を前に突き出すときは、腕と肩の高さが同じ高さになるように意識しましょう。右肩を後方に引く際は、肩甲骨を引いていくイメージです。鎖骨が前後にどれだけ動くかを確認しながら行いましょう。
肩甲骨まわりをほぐすエクササイズ
「肩甲骨まわりをゆるめるエクササイズ」ができたら、肩甲骨まわりをほぐすエクササイズにも挑戦してみましょう。
難易度:易しい
- 右手で握りこぶしをつくり、右腕を右横側にまっすぐ伸ばしたあと、右肘を曲げ、握りこぶしを天井方向に向け、力こぶを作るようなポーズになります。
- 1の状態のまま、左手を鎖骨に添え、少し力を加えて触りながら、右ひじの位置は変えずにこぶしを前方に落としていきます。机を叩くようなイメージです。
- 2を何度か繰り返します。
- 反対側も同様に行います。
肩甲骨まわりをほぐすエクササイズのポイント
このエクササイズを行うと、肩甲骨からゴリゴリと音がする方もいらっしゃるかもしれません。肩まわりをきちんと動かせている証拠なので、心配はいりません。ただ、痛みを感じる場合は無理をせず、可能な範囲で行いましょう。
肩甲骨から鎖骨まわりをほぐすエクササイズ
肩甲骨から鎖骨まわりをほぐすエクササイズです。肩を動かすため、肩こり解消も期待できます。
難易度:易しい
- 右手を右の肩、左手を左の肩に置きます。
- 鎖骨を大きく動かすように肩を前に5回、後ろに5回ゆっくり回します。
肩甲骨から鎖骨まわりをほぐすエクササイズのポイント
肘と肘を胸の前で近付けるように回すと、より効果が高まります。
鎖骨リンパマッサージを行う際の注意点
簡単にできる鎖骨リンパマッサージですが、やり方によっては痛みが生じたり効果が半減してしまうことも。効果的な鎖骨リンパマッサージを行うため、次の3点に注意しましょう。
- リンパを流す方向に注意する
- 優しくアプローチ
- むくみがひどいときは行わない
リンパを流す方向に注意する
鎖骨リンパマッサージは、必ず中央から肩先に向かってリンパを流してください。逆流させると、老廃物を溜め込んでしまう場合もあります。
優しくアプローチ
リンパマッサージをする際は、指で力強く押したり強く揉んだりせず、やさしい圧をかけていきましょう。圧を強くかけすぎると、リンパの流れが逆に滞ってしまうので要注意です。
むくみがひどいときは行わない
むくみがひどいときは、心臓や甲状腺疾患など何らかの病気が原因となっている可能性があります。リンパマッサージに固執せず、専門の医療機関を受診しましょう。
自宅で簡単にボディメイクするなら、リンパマッサージからはじめよう!
鎖骨まわりをリンパマッサージでスッキリさせると、華奢(きゃしゃ)見えするだけでなく、むくみやたるみなど、顔の悩みにも効果を期待できます。また、全身の老廃物の出口となる鎖骨のリンパを流してあげることで、血流が良くなりダイエットの効果も出やすくなります。自宅でできるボディメイクの第一歩は、リンパマッサージから!ぜひ毎日の日課として取り入れてみてくださいね。
肩こりや首こりに悩む方は、下記の記事で紹介しているセルフリンパマッサージの方法も参考にしてください。テクニック不要でできる簡単なやり方を紹介しています。
torcia(トルチャ)ではリンパマッサージをご紹介しています!
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