目指せ開脚180度!股関節を柔らかくする柔軟ストレッチ5選
監修者情報
坂本 真由美
監修
フリーランスのヨガインストラクター。大手フィットネスクラブのレッスンを担当したり、自宅からのオンラインレッスンを開催中。「シンプルで、自然に沿った暮らしを楽しむ」をテーマに、風水や星の動きを生活に取り入れている。現在はライター、風水師、占星術鑑定師としても活動中。
■所有資格:全米ヨガアライアンス(RYT200) / IHTAヨガインストラクター1級 / Yoky風水プラクティショナー / 空間Detox®インストラクター / Astroratio USA Academy認定占星術師
開脚の実現には股関節の柔らかさが重要
夢の180度開脚を叶えるためには、股関節を柔らかくすることが重要です。股関節とは、骨盤と大腿骨(太ももの骨)の繋ぎ目にある関節のことです。180度に開脚するには座る動き(骨盤と大腿骨を寄せる)と、脚を開く(大腿骨を左右に開く)動きが加わります。この動作をする際に股関節まわりの筋肉が固まっていると、思ったように脚を開くことができないのです。
開脚だけじゃない!股関節の柔軟性向上で得られる5つのメリット
①腰痛や肩こりの改善
股関節の柔軟性向上は、反り腰や猫背の解消に繋がります。背中全体に痛みがある方や、呼吸が浅いと感じる方も股関節を柔らかくして姿勢を良くすることで改善できる可能性があります。また、股関節には「歩く、走る、立つ」などの動作にかかる衝撃を吸収する役割もあるため、上半身への負担を和らげ、腰痛や肩こりの改善効果も期待できます。
②冷えやむくみの改善
股関節まわりを動かすことで鼠径部のリンパが刺激され、下半身への血流が促されるため余分な水分や老廃物を流してむくみを改善してくれます。全身の巡りを良くすることにも繋がり、代謝アップで痩せやすい体質へと導きます。全身の倦怠感や疲れやすさも解消しやすくなるでしょう。
③美しい姿勢へと導く
股関節が柔らかくなると骨盤が正しい位置に導かれ、歩幅も広くなり同じ運動をしても効率よくカロリーを消費できるようになります。股関節が正常な可動域で動けばまわりの筋肉が刺激され、前ももの張りや裏もものたるみもすっきり。猫背が解消し、膝のねじれも緩和されるためO脚にも効果的です。
④ケガの防止
股関節は、上半身と下半身を繋ぐ「要(かなめ)」のような存在です。股関節の動きが悪いと、足りない動きを膝や腰といったほかの関節でカバーしようとするため膝に痛みが出たり、咄嗟の動きができずケガに繋がることもしばしば。股関節の柔軟性を上げ、ほかの関節への負担を減らしましょう。
⑤ヒップアップ効果
股関節が硬いときは、お尻の筋肉も凝り固まっている可能性があります。股関節がほぐれると姿勢が良くなり、しっかりお尻の筋肉を使って歩けるようになるためヒップアップ効果に繋がります。美尻を叶えるためにも、十分に股関節をほぐしてお尻の筋肉を使いやすくしていきましょう。
【準備編】まずは股関節の状態をチェックしましょう
まずは自分の股関節の状態をチェックして、どの程度硬いのか、どの部位のストレッチからはじめたら効果的かを確認してみましょう。
もも裏の硬さをチェック
- 仰向けになり、脚を揃えます。
- 片脚を天井に向かって上げていきます。このとき手は使わず、膝をまっすぐ伸ばした状態にします。
脚が床から90度(直角)くらいの高さまで上がるかチェックしてみましょう。90度に届かない、もしくは反対の脚の膝裏が持ち上がってきてしまう方は、もも裏の筋肉(ハムストリングス)が硬くなっている可能性が高いです。
内ももの硬さをチェック
- あぐらをかくように、膝を曲げて左右の足裏を合わせて座ります。
- お尻の下のふたつの尖った骨(坐骨)で床を押し、背筋を伸ばします。
膝の高さが床からこぶしひとつ分以内なら、内もも(内転筋)は十分柔らかいといえます。こぶし3個分以上の高さになる方は、内ももが硬くなっている可能性が高いでしょう。
目指せ開脚180度!股関節を柔らかくする開脚ストレッチ5選
それでは、180度開脚を叶えるために股関節を柔らかくする開脚ストレッチをご紹介します。誰でも簡単に行えるものばかりなので、ご自宅などでぜひ行ってみてくださいね。
①もも裏のストレッチ
日頃から硬くなりがちなハムストリングスを伸ばすポーズです。骨盤を立てて座れない方はぜひこのストレッチを取り入れてみてください。
■もも裏のストレッチのやり方
難易度:易しい
- 正面に椅子を置いて立ち、座面に右足のかかとを乗せます。
- 骨盤の左右の高さを床と平行に保ちながら、脚の付け根を引き込むようにして右足のもも裏を伸ばします。反対の脚も同様に行います。
■もも裏のストレッチのポイント
お尻を後ろに引くように上体を軽く倒し、おへそを床に向けていきます。このとき背中が丸まらないよう意識しましょう。太ももとお腹を近づける意識がハムストリングスを伸ばしてくれます。
②内もものストレッチ
横開脚に必要な内転筋のストレッチです。内ももをしっかり伸ばすことでリンパを刺激して、巡り良くバランスのとれた脚に。
■内もものストレッチのやり方
難易度:易しい
- 軽く膝を左右に開いた状態でしゃがみます。左右のつま先と膝の向きはそれぞれ揃えておきましょう。
- 両手を床につき、右脚の膝を伸ばしてかかとを床につけ、右横に開きます。かかとを蹴りだすようにして足首を曲げ、つま先と膝は天井に向けます。
- お尻とふくらはぎはなるべく床に近づけます。腰を一気に下げずに、ゆらゆらと上下に揺らして緩めていきましょう。反対の脚も同様に行います。
■内もものストレッチのポイント
痛みを感じると、筋肉はケガ防止のために自然と収縮してしまいます。気持ちいい、もしくは“イタ気持ちいい”の範囲で行いましょう。慣れたら、床から手を離しても安定するようにバランスをとってみてください。
③合蹠(がっせき)のポーズ
内ももと脚の付け根をほぐすことのできる、ストレッチ要素の高いヨガポーズです。ご紹介した①②のストレッチを行ったあとにトライしてみましょう。
■合蹠(がっせき)のポーズのやり方
難易度:普通
- あぐらをかくように骨盤を立て両膝を左右に開いて座り、両足裏を合わせます。
- 息を吐きながら両手を前の床につき、尾骨から頭頂までを一直線に伸ばしましょう。
- 呼吸を続けながら、体の前面と後面を同じように伸ばしていきます。上半身が斜め一直線の板になるように意識し、可能であれば肘まで床に下ろします。猫背になる場合はその手前で止めて呼吸を続けましょう。
■合蹠(がっせき)のポーズのポイント
両膝を左右に開くときは前ももが体の外側を回っていくようなイメージで、おへそを床に向けていきます。骨盤を倒しにくい場合は、ヨガブロックや硬めのクッションなどの上に座って行うのもおすすめ。体を前に倒すことよりも、骨盤を倒すことで脚の付け根を回転させることを優先しましょう。
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④カエル足ストレッチ
カエルのような動作で、自分の体重(自重)を使って股関節の柔軟性を高めるポーズです。無理やり股関節を開こうとせず、無理のない範囲でケガのないように行いましょう。
難易度:普通
- 四つん這いの状態から、徐々に両膝を左右に開きましょう。
- 膝や足首まわりに体重がかかり痛みを感じる方は、マットやタオルなどを下に敷きましょう。
- 膝の角度は90度程度になるようにします。
- その状態でお尻をぐっと後方へ引き、足の付け根を床に近づけます。
- 余裕のある方は肘を床につけるなどして調整しましょう。
- 吸う息でゆっくりとお尻を前方に動かし股関節を緩めたら、吐く息でゆっくりとお尻を後方へ引いていきます。
- 数回繰り返したら、四つん這いの状態に戻り休憩します。
- 1〜6を何度か繰り返しましょう。
カエル足ストレッチのポーズのポイント
膝に負担がかかると感じる方は、しっかりと腕で体重を支えながらゆっくりと行い、つま先同士を近づけるようにして膝の角度を小さくするか、膝の下にタオルやブランケットを入れましょう。
関連記事:カエル足ストレッチの効果とやり方をご紹介!骨盤矯正や脚痩せに!
⑤仰向けで体をねじるストレッチ
外ももが硬いことで開脚がやりにくい場合に有効なストレッチです。背骨まわりも同時にほぐされるため、猫背が原因で股関節まわりが固まりやすい方にもおすすめです。
■仰向けで体をねじるストレッチのやり方
難易度:普通
- 両足を揃えて仰向けになり、両腕を床の上で左右に開きTの字の体勢になります。
- 右足を天井に向けて上げます。
- 吐く息で下半身を左にねじりながら右足を左に倒し、左手で足先をつかみます。顔は倒した脚の反対側(右側)に向けます。
- 反対側も同様に行います。
■仰向けで体をねじるストレッチのポイント
3を行うときに膝を伸ばした状態で脚を倒すことが難しい場合は、無理をせず少し膝を曲げた状態で行いましょう。足先をつかみにくい場合は膝に手を添えるだけでも構いません。
開脚目的の股関節ストレッチに関するQ&A
毎日コツコツと柔軟ストレッチを続けることで、少しずつ180度開脚の実現に近づいていると思うと楽しみですね!ここでは、180度開脚を目的とした股関節ストレッチを行うときに気になる疑問についてお答えします。
脚を大きく広げられない!それでもストレッチ効果はある?
脚を大きく開かなくても、脚を開こうとするその動き自体が固まった筋肉をストレッチさせています。股関節が硬い方もでも、あきらめずにコツコツとストレッチを続けることが大事です。
180度開脚を実現するまでどれくらいかかる?
股関節の状態や筋肉の固まり具合によって個人差があるため一概には言えませんが、数日でストレッチの効果が出て180度開脚ができる方もいれば、3か月、もしくはそれ以上かかる方もいます。人と比べずに自分自身の体と向き合い、ケガをしないよう気長に取り組んでいきましょう。
股関節のストレッチで注意するポイントは?
そもそも人体の構造としては、基本的に90度開脚できれば股関節の動きに問題はありません。股関節の状態にも個人差があるため、骨格によっては骨が干渉してしまい、180度開脚することが困難な方も。そのような場合は無理をしてストレッチを行うと筋肉ではなく靭帯を伸ばしてしまい、ケガや痛みの原因となってしまいます。痛みを感じるほどのストレッチは逆効果です。無理なく、少しずつ継続することで自分の体の持つ可動域を最大限に広げていきましょう。
股関節を柔らかくして目指せ開脚180度!
「体が硬いから不安…」と思っていた方も、実際にストレッチをしてみると爽快感や心地よさを感じたのではないでしょうか。いきなり180度開脚はできなくても、段階を踏んでコツコツと積み重ねることで体は着実に変わっていきます。股関節を柔らかくするストレッチを習慣化し、憧れの180度開脚を目指しましょう!
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