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「ラットプルダウン」というトレーニングをご存じですか?主に背中を鍛えるトレーニングで、フィットネスジムにあるマシンを使って行う高負荷トレーニングです。この記事ではジムに通いはじめたばかりの方や、マシンの使い方がわからない方、効果的なトレーニングができているか不安に感じている方向けにラットプルダウンのやり方や効果、ポイント、自宅でできる置き換えトレーニングのやり方などを詳しくご紹介します。
目次
「ラットプルダウン」は主に背中を鍛えるトレーニングで、一般的にはフィットネスジムにある専用マシンを使って行います。トレーニングマシンを設置しているフィットネスジムのほとんどにラットプルダウンのマシンがあると言っても過言ではないほど、代表的なトレーニングマシンです。
ラットプルダウンは、広背筋を意味する「latissimus dorsi」の略称の“ラット”、「プルダウン」は“引き下げる”を意味します。
ラットプルマシンでは、椅子に座って頭上にあるバーを両手で掴み、ウエイトとケーブルで繋がれたバーを胸元まで引き下げるという動きを繰り返します。似た動作に懸垂(けんすい)がありますが、腕や胸の筋力を使って体を持ち上げるのに対し、ラットプルダウンは背中の筋力でバーを引き下げます。
ラットプルダウンで広背筋を鍛えて期待できる効果は、以下の3つです。
肩こりをはじめ、現代病とも言われるストレートネック(スマホ首)を改善する効果も期待できるので、詳しく確認していきましょう。
肩こりが発生する原因は、同じ姿勢を長時間続けて筋肉をずっと使わないままでいることで、筋肉が凝り固まってしまうせいです。筋肉が凝り固まると、血管が圧迫されて血流が滞り、疲労物質が流れにくくなることで、肩こりを引き起こします。
このラットプルダウンは、肩を上げ下げすることで、背中の広い範囲を占める「広背筋」や、肩こりや首こりの発生源になりやすい首から背中にかけて広がる「僧帽筋」といった、背中の筋肉のほぼすべてを刺激します。凝り固まった筋肉がストレッチされ柔らかくなることで、血流が良くなり肩こりが改善する効果が期待できます。
ラットプルダウンのトレーニングは、スマホの使いすぎによって首がまっすぐになるストレートネックや、背中が丸まってしまう猫背、そのほか肩が前方にでる巻き肩や腰が過剰に反ってしまう反り腰などの改善効果が見込めます。姿勢が悪いと筋肉が凝り固まりやすいため、まずはトレーニングで首、肩、背中をほぐし、背中の筋力をつけて正しい姿勢を維持しましょう。
主に肩関節全体の動きを支える広背筋は、脇の下から脇腹までを覆う逆三角形の筋肉です。この広背筋を鍛えることで、背中が引き締まり、ウエストとのメリハリもついて美しい背中を手に入れられるでしょう。
ラットプルダウンのトレーニングをすることで、鍛えられる筋肉や部位は、以下の通りです。
それぞれの筋肉や部位について詳しくご紹介します。
ラットプルダウンのトレーニングの中の「引く」動作で主に鍛えられる広背筋は、体の中で最も大きい面積を持つ筋肉のひとつです。脇の下から脇腹にかけて逆三角形に背中の表面を覆っている筋肉で、肩関節や肩甲骨の動きに関与しており、腕を後方に伸ばしたり、腕を内側に回転させたりする動きを担っています。
大円筋は肩甲骨から上腕につながる筋肉で脇の下あたりに位置し、小円筋は大円筋の上に位置します。どちらも肩関節に作用しますが、大円筋は腕を体に引き寄せて広背筋の働きをサポートする一方で、小円筋は腕を外側にひねるような働きを担います。
僧帽筋は首から肩、背中にかけて背中の表面を覆うような筋肉で、上部、中部、下部からなります。上部は肩甲骨を引き上げる動きを担い、中部は肩甲骨を内側に引き寄せたり、上に回す動きを担っています。下部の僧帽筋は、肩甲骨を下に引き上げる動きを担います。
では、実際にラットプルダウンのマシンを使ったトレーニングで背中を鍛えてみましょう。次のポイントを参考に、ラットプルダウンに挑戦してみてくださいね。
まずは、基本のラットプルダウンのやり方とポイントからご紹介します。こちらの動画/画像も参考に、手順を確認してみましょう。
軽く胸を張った状態で反動を使わずにゆっくりと行うことで、重りの負荷がしっかり背筋にかかり高い効果を得られます。背中や腕の筋力が比較的弱い女性や運動初心者の方の場合、背中の筋力ではなく腕や肩の筋力でトレーニングをしてしまいがちですが、背中の筋肉を使うよう、意識しましょう。引き下げたバーを元の位置に戻すときは、肘を伸ばし切らないように気をつけましょう。ウエイトが「ガシャン」と音を立ててしまうのはNGです。
肘を伸ばし切ってしまうとせっかく力の入っていた背中や、腕の筋力から力がいったん抜けてしまいます。肘を伸ばし切らないところまでバーを上げた状態と、引き下げた状態をゆっくり往復することで適切な負荷を与え続けることができます。
ラットプルダウンマシンに限らず、筋トレでは力を入れはじめるときに息を吐き、動作を戻すときに息を吸い、呼吸が止まらないように気を付けることが大切です。ラットプルダウンの場合、息を吸ってバーを持ち、息を吐きながらバーをゆっくり引きます。バーを上に戻しながら息を吸うようにしましょう。正しい呼吸法でしっかり酸素を取り込んでトレーニングをすれば、鍛えたい筋肉にアプローチできます。
ラットプルダウンはマシンのあるジムでしかできないトレーニングだと思っていませんか?まだマシンを使ったことのない方やジムに通っていない方は、自宅でもできるラットプルダウンの置き換えトレーニングにトライしてみましょう。
上記2種類のトレーニングのやり方をご紹介します。
「いきなりマシンを使ったトレーニングは不安」「まずは正しいフォームを確認したい」という方は、まずはウエイトなしのラットプルダウンからはじめてみましょう。
難易度:普通
肘を引き下げるときは、胸を張りながら肩甲骨を背中に寄せるようなイメージで行いましょう。“背中のお肉を寄せ集める”イメージで行うと、肩甲骨まわりの筋肉や広背筋を上手に使うことができます。また、視線をやや上げることで胸を張りやすくなります。
トレーニングチューブは、マシンがない場所や自宅でも高負荷の筋力トレーニングができるお助けアイテムです。このチューブを使えば、自宅でもラットプルダウンを行うことができます。
自宅でラットプルダウンを行うときは、ハンドル付きのトレーニングチューブと、ドアにチューブを固定するためのドアアンカーを使用します。ドアアンカーがない場合は、高い位置へチューブを固定できる場所で行ってみましょう。
トレーニングチューブを固定するときは、重さに耐えることのできる安定した場所を選んでください。マシンを使ったラットプルダウンと同様に、背中を使う意識や呼吸を忘れないように気をつけましょう。
ラットプルダウンのようなケーブルトレーニングには、アタッチメントと呼ばれるハンドルがあります。付属の補助器具であるアタッチメントの種類によって、同じマシンでも負荷がかかる部位が異なるなど筋トレの効果が変わってきます。
ここでは、ラットプルダウンマシンに使える3つのアタッチメントについて解説します。
最も基本的な形で、多くのジムで使われている、バーの両端の持ち手部分が少し斜めに下がったアタッチメントがベントラットバーです。順手でバーを握って下に引くことで広背筋の上部や大円筋を刺激します。反対に、バーを逆手で握って引くと広背筋の下部まで刺激を与えることができます。
バーの両端の持ち手がまっすぐな、一直線のバーをストレートバーと言います。ベントラットバーに比べ肩甲骨がより内側に入り、大円筋を強く刺激します。
Vの形をしたアタッチメントで、ベンドラットバーやストレートバーに比べて手幅が狭くなります。そのため肩甲骨が内側に入りにくく、主に広背筋の中部や下部、そして大円筋に刺激がいきやすくなります。
ラットプルダウンのマシンの使い方のバリエーションやNGの使い方など、筋トレをする前に確認しておきたい疑問をQ&A形式でお伝えします。
ラットプルダウンの前(フロント)とは、顔の前にバーを引き下ろすやり方で、顔の後ろにバーを引き下ろすのが後ろ(バック)です。バッグの方が自然と胸を張って肩甲骨を寄せたフォームで引くことができ、より背中の筋肉を上手に使えるため初心者におすすめです。一方正しいフォームが身についた中〜上級者にとっては、フロントのほうがより重力を大きくしてトライでき、広背筋に強い刺激を与えることができます。
女性の場合、15kg前後からはじめるのがおすすめです。まずは無理なく動作ができる重さを選択してみましょう。多少軽く感じても、回数を重ねることで徐々に筋肉への負荷が高まっていきます。
腕の力で引っ張ってしまうのは正しくない方法です。負荷が大きくなると腕の力でバーを引きがちになりますが、そうすると背中の筋肉が十分に刺激されません。肩甲骨を寄せるような意識で背中からバーを引き寄せましょう。また、バーを胸やお腹まで下げる、肩が上がってしまうのもNGです。肩が上がらないよう、肘を脇腹につけるようにして、バーを鎖骨または肩くらいまで下げると負荷が効果的に背中にかかります。
トレーニングしづらい背中の筋肉をしっかり鍛えられる「ラットプルダウン」。スッキリとした背中を目指せるだけでなく、姿勢や肩こりの改善にも効果的です。いきなりジムでトレーニングするのは不安だと感じる方は、オンラインフィットネスを利用するのもよいでしょう。ご自身に合った方法で、楽しくかつ効果的に鍛えていきましょう!
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